都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

旧川崎第百銀行

2011-04-15 | 中央区  
旧川崎第百銀行
所在地:中央区新川1-3
構造・階数:RC・2
建設年:1922(大正11)頃
解体年:2002〜03(平成14〜15)
Photo 2001.6.17

 1997年の住宅地図では日刊投資新聞社となっていたが、撮影時には既に同社自体が無くなっていたらしい。コーナー部の入口にあたる部分に自販機が置かれてしまっていて、建物も使われていなかったようにも見える。ただ、壁面に東京??ユニオンという旗が掲げられており、写真右奥には別の入口もあったようなので、なんらかの事務所としては使用されていたのかもしれない。

 様式建築のような姿をしているが、柱頭飾りなどが全くなく、変な建物だなぁと思っていたのだが、下記、「ぼくの近代建築コレクション」で、この建物が川崎第百銀行の支店として戦前に建てられた様式建築だったことを知った。戦後、銀行が合併したりする中で銀行としては使われなくなり、以降、いろいろな会社の事務所として使われていたらしい。

 下記、記事には1986年(昭和61)時点の写真が載っている。当時はまだ玄関が立派で、柱頭部分にもイオニア式の装飾が付いていたのがわかる。コメント欄には、平成になって外壁の工事をした際に削られたか塗り込められたかした、とある。手許の写真と比較してみると、柱頭や玄関まわりの装飾は、確かに削られたか取り外されたような感じだ。外壁を全面的にリニューアルするとかでなく、中途半端に装飾を削ったので、異様な感じになり、また却って汚らしい雰囲気になってしまった気がする。

 撮影時に既に怪しい状態だったので、その後、どうなっただろうかと少し気にはなっていたのだが、やはりこのような姿の建物をわざわざ何度も見に行く気は起こらなかった。そうこうする内に時間が経ち、最近になってたまたま通りかかったら、影も形もなくなっていた。装飾がある頃に見ておきたかったと改めて思う。

ぼくの近代建築コレクション旧川崎第百銀行/新川1丁目
Tokyo Lost Architecture
#失われた建物 中央区  #近代建築  #オフィス  #銀行・保険 
コメント
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