芝東照宮
芝東照宮 拝殿
所在地:港区芝公園4-8
Photo 2011.2.2
芝東照宮は、神仏習合の江戸期には増上寺と一体のものだったという。東照宮は徳川家康(安国院・東照大権現)を神格化して祀る神社でもあり、霊廟建築でもある。一方、増上寺には江戸幕府歴代将軍の霊廟があった。一帯には東照宮も含めて多くの霊廟が建ち並んでいたわけだ。
芝の東照宮は日光東照宮、駿府の久能山東照宮、川越の仙波東照宮、寛永寺と一体の上野東照宮などと共に、数ある東照宮の中でも重要な東照宮と考えられていたという。しかし残念ながら戦災により焼失し、周囲の多くの霊廟と共に灰燼に帰した。空襲により堂宇が炎上した際には、銅葺きの屋根が炎色反応を起こし、青緑色の炎が上がったそうだ。
現在の社殿は、1969年にRCで再建されたもの。規模においても装飾などにおいても往時の面影はなく、かつてここに東照宮があったということだけを示すような感じになっているのは残念だ。背後には増上寺旧境内にザ・プリンスパークタワー東京が聳えている。
芝東照宮 参道 Google Map
型 :直
段数 :13段、拝殿手前に5段
Photo 2011.2.2
拝殿は桜田通り沿いからは2mほど高い場所に建てられている。戦後、焼失した歴代将軍の墓所は整理されたりしたが、東照宮の位置は変わっていないようだ。また石段が江戸期以来のものかどうかは、詳細をあまり把握していないため確実ではないが、恐らく昔のままだろう。明治期の地図などから考えると、階段の上には門があり、左右の石垣の上には回廊か塀が巡らされていたようだ。石段は3段毎に踏み面奥行きが長い段になっている。
さて、増上寺や芝東照宮は、実は武蔵野台地の東端部にある。広域的に見て港区は台地の東端だが、微細に見ても、この場所は台地の東の端だ。浜松町の海岸のあたりからこの階段の手前までは、ほとんど平らで海沿いの低地が広がっている。そしてこの写真の階段から先は、奥に行くにつれ標高が高くなる。東京タワーが建っているあたりなどは、裏山といっても良い。
増上寺と東照宮の社殿は、台地を背後にし、低地側から見上げることになるように立地している。この階段も、武蔵野台地の端、台地と低地のまさにキワに位置するものだ。
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