都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

尾張町ビル

2024-11-24 | 中央区  
尾張町ビル
所在地:中央区 銀座6-8-3
構造・階数:SRC・7F(当初は6F)
建設年:1933(昭和8)
解体年:2010〜11(令和2〜3)
Photo 2008.1.26

 銀座中央通りのひとつ西側のすずらん通りとみゆき通りの交差点に面して建っていたビル。

 英国屋があったビルという印象だったが、調べてみたら英國屋はこのビルの完成当初から入居していたわけではなかった。
 下記、英國屋のサイトと50年史によれば、同社は日本橋丸善裏で小林洋服店として1940(昭和15)年に創業。1952(昭和27)年に銀座四丁目で(株)英國屋を設立。銀座六丁目店は1953(昭和28)に開店したという。

 従って1950年の火災保険特殊地図では尾張町ビルはあるが、英國屋の名は入居していた店としてはまだない。建物は当初は6階建てで、当時入居していた店としてはTuji洋品、一番(料理店)、バーカジノシローの名が見られる。

 90年代の住宅地図で見てもかなり多くの店やオフィスが入居している。当時、英國屋は1階に店舗、3階に事務所が入っていた。みゆき通りに面していたフタバヤ靴店も同様。尾張町ビルの事務所は4階。1Fには他に陶芸社、マリリン、バー龍、今泉商会の名があり、B1Fにはパブも入居していたようだ。路面店以外のテナントや上層階への入口は写真左手、すずらん通り側にあった。
 大きなビルだったので大きな会社の事務所が多くを占めているのかと思っていたが、実際は多くの店舗やオフィスが入居するテナントビルだったらしい。


 Photo 1995.4.30

 1階は石張り、2階から上は塗装。1階と2階の境部分以外には装飾らしいものがなかったが、縦長の上げ下げ窓があるためクラシックな感じに見えていた。また、すずらん通り側に並ぶ自販機の後ろの開口部はガラスブロックになっていた(当初からのものだったのかは分からない)。

 英國屋は現在は晴海通りより北側のエリアに店を構えている。尾張町ビルの解体直前まであったと思っていたが、2009年11月時点のGoogleストリートビューでは「ロンドンからくり博物館」になっており、英國屋は2008年かその翌年には銀座六丁目店を閉じたようだ。

 なお、同所には2012年8月に銀座尾張町タワービルが竣工している。

オーダースーツの銀座英國屋|東京・大阪に5店舗で創業80年
英國屋50年史

尾張町ビル、第三高嶋ビル/銀座6丁目 - ぼくの近代建築コレクション

Tokyo Lost Architecture
#失われた建物 中央区  #近代建築  #オフィス  #商業系 
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