国指定史跡の「旧鐙屋」は、
藩政期の酒田を代表する廻船問屋の屋敷で、
諸藩の年貢米を扱う宿蔵を務めました。
鐙屋は、「酒田三十六人衆」として町政にも参画。
これは、日本における自由都市発祥の地といわれた堺の
商人による自治組織・会合衆を倣ったものだとか。
町年寄役を勤め、町政にも重要な役割を果たしました。
映画「おしん」の撮影が鐙屋で平成25年3月に行われました。
おしんが奉公している「加賀屋」の大奥様が、
長火鉢の前に座って家族に話している
シーンに登場した長火鉢です。
映画では泉ピン子さんが、大奥様を演じています。
ストーリーは分かっているのに
映画でも泣いたのでした。
井原西鶴の『日本永代蔵』に「北の国一番の米の買入、
惣左衛門という名をしらざるはなし」と
紹介される豪商です。
「表口三十間裏行き六十五間を、家蔵に立つづけ、
台所の有様、目を覚しける」と
西鶴が記していますが、
豪華な御膳が出来上がったいるようですね。
江戸時代を通じて繁栄した鐙屋、
日本海開運に大きな役割を果たした姿を
今に伝えているのです。
こうして繁栄した港町の姿をあらためて見ていく旅もしたい、
そんな野望に燃えながらこの地図を見つめていました。
鐙屋の屋根は、石置杉皮葺屋根の
典型的な町家造りです。
弁財船の模型です。
江戸時代に内航海運で活躍した和船の形式。
帆走性能がよく、少数の乗組員で運航できるため、
瀬戸内海を中心に発達して普及しました。
北前船などに用いられた弁財船で
江戸時代の酒田の湊は、
賑わいを見せていたのでしょう。
国指定史跡 旧鐙屋
山形県酒田市中町1-14-20
入館料:320円
2017.5.3