ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

オペラ、 高すぎる料金・・・

2008年07月19日 | オペラ
 今の入場料はびっくりするほど高いし、チケットの金額をきいて「ホテル宿泊食事付き?」と思ったものです。すると入場料金だけ

かつてフィレンツエでひとり、ふらっとオペラを見にいきました。テアトロ・コムナーレという近代的なオペラハウスで、すぐに窓口に並びました。
やっと私の番がきて、「今の座席はこれだけです」と座席表を示され、一階の真中、前から19番目の席を買ってみようと思い、値段をきくと係員は「最高の値段ですよ。あなたそれでいいですか?」と何度もきくのです。「だからおいくらなのですか」と尋ねると「いいのですか?」と念を押され、私も持ち合わせがあるのかしらと心配になってきました。
日本円で換算すると約2000円ほどでした。係員は「ほんとにこれでいいんですね」とさらにききます。持ってるわよ、それくらい!と私は気を悪くしました。

入ってみてビックリしました。私が買った席はピンクのベルベット総張りで肘掛のあるやわらかなソファでした。そう、応接室にあるようなふかふかのソファ。
ロングドレスのレディや正装の紳士たちがすわっています。
2000円でこんないい席にすわれるなんて。

主演はリッチャレッリとガラベンタのコンビによるロッシーニの「コリントの包囲」でした。終幕は大掛かりな舞台装置の建物の背景がくずれ落ち、驚きました。
これはすごい、観客はいっせいに大拍手、この時はじめてリッチャレッリを聴きました。
用心深く、丁寧に歌っていました。

幕間にロビーに出てワインを注文、優雅な気分でした。
イタリアではポリーニのピアノコンサートでも1000円を超えるとお客は買わずに帰るとききました。そのポリーニ、日本では二万円でした。

そういえば、日本でもタリアヴィーニのリサイタルが700円、デル・モナコのリサイタルは1000円、という良き時代がありました。
これをいっきにくずしたのが、カラスとピッポことディ・ステファノのジョイントリサイタル、一万円でした。
登場したカラスの乱暴な歩き方、でかい態度に見えました。ディ・ステファノはひたすら彼女に気を遣っていました。カラスの歌は声が割れ、全く響かない憐れなもので痛々しかったです。私の近くの席のひとは、「まだ歌うの・・・」とつぶやきました。

今のオペラは演出がひどい、といえば「表現の自由だ」と叱られるかも知れませんが・・・「アイーダ」が白人のキャリアウーマン風、「トロヴァトーレ」のレオノーラが自動車で登場、背景は工場地帯、「タンホイザー」の舞台は赤ペンキの落書き?だらけ。
「魔笛」は怪獣ショー。「ドン・ジョヴァンニ」もペンキの落書きだらけで、セットの壁にmorteなんてかきなぐっている!(フィレンツエの落書きなんてかわいいほう)
今はオペラに行くとひどいめにあう。お金は高いし、演出家の自己満足のような舞台、隙間風スースーと言う感じの張りのないゆるんだ声、たるんだテンポでオペラのスタイルを知らない指揮者、申し訳ないけれど、私は老親介護でどこにも行けないけれど、行きたいなんて思いません。家でかつての名演のDVDがありますもの。
コメント (1)
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