ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

教員採用試験不正、一方実力しか通用しないスカラ座の名歌手

2008年07月21日 | オペラ
 腐りきっていると思います。
何でもお金で買える、と思っている人たち、情けない限りです。
採用試験の不正なんて、あらゆるところにあるんじゃないか、とも思います。
そっくりかえって威張った口調の管理職、中味は何もない、上を向いてゴマスリ、下には威張り散らす、また、人にはえらそうに言っても、自分のしてきたことは最低、という人、親が教員で、というのはなぜか多いですね。
大学教授の子が大学に勤める、というのもざら。

でもどうしても、それが通用しないところがあります。
それは、かつてのミラノスカラの天井桟敷、客の態度は良くないけれど、オペラのすみからすみまで知っていて、カルーソは<清きアイーダ>の最後のbフラットの高音をピアニッシモで歌った、また第三幕の「サッチエルドーティ、イオ レスト アテ」(祭司たちよ、私はここに残ります)と英雄ラダメスの壮絶なフレーズ、ここをカルーソはひざまずいて歌った、とか・・・フルオーケストラでティンパニ連打でひざまずいて声で圧倒するのは至難の業、実際に見聞きしたファンが厳しい耳目で歴代のテノールを「採点」よりきつい「評価」をしてきました。

そしてコレッリはアリアの最後のbフラットの高音をピアニッシモならぬピアノくらいで歌い、ベルゴンツイは<イオ レスト アテ>をひざまずいて歌った、もちろんひとつの音も粗末に歌えば即ブーイング、デル・モナコは言っていました。「昨日まで完璧に歌っても、今ここでひとつでも失敗したら、何もないんだ」って。

天井桟敷のファンはこうして本物の名歌手を育ててきました。どんな経歴のある名歌手でも「その時その時」の本番の勝負、テバルディやシミオナートは「引退の日を待っていました。もう今日からぐっすり眠れるわ」と重圧から解放された喜びを言っていました。
名歌手にとっては、その日その日の「その日暮らし」だったのかも?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする