ポーランド、カリーニングラードからの移民流入を警戒 障壁建設を検討
[ワルシャワ 25日 ロイター] - ポーランドの与党幹部は25日、ロシアがバルト海沿岸にある飛び地カリーニングラードからアフリカやアジア諸国からの移民を越境させる恐れがあるため、国境沿いに障壁を建設する必要があるとの考えを示した。
ポーランドは、ベラルーシとの国境から何千人ものアフリカや中東からの移民が押し寄せた2021年の移民危機の再現を懸念。こうした中、ロシアのメディアは、観光客誘致に向けカリーニングラードが中東とアジアからの航空便の発着を開放したと報じた。
ポーランド与党「法と正義」のソボレウスキ書記長は公共放送ポルスキー・ラジオ1に対し、カリーニングラードとの国境沿いにベラルーシとの国境に建設したものと同様の障壁を建設することを検討していると表明。ロイターの取材に対し「向こう数週間」で多くの移民がカリーニングラードからポーランドに入国しようとする可能性があると語った。
ポーランド国境警備隊の報道官はこの日、国営通信社PAPに対し、国境沿いにセンサーやカメラなどを設置する企業を11月末までに選定し、来年第1─3・四半期にかけて約200キロの国境沿いにシステムを設置すると明らかにした。
ポーランド、カリーニングラードからの移民流入を警戒 障壁建設を検討 (msn.com)
「カリーニングラード」の歴史
広大なロシアの最西端にある都市が、カリーニングラード。南はポーランド、北はリトアニアと国境を接する、この国の飛び地だ。
ここはもともと、1255年にドイツ人によって建設された都市。1946年まではケーニヒスベルクという名の、ドイツ東北部の重要な都市でもあった。
だが、1941年から1945年にかけて起きた独ソ戦で街は陥落、ソビエトに編入された。
戦後、もともとここに暮らしていたドイツ人はスターリンに追放され、多くのソビエト人が移住。歴史的な建物も破壊され、跡地にはソビエトの建物が次々と建てられたという。
冷戦時代は軍事都市となり、外国人の立ち入りが規制されていたが、現在は飛躍的に経済が成長。ご覧のカリーニングラード大聖堂をはじめ、ソ連時代に破壊された歴史的建造物の再建も行なわれている。
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