From青木泰樹@経済学者
はじめまして。今月より月一回こちら(★三橋貴明氏のメルマガ)へ寄稿させて頂くことになりました青木泰樹です。
政治経済の潮流や個別の話題に関して所見を述べたいと思いますので、宜しくお願い致します。
第二次安倍政権発足後、500日余りがたちました。
本日は、これまでの安倍政権の歩みと今後の行く末について考えてみたいと思います。
「経済は生き物である」とよく言われますが、政治の世界はそれ以上に変転万化だと思われます。
それゆえ、政治家の宿命が「理想と現実のバランスのとり方」にあるとすれば、単に過去の発言と現在の行動との些細な相違を指して、「変節!」と断じるのは早計でしょう。
それが長期的観点に立脚した目的達成のための政治的技法、戦術であるかもしれないからです。
特に政治権力に近づきつつも、未だ掌中にしていない政治家であるならば、尚更、「方便」の可能性は高いのです。
しかし、政治家がひとつだけ「ぶれてはならないもの」がある。
それは自らが目指すべき国家観(像)です。
国民を導いてゆく目的地です。
もちろん、目的を達成するための手段、具体的には多数派工作の仕方は多々あるかもしれません。
時には迂回も必要でしょう。
ただ目的地を途中で変えてはならない。
国民を謀ることになる。
それが政治家としての矜持でしょう。
目的地を国民に明示し支持を得て政治家になったならば、当然のことです。
万一、変える場合はその理由を説明し、再度選挙で信を得ることが政治家として本道であることは論を俟ちません。
さて、これまでの安倍政権の歩みを自分なりに振り返って見ますと、「賞賛から困惑へ。そして懐疑へ」というのが偽らざる心境です。
目的地にまっすぐ進んでいるとの確信が、多少揺らぎ始め、昨今は船首が転じ、別の目的地に向かうのではとの疑念が湧いてきました。
そうした思いを共有する方も多いのではないでしょうか。
橋本政権に端を発し小泉政権で開花した市場原理主義は、強欲資本主義のベースとなる思想です。
市場メカニズムの完全に機能する場は、同程度の実力をもつ多数のレスラーの参加するバトルロイヤルのリングに似ています。
そこで競争するのが効率的だと主流派理論は教えています。
しかし、現実は違います。
現実のリングには、強い人と、中程度の人と、弱い人がいるのです。
そこに無差別に競争原理を持ち込めばどうなるか。
結果は明らかでしょう。格差がますます拡がるのです。
それゆえ小泉政権を支えた新自由主義思想は、国民の支持を失い、後に民主党政権の誕生という最悪の形で幕が引かれたのです。
当然、この反省を踏まえ、安倍総裁は戦略を練ったはずです。
そこで「デフレ脱却」という経済の旗印と、「瑞穂の国の資本主義」という政治の旗印を掲げました。
アベノミクスはもっぱら前者に関わるものであり、後者は強欲資本主義からの転換というメッセージを国民に与えました。
この戦略は奏功し政権奪取につながったことは周知のとおりです。
アベノミクス自体は、デフレ脱却を目的とした単なる政策のパッケージですから、進むべき針路(国家像)を指し示すものではありません。
いわば溺れかかっている人を助け、船に乗せるようなものです。
これまでのところ、「第一の矢」および「第二の矢」を使った救助方法は間違っておりませんでした。
日本丸の目的地を明示したのが「瑞穂の国の資本主義」です。
安倍総理のこの国家観に、保守層を中心に国民は沸き立ちました。
特に、行き先の全く見えなかった民主党政権後ということもあり、安倍政権は盤石の基盤を築いたのです。
ここまでは良かった。
しかし、政権発足時から、旧小泉政権時代に新自由主義的政策を推進してきた面々が登用され、民間議員が主導する各種会議で「第三の矢」の内容が徐々に報道されるにつれて違和感が生まれました。
しかし、その時点では、最終的な決断は安倍総理のすることであって、政権基盤を安定させるための多数派工作の一環とも解釈できました。
そうした楽観論に水を差す出来事が、消費税増税の決定でした。
なぜ、もう一年なり二年待てなかったのかと臍をかんだ人も多かったに違いありません。
財務省の財政均衡主義の呪縛から安倍総理も逃れることができなかったことは残念至極です。
しかし、これは国内問題ですから、対策も打てるし、後の変更も可能です。
日本人の手の中にある限り、まだやりようはあるのです。
しかし、本年1月のダボス会議での安倍総理の演説は、他の論者の方達も厳しく批判されているように、青天の霹靂でありました。
第三の矢の内容が徹底的な規制緩和策であることを安倍総理自身が言明されたわけですから。
これでは小泉時代への先祖返りです。
それからは、堰を切ったように、安倍総理は新自由主義的政策の具体化を各省庁や各会議に指示して現在に至っていることはご存じのとおりです。
明らかに安倍総理は舵をきりました。
目的地を変えたのです。
トリクルダウン政策の行き着く先は、再びの強欲資本主義です。
それは瑞穂の国の資本主義の真逆の方向です。
この転換の原因は何でしょう。私には、「親米保守」という言葉が浮かんできます。
政治思想に関して門外漢の私は、保守という言葉を字義通り「保つべきものを守り抜く」と解釈しております。
保つべきものとは、国家を国家たらしめる伝統・文化・慣習等の国の形だと思います。
対するに、その保守に冠される「親米」とは何でしょう。
もちろん、それは情緒的な意味ではなく、国防および経済上の緊密なる関係を重視することでしょう。
戦後、親米政策によって日本は繁栄してきました。
いわば、親米は国益にかなうものであったことは事実です。
しかし、時代は変わりました。
覇権国家のないGゼロの時代です。
米国の日本を庇護する軍事力は格段に低下しました。
現代において経済関係における親米は国益と対立することになったのです。
親米によって国家の形が崩される事態に至りました。
明らかに親米は保守と対立するのです。その象徴がTPPでしょう。
現代において親米保守の立場を堅持することは、保守の上位概念として親米を置くことになります。
その場合、親米はもはや「追米(米追従)」に他なりません。
国益を棄損することになる。親米と保守が対立概念となった状況下で、本来、日本の取るべき方策は一つです。
常識的に言って「国益の範囲内での親米政策」しかないのです。
安倍総理には是非このことを認識していただきたいものです。
ただ、懐疑が失望に変わったとしても、そこは終着点ではありません。
意気阻喪してはなりません。
その次に備えなければなりません。
私達が日本国民である限り、保つべきものを守る必要があるからです。
戦線が多少後退しても、状況が若干不利になっても、そうした環境変化の中で次善策を考えねばなりません。
倦まず弛まず、声を上げ続けることが国家を守る唯一の手段なのです。
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経済論理の濫用がわかる名著です。
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★ 「河野談話」早期撤廃を求める国民大会でも、水島さんの演説は耳を覆うような安倍擁護に聴こえ、「何もしなかった国民が、現政権に文句が言えるか」というメチャクチャな話に、水島さんが善意の誤解であり、また国民に無礼なことを言っている意識がない、とガックリした。
しかし、この前の「討論」の西部先生がお話される内容の深さに感動、それにも異論を唱えていた水島さん、決して理解していないのでなく、
引けない立場と思った。水島さんは無理をしている。それが痛いほどわかるから「絶叫」はやめてほしいと思った。
今回の青木先生は、わかりやすい文で現状を語られている。
安倍さんの政権打倒なんて思っていない。
どうか国家国民のための経済政策をしてほしい、同じ自民党の保守である西田先生その他を遠ざけることなく、とんでもない勢力に「配慮」することなく、任期を全うしてほしいと願ったから書いている。
こうして学者の方々も次々に安倍政権に訴えている。
そして国民が声をあげ続けなければならないことも。苦しい日々だ。
何の依存もありません。
私も思いもまさにこの通りなのです。
安倍さんを支持した経緯も、困惑から疑念、そして
抗議へと移った点も全てが当てはまります。
小泉政権の失敗を安倍さんは理解している、そう
思っていたのです。確かに竹中などの強欲な新自由主義派が入っている点が気にかかっていたのですが
まさにそれが一番の問題点になっています。
小泉政権での強行すぎる規制緩和、それにより
姉葉が象徴するような事件、事故、そして
何よりデフレが加速され、庶民の暮らしは
どんどん苦しさを増していきました。
そのデフレを脱却しよう、と旗を揚げ
金融緩和に着手したのです。当然支持したくなりますよね・・・。
私も何も安倍さんの全てを否定するつもりはありません。しかし今のやり方、考え方は間違っています。
TPP、外国人労働者受け入れ、雇用改悪、これらは
日本破壊へと繫がる危険性を持っています。
私達は日本を守らなければなりません。
字の間違いが・・・・。
日本破壊へと繫がる危険性
と書きたかったのです。
すみません。訂正します。
阿倍擁護が第一で、西部先生に論破されていましたが、
水島さんがことあるごとに、ニュース動画や「河野談話
早期撤廃」の会での発言まで、異常なまでに「保守叩き」の「絶叫」だったのです。
まるで安倍政権批判が許されないようなそんな幼稚さを
感じました。
実直でどちらかといえば素朴な水島さんが、もしかしたら
あの小川栄太郎氏に影響されたのでは?と危惧しました。小川氏は最初から田母神支持でなく、それに反発
していた経過も発見、ただただ安倍の犬、
これはまた書かなきゃいけないなと思いながら。
水島さんはもしかしたら西部先生の話が理解できない
のではないか、以前西田昌司議員が西部先生の
言われるようなことを発言していたら「一度、呼び出して
言い聞かせる」と言っていたのを怪訝に思ったりも
していました。
このような状態では外国人労働者問題や経済問題
などチャンネル桜は水島カラーになってしまう。
そかも水島さんは本気でそう思っていない、
まことにややこしいのですが、「男気」と「真実」を
ゴチャゴチャにして「今まで見過ごしていた国民が
政権に何が言えるか」という暴言は戒めなければ
と思います。
三橋先生をはじめ、学者グループは西部先生の
立場を支持する国士であり、また西部先生の
ライバルで仲がよくないはずの西尾幹二先生も
西部先生の側に立っています。
「2枚舌はおよしなさい」と西部先生が厳しく仰ったこと、
ますます安倍さんの「あいまいな」態度が国民の
混乱をやがては反発につながり、それこそ現政権崩壊
になると思うのです。
どこかのテレビ番組でボソッと言うのでなく、堂々と
発言してほしいと願います。
引き続き「声をあげる」ことが必要ですね。
字の間違い、何度やっても同じですね。
文字化けでしょうか。
水島さんの気持ちも多少はわからなくもないですが
安倍さんを守るよりも、日本を守るという
本来の目的を見失わないでほしいですね。
水島さん、芸術家の傷つきやすい心でしょうね。
でものりこえなきゃ、国民は困惑します。
カップッチッリの苦悩する国士のように・・・
わが日本の指導者は我が身を削りながら
今こそ国に尽くす、その後ろ姿が国民を感動させ、
「士は我を知る者のために死す」の気持ちにさせるの
です。
口先の小川榮太郎のことを書こうと思って
あまりにも苦しいので、先延ばししました。
小川さんも安倍さんのヨイショ本を出してベストセラー
になったりして・・・本人の自覚なしかも知れませんが
邪道です。
「日本のために」というスタンスであってほしい。
明日、西田昌司さんに会えます。
西部先生「日本には西田がいる」って。