井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

スターンの呪縛(2)

2010-02-24 23:16:36 | ヴァイオリン

 実はすでに筆者も呪縛にかかっていたのだ。「ビバちら症候群」でビバちらしていたら(わからない方はスルーしてください),思い出してしまったテレビのワン・シーン。

 宮崎国際音楽祭の初回だったと思う。スターンの公開レッスンの一部が放送された。その時,筆者の記憶では小学校2年生だったと思うのだが,ラロのスペイン交響曲(第1楽章だったと思う)を弾いた子がいた。
 もともとスターンは,いわゆる天才少年少女が嫌い,という説もあるが,あからさまに嫌な顔をしたのである。確かに,スターンがヴァイオリンを始めたのは遅いから,それも手伝っているだろう。
「このような曲を弾かせるべきではない。この時期にはヘンデルのソナタなどを弾かなくては・・・」というような主旨のことをのたまわった。

 そうだよねぇ,ラロよりヘンデル!

 その場にいた訳でもないのに,テレビを通して見ていた筆者までもが呪縛されてしまったのであった。その場にいらっしゃった方はなおのことであろう。

 それ以来,筆者もヘンデル,ヘンデルと言い続けているきらいがある。元々好きだったこともあり,ちょうどスターンに背中を押されたかっこうである。

 一方でラロのスペイン交響曲の扱いが難しくなった。

 筆者が小学生の時,これは高校生のコンクール課題曲だった。そして高校生になってから弾いたのであるが,その時,芸大のある先生から「今は中学生で弾く曲だからね・・・」と言われた。実際,それを言われた翌年は中学生の課題曲になっていた。
 それから10年後,小学生が弾きだす訳だ。この曲は易しいのか?

 ある時,機会を得て,全楽章弾いたことがある。滅法難しかった。子供の頃は,楽章一つ分しか弾かない。全5楽章通して弾くと,これほどまでに難しくなるとは予想していなかった。

 一つの楽章だけなら易しいのか?

 弓の元が使えて,スペイン的な感性を感じ取り,指を速く動かすことができれば,この曲は弾ける。なんだ,かなり難しいではないか,と思う方には難しいはずだ。
 ただ子供でもとりつき易い方の曲だと言える。長いフレージング(息づかい)をあまり要求されないからである。

 でも,やはり呪縛のかかった曲は嫌だな,というのが正直なところ。別に子供で弾かなくてもいいじゃない,難しいのだから。大人になって初めて弾く人だって,いっぱいいるし・・・。

 このように,易しいのか難しいのかわからない曲は,結構たくさんある。それについては,またいずれ考えたい。