井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

41小節目はJ.S.バッハの小節

2012-02-13 23:29:08 | ヴァイオリン

バッハのドッペル・コンツェルト、2台のヴァイオリンのための協奏曲のリハーサルをしていて、はっとさせられた。

第2楽章において、

「この41小節目から再現が始まるので・・・」

とソリストから注文が出た時、すかさずチェンバロの鈴木優人氏、

「バッハの小節ですね。」

「あ、本当だ!」と私。

次に第3楽章において、

「この41小節目から音楽が変わるので」とソリスト。

「これもバッハの小節ですね。」と鈴木氏。

「あっ」と驚くタメゴロー状態の私。

第3楽章の41小節目は、ソリスト二人が重音をかきならすところで、ヴァイオリンの4重音が鳴り響く、とても印象的な部分である。

高校以来とても好きな曲で、しょっちゅう弾いていたのに、そこが41という表象を持っていたことに今の今まで気がつかなかった。さすがは鈴木優人。(彼はこんなことばかり考えてチェンバロを弾いているのだろうか。)

ここで「41」について説明が必要だろう。

アルファベットを数字に置き換える方法がある。Aを1、Bを2と置き換えていくと、BACHは2+1+3+8で14になる。昔のドイツ語にはJという字が使われなかったのでヨハンはIOHANNと綴る。それでI.S.BACHを数字化すると9+18+14で41になる。

それで14も41もバッハの名前を由来とする大事な数字として作品中に現れる。これは声楽曲を扱う者にとっては常識。

バロック時代、コンチェルトは基本的に娯楽作品だったから、そんな中にも41が隠されているとは、私にとって全く予想外だった。

以前にもビブラートと弦素材の件で書いたが、やはり鈴木優人氏とのやりとりは愉快である。