井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

指揮者カイルベルトが残した伝統

2018-11-22 18:04:36 | オーケストラ
NHKFMの「N響ザ・レジェンド」という番組は、歴史の証人である。時々、本当に衝撃を受ける。

先日のカイルベルトの放送、一般的には、まあ普通の放送なのだが、そこで紹介された内容は一生忘れない類いのもの。

正直言って、カイルベルトの演奏の録音は、多分初めて聞いた。生はもちろん、レコードも何も聞いたことがなかった。
それでも名前を記憶しているのは、ある時期、N響の名誉指揮者だったからだ。そして、名誉指揮者は時々来日してN響を振るものだが、ただ一人、すぐにお亡くなりになり、全く聴く機会がなかったのである。

だが、指揮者の故岩城宏之さんはカイルベルトの真似をして怒られたと、本に書いてあったり、我々が世話になったウラカワ先生は「カイルベルトに認められてバンベルク響のコンマスになった」という噂と共に芸大にいらっしゃる等、何かの折りに出てくる名前だったのである。

それで、忘れられない内容とは、実は演奏自体ではない。
演奏自体はオーソドックスで、当時のN響として名演の誉れ高いことも充分想像できる。平たく言って、良い演奏、と偉そうに言わせてもらう(私の先生が何人も演奏しているというのに)。

そのリハーサル時に出した言葉を、コンサートマスターのウンノ先生が記録していたことが衝撃だったのだ。(続く)