過日、我が大学では昨年に続き、入学式で「大地讃頌」を演奏したが、NHKによると、この曲は卒業式で2番目によく演奏される曲なのだそうだ。で、現在その次に位置している曲は「手紙」。
それは昨年、NHKの合唱コンクール中学校の部の課題曲だった。ゆえあって、そのコンクールを聴衆の一員として聞いてしまったので、イヤという程聞いて……イヤになってしまった。
理由はいくつもあるのだが、最大の理由は、ある曲に「似ている」からである。(「似ている」話は、これで3回目かな?多分、今後も何回もするでしょう…。)
まず、ビートルズTHE BEATLESの「レット・イット・ビーLET IT BE」。 「手紙」の冒頭「拝啓」、「LET IT BE」のサビ“Let it be”はどちらも、旋律の音の並びが「ミレド」。
コード進行も両者はよく似ている。フレーズの終わりがⅤ度からⅠ度に行く前にⅣ度が割って入る「弱進行」という型、それから平行調に転調するあたり…と専門用語を使ってもわからないかもしれないが、とにかくビートルズの「LET IT BE」を聞いていただきたい。ビートルズの中でも名曲中の名曲、「手紙」の作者A.A.さんには申し訳ないが、「手紙」とは次元の違う存在だと思う。
ひょっとしたら、「手紙」は「LET IT BE」のパロディとして作られたのか、ということも考えた。 しかし、以下の事実でパロディとは考えにくい。それは、サビの部分で「なごり雪」になってしまうこと。 「イーマー春が来てー」かと思いきや、 「イーマー負けそうでー」に変容している。
実はイルカさんの「なごり雪」も、あまり好きな曲ではない。ガロの売れなかった曲「ピクニック」に似ていたからだ(似ている第4話)。私は「学生街の喫茶店」「君の誕生日」「ピクニック」と、どれも結構好きだった。だけど「なごり雪」のあまりのヒットで「ピクニック」など誰も知らない、私も歌詞は忘れてしまった、そんな存在になってしまったので、渋々「なごり雪」の存在を認めている。なので、それにさらに似た存在は、全く受け入れる余地がない。
ただ、そのような次第で「なごり雪」の音楽的価値はさほど認めていないから、その件は「ご愛嬌」で済ませられる。しかし「手紙」に涙する中学生が「LET IT BE」を知らないという現状は由々しき事態と認識するので、吠えまくる訳だ。
ビートルズの名曲はクラシックであり、ガーシュイン等と同列に論じるべきだと常々思っている。「手紙」が好きな人がいるのは構わないが、「LET IT BE」を知らないでいるのは良くない。「LET IT BE」を卒業式で歌う学校が増える日を待ち望もう?!
そう言えば「大地讃頌」もロ長調の「ミレド」で始まるなぁ。卒業式は「ミレド」が似合うのか……?
JMJなどでお世話になってたビオラのでかいやつです。
Let it beは音楽を始めるきっかけになった曲なので勢い込んで書き込みます。
曲自体は知ってましたがBeatlesの曲であることを知ったのは中学卒業後すぐくらいです。
「手紙」聴いてみましたがコード進行は結構そのままですね。V→IV
→Iの進行や平行調への転調などlet it beのアイデアは踏襲されてると思いました。
「手紙」以外にもじゃネット・ジャクソンの"Again"(確かこの曲名だったはず…)やスピッツの90年代半ばのヒット曲にもよく似たコード進行はありました。ポップスではわりとよくあるパターンなんですかね?先生のビートルズ論、ぜひ一度お伺いしたいです。
ビートルズ論は,私が扱うには巨人過ぎます。本文で書いた通り,クラシック音楽と同等で,かなりのリサーチが必要なので・・・。
私は,ビートルズ=ゴーストライター説を支持します。
何年か前に聞いた話です。
そのゴーストライターは,その後,フランスで作曲の先生をしていたと・・・。
本当かどうかはともかく,ジョリヴェやデュティユ,メシアンのような人が,片やビートルズを書いていたとすると,面白いでしょう?
ミュージカルに絶好のネタだと思うのですが,もし作ったら,まだ生きているマッカートニーあたりから猛烈な反発があるでしょうねぇ。
ゴーストライター説は初耳です。ファンとしては受け入れ難いところもあるんですが…(苦笑)
アルバム"Rubber Soul"に収録されている"Michell"なんかはフランスのシャンソン風なところがある、とはよく言われてますね。あまり彼らの音楽にフランスっぽさ?を感じることはなかったのですが本当なんでしょうか?ともあれ、残された曲の質の高さや量を考えるとゴーストライター説は一考の価値はあるかもしれませんね。今度詳しくお聞かせ頂ければと思います。
反発はマッカートニーよりかは熱狂的なビートルマニアからの方がすごいと思われます(笑)。ジョン・レノン暗殺犯は出所した瞬間ビートルズのファンに殺されるから出所させないとまことしやかに語られているくらいですから。
今日はFSSOの合奏だったそうですね。今年も本番には足を運ぶつもりです。大曲ぞろいの中、お疲れ様でした。
おっしゃる通り、ロックンロールとして考える見方は私にはわからないことが多々あります。
私はクラシック音楽として見ていますので、またそれなりの見方があります。
それはそれで先達がいろいろやってらしたのですが…こんな話をしていると、なんだか論じてみたい誘惑にも駆られます…。
そのうち、控えめにやってみようかな…。
Ⅰ-Ⅴ-Ⅵm-Ⅳ
確かに同じですね。これは気づきませんでした。コメントありがとうございます。
プロデューサーが、ギルドホール音楽院でクラシック音楽の基礎を学んだ
ジョージ マーティン だったからです。
アドバイスなどで作曲も手伝ってはいたと思いますが、
基本的には全て、本人達が作った曲ではないかと思います。