井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

ヴァイオリン曲の難易度について

2010-12-22 07:18:27 | ヴァイオリン

このブログには「アクセス解析」というのがあって,どのような検索ワードに本ブログがひっかかったかがわかる。

ここで,あきれるほど多いのが「難易度」という言葉。過去3ヵ月で80件ほど。

気持ちはわかる。教える側も習う側も,それがわかることで先に進みやすいのは確かだ。

教える側は,やはりステップ・バイ・ステップを考えるから,この順番で良いのかどうかの指標がほしい(個人的なものは皆さんお持ちだが)。

習う側は,多分いきなり難しい曲を渡された時,「これってどのくらい難しいものなの?」ということを知りたくなるはずだ。そして,このくらい難しいということがわかると,少し安心する。

確かに,山の高さが300メートルなのか600メートルなのかでは,心構えは変わってくる。当然だ。

しかし一方、それは大人の感覚というもので、子供にしてみれば、登ってみなければわからないことが多いのではないだろうか。登ってみると、立田山(標高152m)より金峰山(きんぽうざん標高655m)の方がきついと実感する。だからと言って標高が高い九重山中岳(標高1791m)はもっと大変かというと、それは通り道によって違う、などということも登るとわかる。(自分の昔を振り返って考えていたら、当時山登りの好きなヴァイオリンの先生に習っていて、その影響で実にローカルな比喩になってしまいました。)

だから難易度を気にするのは、教えている先生側か、習っている生徒の親御さん、ということなのだろう。さもありなん。私も実は知りたい。

ピアノの場合、エチュードの歴史というものと相まって、様々な難易度表が発表されて百年を超える歴史がある。こうやって考えると、ピアノは実に単純な楽器だ。上から下に指を押さえるだけなのだから。さらに、ピアノにおいて「難しい」とされているのは、指を「速く動かす」ことのみで、例えば一個の和音を「ブラームス風に響かせる」(これはかなり難しいはず)ことなどは度外視されている。だから、実際以上に単純化された難易度が、ある程度定着している。

それにひきかえ、我らがヴァイオリン、右手と左手の技術が全く違い、右手のスピッカート(弓を跳ばす)と左手の重音と、どちらが難しい、と問われても答えようがない。弦楽器は管楽器と比べても、技術の種類が多い。それが難易度を考えるのを困難にしている。

だから、難易度なんて気にしないで、ひたすら練習して下さい、と言いたい気持ちもある。

が、それでは人類の発展がない、と思わないでもない。もう少しは科学的に考える余地があるだろう。

なので、今後も少しずつ考えていくつもりである。(今まで考えたことは「梅鶯林道」を参照されたし。)

まずはクライスラーの「前奏曲(プレリュード)とアレグロ」から。


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
スノボーですか。それは面白いですね。 (井財野)
2011-01-08 05:17:58
スノボーですか。それは面白いですね。
返信する
うちのブログは「スノボー 服装」という検索で飛... (まう)
2011-01-07 23:53:15
うちのブログは「スノボー 服装」という検索で飛んでくる人が結構います、何故か。



もちろんスノボーなんてやったことないっすw
返信する
なかなか簡単には書けないことなので、しばらくお... (井財野)
2010-12-25 10:57:26
なかなか簡単には書けないことなので、しばらくお待ちくださいね。
返信する
前奏曲とアレグロ (kadoman)
2010-12-22 10:28:13
前奏曲とアレグロ
息子にとって、ずっと目標曲の一つでもあるので大変興味があります!
お話、楽しみにしています。
返信する

コメントを投稿