井財野は今

昔、ベルギーにウジェーヌ・イザイというヴァイオリニスト作曲家がいました。(英語読みでユージン・イザイ)それが語源です。

わかる演奏

2009-03-27 18:21:22 | モーツァルト

モーツァルト以前の問題はまだまだある。そもそも、演奏の良し悪しとは何だろうか?

表現力とか解釈とか、いろいろ考えられるかもしれない。が、そのような要素で考えていくと、正反対の表現が出てきて、どちらも良いと思う人が出てきた場合、何がいいのかわからなくなるだろう。

ここで齋藤秀雄先生の言葉が蘇ってくる。これも、以前から紹介している「講義録」にある言葉だ。曰く「先ずは、構造がわかる演奏に努めなさい。」

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敢えて、再記しよう。構造がわかるとは、

・フレーズがここから始まり、ここで終わる

・ここでハーモニーが変化する

・強弱やアーティキュレーションの区別

・声部の優先順位、バランス

・適切なテンポはコレ!

等々のことがわかることを指している。

上記以外にもまだ様々な要素があり、これを「わかる」ように演奏するだけで、大変なエネルギーがいるはずだ。

一方、バッハやモーツァルトは構造がしっかりしている作品ばかりなので、「わかる演奏」であれば、大半の人は満足し、「よかった!」と言ってくれる、ありがたい作品群だと思う。

なので、先ずは「わかる演奏」に専念すべきだろう。他人と違う個性を発揮しようなどというのはクレーメル級の人が考えれば良いというのが筆者の考えだ。


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