音楽の「様式」を考える時、その国固有の音色も問題になる。ドイツ的な音色、フランス的な響き、のように。
このドイツ対フランスには、みんなかなり悩まされる。この調子で各国の音色を知らないといけないのか、と考えるとうんざりするのだが、はて、ノルウェーの音色(グリーグ)とかフィンランドの音色(シベリウス)とか要求されたっけ・・・。
つらつら考えてみるに、そこまで明確に要求されるのはイタリア、ドイツ、フランスの3か国だと言って良いように思えてきた。
断定できないのは、ノルウェーやフィンランドの人に確かめた訳ではないからである。
確かめてみると、それなりにあるのかもしれない。でも上記の三つほどうるさく要求はされない。なので、この三つは「音楽先進国」と言って良いだろう。
学習者は、まずこの3か国の様式について学ぶ必要がある。
それを前提として・・・
当然それだけで済む訳ではない。ある程度は並行して、他の国の様式に対する考えも進めておく必要はあるだろう。
ピアノ奏者には全くと言って良いほど無縁なドヴォルジャーク、だがオーケストラだと「新世界」を演奏しない団体は考えられない。
近代だとバルトーク、コダーイを中心とするハンガリーも重要な国になってくる。
それぞれチェコ語やハンガリー語の知識があった方が音楽作りしやすいのは確かである。
そうなると、もっと重要な国が浮かび上がってくる。
「ロシア」
この国は考え出すとなかなか深くて大変である。なので、また次の機会にまわすが、そろそろ4番目の国として遇さなければならないのではないか、と昨今は考え始めているところだ。
ギターの場合は、やはりスペインが本場だろうとは思っていましたが、その中でも区分けがあるのは初めて知りました。スペインも連邦国家のようなものですから、さもありなんですね。
本邦に弾き直してみますと、先代の高橋竹山師の音は、これぞ津軽の音、と思いながら聴いていましたが、お江戸の清元とか常磐津は、きっとこれとはまた全然違う音を持っておられるのでしょうし、琉球には周知の通りまた全然違う琉球な音色があり、上方には上方の音がきっとあるのでしょう。長崎の丸山にも、丸山の音ってものがまだ残っている感じがします。
音楽がユニバーサル化して行く中で、生物多様性が失われつつあるように音楽の多様性も失われて行くのでしょうか。再認識されて行くのでしょうか。そんなことを考えさせられるエントリでありました。ありがとうございます。