「ジャングル大帝」「宇宙戦艦ヤマト」「ドラゴン・クエスト」と三つの音楽に対する思いを綴った。全て好きだという訳ではない。ただ、重要な共通点があるのである。これらの作曲者の生年に注目していただきたい。冨田勲(1932)、宮川泰(1931)、すぎやまこういち(1931)、いわゆる「昭和一けた」、私からすれば親の世代、つまり三人は同世代である。
あらゆるジャンルで「昭和一けた」の皆さんは、同じ特徴がある。それは、その上の世代が戦争でいないため、かなり若い時から日本の中心的な仕事をし、それがまた長く続いたのである。もちろん、戦争の苦労もしているから、良い事だけが廻っていたわけではないのだが。
御多聞にもれず、上記のお三方も長く日本の中心的存在だった。それは羨ましいところもないではない。ただ、やはり敬意を払いたいのは、間接的に文化を背負っている姿勢が感じられることである。戦後の復興を文化面で切り拓こうという姿勢である。
もっと具体的には、皆さんクラシック音楽に対する畏敬の念が感じられ、宮川氏やすぎやま氏は、(結構はっきりと)自分の音楽とクラシック音楽との結びつきを願った発言等がある。(冨田氏はシンセサイザーで世界のトミタになってしまったので、さらにその先を行った感があるが。)
皆さん、消耗品の商業音楽ではなく、クラシック音楽同様、文化として伝えられる音楽を目指しているという方向性が、はっきり感じられる。だからオーケストラ編曲に耐えられる作品になっているし、そうすると、さらに吹奏楽等に編曲したものも含め、音楽愛好家が楽しむ機会がさらに増える。これが文化でなくてなんであろうか。
ヤマトの音楽、ドラクエの音楽、アニメやゲームを離れて楽しむことができたし、楽しんでいたのだ。演奏側から言えば、それをレパートリーに入れることによって、聴衆を獲得できたのだ。ここが大事なところだ。享受する年代層がぐっと広がる。
昨今のゲーム音楽で、それができるか?
韓ドラブームは、歴史問題、竹島問題をあっさり乗り越えて、親韓派を作った。日本のゲームも実際は尖閣諸島問題をあっさり乗り越えている。ただこれが10代20代の若者中心で、それ以上に広がる要素があまりないので、文化にも平和にも貢献していない。このゲーム製作者に昭和一けたの気概があったら、世の中変わるよ ! ゲーム作りの皆さん、何とかしておくれよ。
初期のミュージカル全盛期で、五大作曲家という存在があります。バーリン、カーン、ポーター、ロジャース、そしてガーシュイン。
現在、ジャズのスタンダード・ナンバーは、この時代に大半が作られています。
ちょっと気にかけると面白いと思いますよ。クラシック音楽の衰退と軌を一にしていますから。
1930年代の曲については恥ずかしながらあまり分からないんですが、60~70年代の音楽については確かにそのとおりですよね。
例えば私のような後追いでその時代の音楽を追っかけた人もたくさんいるわけで、そのような魅力はなんだったのか、とよく考えます。
ポップスが活発だった時代、というのもあるとは思うんですが、やはり「制約がある中での音づくり」というのは一つのキーワードではないかと思います。
ビートルズの"Sgt Pepper's Lonely Hearts Club Band"制作時エピソードなんかはそういう工夫して新しい音を作る喜びにあふれているような気がします。
案外、4ピースバンドで一発録り!した方がいいもんができるんじゃないかと思いますw
まうさんのコメント,いちいちごもっともだと思いますよ。別にクラシック的でなくても良いのです。上質なものにしていただきたいと思います。
上質なものとは・・・?
世間で今,BGMとして流れている曲は20世紀の曲が圧倒的に多いです。それも1960年代から70年代,ついで1930年代が中心。つまりそのころのいわゆる「ポピュラー音楽」は上質だったと言えるのではないでしょうか。
生意気ではなくて,真実を書いてくれていると思います。ありがとうございました。
ロトのテーマ直撃世代ってことでコメント書こうとしたんですが反映されなかったみたいです…。
自分のブログ↓でちょいと語ってみたのでよかったらお越しください。
http://starynight426.blog42.fc2.com/blog-entry-361.html
乱筆、失礼しました。
ロトのテーマ直撃世代なので、ゲーム音楽の変遷についていろいろ思う所があります。
昔は3和音しか使えない制約の中でいい音楽を作ろう!という気概が見えるソフトが結構あって、音楽がゲームの演出面を引っ張っている場面が多々ありました。
今は予算と容量さえ気にしなければ生オーケストラさえ駆使できますが、逆に印象に残る音楽は減ってきているように思います。最近のゲームはやってないので一概に言えないとも思いますが…。
ただ、昔からいえることですがゲーム音楽はクラシックよりかはロックや民族音楽との親和性が高いため、クラシックを語る視点とは別の視点から分析しないといけない部分も多々あります。構築性、というよりはメロディ的な所で語ることころが多いというか…。
ただ、子供が一番触れる機会が多い音楽の一つとも言えるのでもっとアニメ・ゲームの音楽には力を入れるべきなのかもしれませんね。
生意気&長文で申し訳ないっす。