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日本経済は潮目が変わったのか?今のアベノミックスをどう見るかは、エコノミストや金融関係にお勤めの方でなくても、非常に興味深い問題です。賛否はあれど、安倍首相の政策は、低迷した日本経済からの反転を計ろうとする「意思」が感じられる政策だと思います。ただ、一企業人としては、(3本目の成長戦略は別としても)マクロ経済政策に頼った経済はしょせんはメッキだと思うので、やはり企業がイノベーション、変革を起こして、競争力を高めていくことが王道でしょう。
本書の著者は、マスコミにも頻繁に登場する著名な東大の経済学の先生。まさに、真の経済専門家が書くにふさわしい、誰にでもわかる旬の経済入門書です。
筆者は経済を見る3つの目を軸に解説します。1つは、いわゆるマクロ経済としての「鳥の目」。金利や物価、名目と実質の違いを説明してくれます。2つめは、ミクロ経済としての「虫の目」。薬品価格、電力改革、米の値段を取り上げ、価格の動きを読み解きます。そして、3つめが、「魚の目」。経済の分岐点、潮目がどう変わるのかについて、石油ショックやバブル崩壊からデフレへの動きを追いながら解説してくれます。
筆者は、今の日本経済が潮の変わり目とみています。長い間、苦しんだデフレからまさに潮目が変わってきており、日本人はそれに備える必要があると説きます。筆者に組するかどうかは読者の判断でしょうが、考えるフレームワークがこれ以上分かりやすくは書けないだろうというぐらい、分かりやすく書いてあるので、私のような初学者にお勧めです。