その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ロンドン 仕事納め

2009-12-31 08:25:17 | ロンドン日記 (日常)
 日本と違ってイギリスの年末・年始はクリスマスの25日と翌日26日のBoxingDay、加えて元旦の1月1日しか休みになりません。ただ、今年はカレンダー巡りが良いので、25日から28日までと1日から3日がお休みです。私は明日の31日はお休みを貰ったので、今日が仕事納めとなりました。

 今日も通常の営業日なのですが、実際はクリスマスと合わせて休暇を取っているローカル社員が多く、職場には普段の3分の一ぐらいの出勤状況で、オフィスの中も随分静かです。クリスマスの余韻を引きずっている感じです。日本の本社はもう休みにっているため、私の仕事も一層、マイペースで仕事ができました。午後の最後の2時間は、たまった古い書類を廃棄し、卓上カレンダーを来年のものに入れ替え、机を雑巾がけし、本年の業務は終了。

 越年となった懸案事項は山のようにありますが、書類を片付けていると、数ヶ月前の資料も随分古ぼけて見えるのに驚かされます。大切なものはファイリングしようと選別しているつもりなのですが、9割の資料は賞味期限切れでそのままシュレッダー行き。日々の忙しさに一方的に追われているだけにしか思えない自分の業務も、改めてこうして見てみると、少しづつは前に進んでいることがわかります。それにしても、本当に世の中、進みが早くなりました。

 たまには、先日のクリスマス休みに感じたことと似ていますが、立ち止まって振り返ることも大切であることを改めて感じた次第です。


 ここ数日小雨が降り続くロンドンにて
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石戸谷 結子, 木之下 晃 『ひとりでも行けるオペラ極楽ツアー 』 朝日新聞出版

2009-12-30 06:22:57 | 
 今年1年、ロンドンを拠点にベルリン、ザルツブルグ、プラハと続けた、私の欧州つまみ食い音楽旅行のタネ本です。とっても文章が親しみやすく、写真も綺麗で、編集も読みやすいです。見ているだけで旅に出たくなる本です。劇場の解説だけでなく、街の見所とかも簡単に紹介してあるのがうれしい。この本をもとに、これからもいろいろな街を仕事の合間を縫って、可能な限り訪れたいと思っています。

 まだオペラの本丸イタリアはまだなので、次の標的はイタリアです。
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岡田 暁生 『西洋音楽史―「クラシック」の黄昏』  (中公新書)

2009-12-29 05:58:50 | 
 この間、著者の『音楽の聴き方』を読みとても面白かったので、日本から取り寄せ、クリスマスの休みを利用して読んでみました。

 とっても勉強になります。知らなかったことを知る、今まで自分の中で整理されていなかったことが整理されるという点でとっても知的興奮に溢れる本であると同時に、今までこんなことを知らずにコンサートに出かけ、クラシック音楽を聴いていたのかと、ちょっと自分が恥ずかしくなるような本です。

 帯のキャッチフレーズのとおり、西洋音楽史を一望する本であり、西洋音楽の流れが、社会情勢、政治情勢、文化情勢などを絡めて立体的に叙述されています。『音楽の聴き方』同様、線を引きながら読んでいたら、線だらけになってしまいました。お薦めです。
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ロンドン クリスマス ジョグ

2009-12-26 15:01:16 | ロンドン日記 (日常)
 いつもは公園を走る週末ジョギングですが、今日はクリスマスということもあり、街中を走ることにしました。

 ご存じの方も多いと思いますが、25日のクリスマスのロンドンは全くと言っていいほど、都市機能がストップします。列車、地下鉄、バスの公共交通機関は全て終日運休。お店も、スーパーもデパートも小売店も99%休み。やっているのはイスラム系の人がやっている日用品店ぐらい。当然、レストランも全て休みです。通りから人影がまばらになり、静かな、まるでいつもとは全く異なるロンドンが現れます。私が住む付近も、人気がなくなり、随分寂しいものです。日本も昔、お正月はこんな感じだったなあ~、思い起こされます。今、ロンドンに居るから贔屓しているわけではありませんが、1年に一度ぐらい、こうやって皆が休む日があってもいい気がします。日本はちょっと、せわし過ぎるから。

ロンドンの目抜き通りオックスフォード・ストリート。朝9時半ですが、殆ど人を見かけません。ただ、ここは明日は、クリスマス明けのバーゲンで、東京のラッシュアワー時の新宿駅並みの賑わいになるはずです。


同じく、ショッピング・ストリートのリージェント・ストリート。タクシーをたまに見かける程度です。


いつもは観光客で一杯のトラファルガー広場もひっそり。


今日は私もこのJog以外は家でゆっくりです。
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スタヴェフスキー劇場 「魔笛」 Magic Flute

2009-12-26 02:45:20 | オペラ、バレエ (in 欧州)
 2日目はスタヴェフスキー劇場で「魔笛」を鑑賞しました。スタヴェフスキー劇場は、モーツァルトが自身の指揮で、「ドン・ジョバンニ」の新曲を披露した歴史的な劇場です。映画「アマデウス」のロケにも使われています。


劇場はとっても小じんまりとしています。出演者の息遣いまで聞えてきそうな距離。全体の色彩が薄グリーンで統一されていて、とっても綺麗です。ここで、モーツアルトが指揮をとっていたと思いを巡らすのもなかなか楽しいです。




 開演前の面白い体験は、ホールのドア前に立つ、齢80も近いかと思わせるパンフレット売りのお婆さんとのやりとり。このホールは、コート等の上着は地下のクロークに預けるのがルールらしいのですが、終演のタイミングと飛行機の出発がギリギリな私は何とかコートを持ち込もうといろいろ工夫しますが、全て見破られ、"Coat. Cloak. Understairs."と怒られ、私の負けでした。

 会場は、クリスマスシーズンの「魔笛」ということもあってか、子供連れの家族での観劇の人も多く見かけました。チェコ語の上演で、ドイツ語と英語の字幕が付きます。後で知ったのですが、プラハ国民劇場による上演でした。

 公演はどうだったかというと、昨日と比較すると、オケや歌手陣は昨日のが一枚上手だが、演出がこちらのほうが良く、総合でスタヴェフスキー劇場のハナ差勝ちといった感じでした。

 お姫様Pamina役のソプラノAlžběta Poláčkováはとても良かったと思います。綺麗な人でお姫様役にぴったり。声の大きさ、響き、色など、全てにおいて一番の出来だったと思います。主役王子様Tamino役のAleš Brisceinも甘いテナーで良かった。あと、3人の侍女と3名の童子達もとっても良かった。



 一方で、いまいち組は筆頭は夜の女王役のJana Bernáthová。確かに難曲続きのこの役なのでしょうが、ちょっと力不足の印象でした。心の中で「ブー」でした。また、モノストタス役のJiří Hruškaも駄演。さらにこの物語のキーでもあるパパゲーノのFrantišek Zahradníčekも不調(もっともこれは事前に「体調が完全ではない」とのアナウンスがあった)。それぞれ見せ場があるものだから、見せ場で見せられないパフォーマンスの何とみじめなものか。オペラは、出演者それぞれがベストでないと全体が崩れてしまう、何と難しい見世物であるかを実感しました。


 それでも昨日より印象が良かったのは、演出のおかげ(それほど昨日は趣味ではありませんでした)。今日も実は、セットは非常に簡易なもので、殆ど布切れ一枚で場面設定に変化をつけます。それでも、上手く布を活用し、魔笛のミステリアスな雰囲気を良く創っていたと思いました。モーツアルトの素晴らしく、かつ聴きどころ満載の音楽を十分楽しむことができました。




 歴史ある劇場で、縁のある作曲者のオペラを聴く。何と贅沢なことか。感謝です。

 飛行機の時間が迫っていたので、カーテンコールの途中で退席し、急ぎ飛行場へ。夕陽が沈む薄明かりの中、プラハを後にしました。2日間の滞在はあまりにも短すぎました。チェコ出身の作曲家、スメタナやドボルザークの博物館にも行けなかったし、オーケストラも聴けず、他にも行きたいところはいくつかあったのですが、とっても残念。是非、もう一度、今度は夏に訪れると決意し、ロンドンへ向かいました。

Magic Flute (Kouzelná flétna)
Composed by: Wolfgang Amadeus Mozart,
Company: Prague National Theatre Opera
Venue: Theatre of the Estates, Prague
Premiere: February 28, 2001
--------------------------------------------------------------------------
Staging team & cast

conductor / Jan Chalupecký
stage director / Alfréd Radok
designer / Katarína Hollá, Tazeena Firth
choreographer / Hakan Mayer
chorus master / Pavel Vaněk

Sarastro - The Speaker: Zdeněk Plech
Tamino: Aleš Briscein
The Queen of the Night: Jana Bernáthová
Pamina: Alžběta Poláčková
First Lady: Dana Burešová
Second Lady: Stanislava Jirků
Third Lady: Eliška Weissová
Papageno: František Zahradníček
Papagena: Martina Bauerová
Monostatos: Jiří Hruška
First Man in Armour: Jan Markvart
Second Man in Armour: Aleš Hendrych
First genius: Eliška Soukupová
Second genius: Linda Abiševa
Third genius: Veronika Pluhařová
First priest: Jan Šváb
Second priest: Tomáš Masák

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プラハ 感動の日曜日朝

2009-12-25 03:27:57 | 旅行 海外
 この日の感動はもう書いてしまったので、今回は写真のみご紹介します。ただ、自分の写真が自分の感動とかけ離れているのが残念。それでも綺麗です。

プラハ市民の誇り、プラハ国民劇場。


思わず息をのんだヴルタタヴァ川土手からのプラハ城の風景。


城とカレル橋のコンビネーションが美しい。


プラハが生んだ偉大な作曲家スメタナの像から城を望む。


カレル橋から城を望む


プラハ城から市内を見渡す。


時間の経過とともに景色も刻々と変わっていきました。


雪化粧した家の屋根屋根から、煙が上がっているのが印象的でした。


感動の2時間でした!!!

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プラハ クリスマス・マーケット B級グルメ

2009-12-24 06:18:55 | 旅行 海外
 プラハのクリスマス・マーケットは、この季節の観光の目玉のようです。たくさんの人が訪れていてとっても活気があります。旧市街広場のクリスマス・マーケットは、広場の周りを薄系のピンクや黄色、そして白の建物が囲み、赤色の屋根をつけた小屋(屋台)が立ち並んでおり、とっても絵になります。


土曜日の小雪の舞う広場と、翌日日曜日の快晴の広場。
 

 屋台ではアクセサリーや土産物のほかに、食べ物屋さんが多く並んでいて、冷たい空気の中で屋台から立ち上る白い湯気を見ているだけで、その屋台に引き寄せられてしまいます。結局、この2日間は昼・夜・昼とすべて、屋台で食べてしまいました。

 どんなものを食べたかをご紹介します。

 まずは、土曜日のお昼。ジャガイモとガーリックと刻み玉ねぎを粉ものに混ぜて、揚げた料理。コロッケとかき揚を足して2で割ったような食べ物です。キャベツの酢漬けをつまに、とってもおいしいです。




 マーケットで一番数が多いトゥルデルニーク屋さん。パンの素のようなものを、棒に巻き付け、それをこんがり焼いて、周りにシナモンと砂糖をまぶして食べます。焼きたての菓子パンで、本当においしいです。今回の一押し。土曜・日曜と毎日食べてしまいました。






夜に食べた、ランゴッシュ。揚げパンにガーリックソースとケチャップ、そしてチーズをかけて食べます。量が多すぎて、一人で全部食べるのは至難の業。




ボヘミアソーセージのホットドック。焼き過ぎじゃないかと思うほど焼いてあるのは、脂がたっぶり乗ったソーセージだったかもしれません。




ハンガリーの名物料理牛肉のグラーシュ。パンの中をくりぬいたお皿の中に、温かいシチューがたっぷり。寒い気候にぴったりです。




大抵ひとつの皿が50Kc(250円ぐらい)。こちらの物価感覚では安くは無いはずですが、ロンドンから見たら安い安い。2日で食費が1250円というのは、大学生のバックパッカーに戻った気分でした。おかげで今回は、全くレストランでの食事はなし。まだまだ食べたいものがあるのに、逆の意味での消化不良が・・・。
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プラハ国立オペラ (statni opera praha) La Traviata (椿姫)

2009-12-23 05:04:06 | オペラ、バレエ (in 欧州)
 今回のプラハ旅行は、欧州のいろいろな歌劇場を見てみたいという思いで企画した旅行でした。プラハにはオペラの劇場が、国民劇場、国立オペラ劇場、スタヴォホスケー劇場の3つがあります。一体、ロンドンでさえ2つなのに、3つもあるというのもびっくりです。国民劇場がプラハではもっともメジャーなようですが、残念ながらこの週末は公演がありませんでした。そこで、プラハ国立オペラの公演に出かけました。演目は「椿姫」です。


 劇場はロンドンのロイヤルオペラハウスよりも一回り小さめです。舞台と観客席が近くとっても一体感があります。場内の装飾は華やかな中にも一定の落ち着きがあります。天井のシャンデリアと装飾が見事でした。






 この歌劇場は最近、来日公演もしたようで、劇場内で配布されていた季刊誌に日本ツアーの模様が報告されていました(チェコ語なので何が書いてあるかはわかりませんが、東京文化会館や鎌倉の写真が載っていました)。

 さて、公演の方については、「椿姫」は久しぶりですが、改めてこの作品の面白さ、音楽の美しさを再認識しました。オーケストラも歌手陣も、こいつはスゴイという印象のものは正直ありませんでしたが、十分楽しめました。横綱級の有名人は居ないようでしたが、堅実な好演だったとおもいます。

 ヴィオレッタのMarina Vyskvorkinaは声量はそれほどではありませんが、清らかで美しいソプラノでした。アルフレッドのTomas Cernyも、話が進むに連れて、調子が出てきて、後半はうっとりするテナーを聴かせてくれました。アルフレッドの父役のMiguelangelo Cavalcantiは、響くバリトンで声はよいのですが、ちょっと一本調子なところが気になりました。それにしても、ヴェルディの音楽は人間の喜怒哀楽を見事に表していますね。

 今回気になったのは演出。正直、好みでありません。衣装もセットも全て白黒のモノトーンタッチで、舞台セットもきわめて簡易なものです。これでは、パーティのシーンも葬式みたいで、全然楽しくありません。椿姫はあの社交界の華やかさと最後のヴィオレッタの寂しさの対比が興味深いと思うのですが、演出者はこの演出で何を狙っているのか正直わかりませんでした。これでは、色彩豊かなヴェルディの音楽も効果半減のような気がしてなりません。

 正直、演出には普段それほどこだわらないのですが、今回は駄目でした。せっかくの好演もこの演出であまり後味の良くないものとなってしまったのが、残念です。 

 ※今日は1階ストール席中央の特等席。それでも値段が1200Kc(6000円程度)。とってもお手頃値段には脱帽です。

 ※カーテンコールは幕があかないので、暗く、撮った写真は全て超ピンボケ。ピンボケの中でもまだマシなのを一枚だけ。


La Traviata (La Traviata)
Giuseppe Verdi (1813 - 1901): La Traviata
Opera in 3 acts

music / Giuseppe Verdi
conductor / Enrico Dovico
stage director / Arnaud Bernard
set designer / Alessandro Camera
costume designer / Carla Ricotti
lighting designer / Patrick Méeüs
choreographer / Gianni Santucci

cast of characters

Violetta Valéry (soprano) / Marina Vyskvorkina
Flora Bervoix (mezzo-soprano) / Alena Miro
Annina (soprano) / Lubomira Popova
Alfredo Germont (tenor) / Tomas Cerny
Giorgio Germont (baritone) / Miguelangelo Cavalcanti
Gaston de Létorière (tenor) / Josef Moravec
Baron Douphal (baritone) / Roman Vocel
Marquis d'Aubigny (baritone) / Ladislav Mlejnek
Doctor Grenvil (bass) / Milan Bürger
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プラハ 街並み

2009-12-22 09:59:53 | 旅行 海外
※週末に出かけたプラハのご報告です(その1)。

 初日、空港からシャトルバスで市街地に到着。早速、歩き始める。今回は1泊2日旅行だからリュックひとつの身軽な旅行である。とにかく寒い。持参した「地球の歩き方」を見ながら、街歩きを始めると、余りの寒さに本のページがパサパサと凍っていく。

 プラハは建築物博物館とも称されている様で、中世からの様々の時代の建物が残されているらしい。バスの停留場近くにあった市民会館。中には有名なクラシックのコンサート会場スメタナホールがある。チケットオフィスを覗くと、スメタナホールでのコンサートのほかにも、プラハ市内で行われているコンサートの紹介がしてあった。今回の主眼はオペラ劇場なので、残念ながらホール内に入るチャンスは無い。


 旧市街の入り口にある火薬塔を過ぎると、ここからがいわゆる旧市街。欧州らしい石畳の道と歴史を感じる建物が並ぶ。


 クリスマスマーケットで賑わう旧市街広場を後にして、さらに進むと道が狭くなるが、抜けるとあの有名なカレル橋へ到着。橋の欄干に、聖人たちの彫像が並んでいる。橋は歩行者専用にしては幅が広く、大道芸人が操り人形の芸をしたりしている。とにかく寒いので、芸人さんたちも何かお気の毒。心なしか、人形の動きもやや鈍いような。。。小雪の舞う薄曇の天気の中、川向こうの高台には、プラハ城とその大聖堂が高くそびえているのが見える。絵になる風景だ。




 高台を登って城に到着。高台からの街の眺めはすばらしい。雪の白がさらに街を美しく見せている。入り口から敷地内に入って、大聖堂内を見学。中に入ったら多少は暖かいかと期待したが、何の暖房設備も無い教会で、中は中で冷蔵庫のように寒かった。教会はこれまた大きな、凄いもの。中のステンドグラスが美しい。この間見たヨークの大聖堂のステンドガラスよりも、色が濃く、描かれた絵の芸風も大きく異なり、興味を引いた。ただ、寒いので、一箇所にずっと止まって、ゆっくり鑑賞するという雰囲気ではないのが残念。






 教会の周りを散策。本当はこの城内の敷地に、旧王宮、美術館などがあるのだが、今日は何故か閉館が早いらしく、ろくに時間が無かったので、やむなく断念。別の角度からの街の風景を見下ろして、景色を楽しんだ。「百塔の街」と言われるだけあって、いくつもの塔が目に入る。


 ホテルに入る前に、せっかくだからチェコ名物のビールでも引っ掛けようと思い、有名な酒場に足を踏み入れる。16:00前というのに地元の人であふれかえっており、凄い活気。ただ、席に着くには相当待つ必要がありそうで、これも断念し、ホテルへチェックイン。少し昼寝を取って、夜のオペラに備えた。

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プラハ 2日目

2009-12-21 01:50:05 | 旅行 海外
今、プラハ空港のパブでビールとソーセージを食べつつ、PCに向かっている。今日のこの記憶を早く留めておきたいので、わざわざT-Mobileのホットスポット1時間約700円を払ってこれを書いている。

今日、特に午前中の2時間は感動的だった。今朝のプラハは快晴。ただ気温は朝からマイナス11度。天気予報によると予想最高気温はマイナス10度だから、殆ど気温は変わらないようだ。ホテルの朝のバイキングを済ませ(これもなかなか種類豊富でよった)、チェックアウトの11時までの2時間、身軽に街を散策しようと思いホテルを出た。陽が指してはいるが、相変わらず痛い寒さだ。

まずはヴルタタヴァ(モルダウ)川沿いにある国民劇場へ向かう。今回は縁がなかったが、プラハ市民が誇りとする劇場だ。その威容に圧倒される。入り口から中を覗くものの、中には入れない。もう一度必ず来ようと決意し、後にした。

そして、その国民劇場を後にし、ヴルタタヴァ川土手に差し掛かったとき、その光景のあまりの美しさに、息を呑んだ。昨日降った雪が土手一面、そして川向こうに見える家々や建物の屋根を白く浮き立たせている。そして、さらにその奥には、昨日上ったプラハ城が。プラハ場内のシンボルともいえる大聖堂が朝日を正面から受けて、浮かび上がっている。聖堂の尖塔の頂点近くにある金色の球体(何というのだろうか?)が朝日を反射させ、燦然と輝いている。大聖堂を囲む、薄桃色、薄黄色の建物郡が、朝のあけぼの色の空と混然一色となって、大聖堂の輝きを支えている。立ちすくむしかない光景だ。自分に絵の心得があったらどうこの風景を描くのだろう、自分に詩の心得があったらどう詠むのだろう、自分に音楽の心得があったらどう音に置き換えるのだろう。そのどれも無い私には、我を忘れて、ただカメラのシャッターを押すことしか残った選択肢は無かった。一体、何度、シャッターを切っただろうか?

我に返り、川沿いにプラハ城を見ながら更に歩いた。次は、城とカレル橋が同じ視界に入ってくる。このコンビネーションがまた素晴らしい。こんな美しい風景を目にすることが出来ることだけで、大げさだが、この世に生を受けて良かったと心から思う。できることなら、ここにずーっとたたずんでいたいと思う。風景がこれほどまでに人の気持ちを清らかにし、厳粛にし、それでいて開放させるというのはどういうことなのだろうか?

(飛行機の時間になったのでここで終了します)
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週末 プラハ

2009-12-20 07:01:34 | 旅行 海外
 週末を使ってプラハに来ています。3つの歌劇場や2つのメジャーオーケストラがある音楽の街に、前から一度行きたいと思っていました。
オペラの切符を事前にインターネットで予約した以外は、最近、めちゃくちゃ忙しいこともあって、事前リサーチ殆どない状態で、今朝10時半に当地到着。

今日一日街を歩いての印象は2つ。「寒い」と「美しい」。

今日は日中の気温はマイナス13度。小雪が舞う天気でした。15年前に米国のミシガン州で冬を過ごした頃のことを久しぶりに思い出しました。切れるような、痛い寒さです。ある程度予想はしていて、ユニクロのヒートテックの下着を揃え、帽子に手袋、マフラー、完全防寒体勢で望んだつもりでしたが、ここまで寒いとは予期していませんでした。必死ぶりに、凍えるような寒さを体験しました。

また、本当に美しい街です。プラハは。建物、街並み、あと雪景色が加算されて、中世に舞い戻ったかのように感じるところがあります。最近見ていないので記憶が定かではありませんが、モーツアルトを描いた映画「アマデウス」に、確か小雪が舞う石畳の道を馬車で行きかうシーンがあったような気がしますが、まさにそんな感じです。観光地なのですが、観光地にありがちな浮ついた雰囲気が抑えられていて、しっとりとした落ち着いた空気が街を覆っています。個人的に非常に好みです。

丁度、クリスマスマーケットの季節で、街のへそにあたる広場では、盛大なクリスマスマーケットが開催されていました。お国料理の屋台も立っていて、今日はお昼も晩も、屋台で買い食い。おかげで今日の食費は2食で1000円行ってません。空港で15000円相当も換金してしまったので、どうやって明日半日で使い切ればよいのだろう。

 今日の詳しい様子はまたロンドンに帰り次第、写真とともにご紹介いたします。
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シーフードレストラン LIVEBAIT(コベントガーデン)

2009-12-19 09:39:13 | レストラン・パブ (in 欧州)
 以前の上司が仕事でロンドンに来てくれて、行ったシーフード・レストランです。場所がライオンキングをやっているLyceum Theatreの隣にあり、とっても便利な場所です。


 入り口はバーになっていて狭いのですが、奥に入ると結構広いホールになっています。

 この日は、生ガキを前菜に、メインはマグロのステーキ、あとデザートで甘いものを少々。ワインを何杯か頂いてこれで30ポンドちょっとでしたので、安いという程ではありませんが、十分リーズナブルです。味もとびきりという感じではないが、カキは新鮮でしたし、十分満足でした。

 残念だったのは日曜日に入ったせいか、いくつかメニューにはあるが、当日ない料理やワインが結構あったことです。裏を返せば、それだけ新鮮な素材を提供してくれているのかもしれません。
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BAストライキ回避

2009-12-18 09:12:25 | ロンドン日記 (日常)
 ストライキ回避されたようです。良かったですね。(写真はEvening Standard紙HPより)



BAのニュース・リリースより。

Cabin crew strike - called off

We are delighted for our customers that the threat of a Christmas strike has been lifted by the court.

It is a decision that will be welcomed by hundreds of thousands of families in the UK and around the world.

There was never any need for a strike and we hope that Unite will take this opportunity to reflect before deciding its next steps. We believe the public would want that too.

In recent days, we believe Unite has formed a better understanding of our position and of the ways in which we could move forward.

It has also become very clear that our customers do not believe that old-style trade union militancy is relevant to our efforts to move British Airways back toward profitability. Financial success is essential to build the kind of business our customers want and provide long-term opportunities for our staff.

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BAストライキ

2009-12-17 10:04:33 | ロンドン日記 (日常)
 イギリスのナショナル・フラッグ・キャリアであるブリティッシュ・エアウエイズ(BA)が来週の火曜日から2週間のストライキに入る予定です(写真はDailyTelegraph紙HPより)。お昼の話題は今それでもちきりです。当然、BAを使っての旅行で、クリスマス休暇を予定している人もいて、どの便がキャンセルになるのか、気が気でないようで、とてもお気の毒。

 それにしても、日本のお盆、お正月を合わせたイベントであるこのクリスマスシーズンにストライキを行うとは、何という会社、何という国でしょう。これでは、たとえ労働条件の改善を勝ち得ても、お客がBA離れして、結局人員整理になるのは明らかでしょう。

 地下鉄、郵便、そして今度は飛行機と1年間にこうも公共機関であるはずの、社会的インフラサービスが止まるというのは、正直、この国も末期症状だなあと思わざるえません。残念ですが・・・
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余韻・・・ 

2009-12-16 09:38:11 | ロンドン日記 (日常)
 仕事は来年度のビジネスプラン策定の真っ最中でてんてこ舞いなのですが、いまだ週末のコンサートの余韻に浸っています。

 今日は嬉しい発見がありました。Times紙の批評で先週末のロイヤル・コンセルトヘボウのコンサートが満点の五ツ星。べた褒めの批評でした。普段、批評家のコンサートレビューはあまり気にしていないのですが、自分が良いと思った時のコンサート評ははやり気になるので、良かった時の嬉しさは格別です。

 詳細は下記にコピー&ペイストした(これは反則でしょうが、たまには良いでしょう)記事を読んでもらうとして、さわりを紹介すると・・・

・聴いた人には記憶の残るであろうはずの2つのコンサートだった。
・終演後は数分間、口を聞くことができなかった程である
・将来、私はヤンソンスのマーラー2番を、バーンスタインの5番、テンシュテットの6番、アバドの3番と並ぶものに位置づけることになるだろう。
・・・・・

 ここまで、誉めるかという感じですよね。でも、妙に嬉しい気分です。

(以下、Times 12月15日号より抜粋)
December 15, 2009

Concertgebouw/Jansons at the Barbican Richard Morrison
★★★★★

These two fabulous concerts will live in the memory of all who heard them. I found it hard to imagine the virtuosic players of the Royal Concertgebouw Orchestra in better form than they were on Saturday in Brahms, Martinu and Smetana. But on Sunday they delivered an account of Mahler’s Second Symphony that left me left me unable to speak for several minutes after its stupendous finale had died away. It will join a select club. In future I will rank Mariss Jansons’s Second along with Bernstein’s Fifth, Tennstedt’s Sixth and Abbado’s Third as the finest Mahler performances I have ever heard.

What is Jansons’s secret? It has to be his unique balance of passion and technique, heart and head, the acute ear for the tiniest colouring and the giant’s-eye view of the entire landscape. But there is also an immense integrity at work. Few can rival Jansons when it comes to conjuring sublime instrumental textures, or bringing out those often obscured inner details that seem to paint the score afresh. There were countless instances of that here, both in the Resurrection Symphony and in Brahms's Fourth Symphony. Yet not once did you feel that these magical sonorities were being paraded merely for sensation. They were inextricable strands in unified interpretations. And those interpretations were magnificently thrilling, dramatic and often meltingly beautiful without ever lapsing into exaggeration or excess.

Nothing was rushed, yet never did the pace seem ponderous. The music was unfolded at exactly the speed necessary for the ear to grasp both its emotional essence and its myriad subtleties. The Brahms had a golden autumnal glow, a sense of valediction and ripeness. But the terrifying opening funeral march of the Mahler made the hairs freeze on the back of the neck. And at the end of the same piece, with the London Symphony Chorus hurling out Klopstock’s Resurrection Ode, there were moments when the gates of Heaven seemed to swing open.

Of course Jansons didn’t do all this by himself. From the radiant and impeccably tuned strings to the burnished, superbly blended brass and ravishing woodwind (the oboe in Urlicht was as hauntingly expressive as the mezzo soloist, Bernarda Fink — and that’s saying something) this great Dutch orchestra produced the sort of heart-stopping playing to make stone walls weep. The Barbican has announced that Jansons and the Concertgebouw will be returning to London for regular residencies. Just as well, otherwise I might have to emigrate to Amsterdam.

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