夜は、マドリッドの代表的オペラハウスであるテアトロ・レアル(Teatro Real、王立劇場)へ。王宮の向かい合って建つ劇場は、堂々としたもので、ライトアップされた白壁がなんとも美しいです。
≪外観だけオリジナルサイズで≫
伝統的な外観に比べて、劇場内はとっても綺麗で先進的はハイテクシアターの趣でした。なんと、私が座った最上階席には大型スクリーンが設置されていたのです。舞台の様子がモニター中継され、最上階に居ても細部まで分かるようになっています。ただ、オペラの舞台を見たりスクリーンを見たりというのは、結構面倒なので、上演中は殆ど見ることはありませんでした。
≪ステージ前からロイヤルボックスを臨む≫
≪私が座った最上階からの眺め≫
≪舞台を映すモニター≫
この夜のプログラムはショスタコーヴィチの『ムツェンスク郡のマクベス夫人』。一度見てみたかったオペラな上に、タイトルロールは、ROHでアンナ・ニコルを演じたEva-Maria Westbroek(エヴァ=マリア・ウェストブロック。劇場のクレジットにはWestbroeckと記載されてますが、スペイン語では綴りがかわるんかしら)。何ともラッキーな巡り合わせに、大感謝です。
≪テアトロリアルのHPから≫
オペラの方は、もうウェストブロックの一人舞台と言っても良いほどのウェストブロック横綱オペラ。彼女は堕ちたお色気ヒロインを演じると抜群ですね。迫真の演技と繊細かつ十二分の声量のソプラノに痺れまくりでした。エロチックな演出も彼女の醸し出す雰囲気とぴったりです。男性陣は悪くはないですが、ウェストブロックに比べてしまうと存在感が薄く、ちょっと迫力不足だったでしょうか?
ショスタコーヴィチのオペラを観るのは
『賭博師』、『鼻』に続いて
32作目ですが、緊張感と躍動感にあふれる音楽は魅力的で、個人的にとっても好みです。ハルトムート・ヘンヒェンの指揮は初めてでしたが、もう少し切れがあっても良いような気がするところもありましたが、全体としては不満はありません。
しかし、海外でオペラを観て困るのは言葉が分からないこと。今回は、歌はロシア語で、字幕はスペイン語。話の筋は頭に入っているものの、何について話してるのかが分からないと、正直、このオペラの意味するところがどこまで分かっているかは、自分としては甚だ怪しいです。このオペラでカトリ―ナはどういう女性として描かれているのか?音楽と演技で分かるようなところもありますが、正直、自信なし。これでは、このオペラについて語る資格はありませんね。
まあ、ショスタコーヴィチの音楽とウェストブロックを声を十二分に楽しめたから良いとするか~
≪カーテンコールより≫
3 December, 2011
Programme
Shostakovich, Dmitri Dmitriyevich:
Lady Macbeth of the Mtsensk District
Lady Macbeth of the Mtsensk District is an opera in four acts with libretto by Alexander Preys and Dmitri Shostakovich.
The opera will be performed in Russian.
Conductor, Hartmut Haenchen
Stage director, Martin Kusej
Scenography, Martin Zehetgruber
Costume designer, Heide Kastler
Lighting, Reinhard Traub
Choir director, Andrés Máspero
Cast:
Boris Timfeyevich, Ismailov Vladimir Vaneev
Zinovi Borisovich Ismailov, Ludovít Ludha
Katerina Ismailova, Eva-Maria Westbroeck
Serguéi, Michael König
Aksinya/A prisoner, Carole Wilson
A worker, John Easterlin
Pope/A sentry, Alexander Vassiliev
A sergeant/an officer, Scott Wilde
A teacher, Valentin Jar
Sónietka, Lani Poulson
Choir & Orchester of Teatro Real
(Choir Intermezzo & Madrid Symphonic Orchestra)
※付録 向かいの王宮のライトアップです。