その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

週末奈良・京都弾丸旅行(4):奈良で真昼間の飲んだくれ

2024-05-31 08:01:11 | 旅行 日本

「空海展」で2時間弱ほど過ごした後は、ならまち方面へ足を向けます。メインイベントは終わったので、裏メインの呑みへ。

向かった先は、奈良の日本酒専門店で立ち飲みで試飲(有料)提供してくれる<なら泉勇斎>。5年ぶりの再訪です。まだお昼前だというのに、8名ほどで一杯になる試飲カウンターはほぼ満員状態。無理やり割り込むように詰めて頂き、日本酒発祥の地である奈良の地酒を3杯ほど頂きました。

外国人観光客の来店も多いです。アメリカのボストンから来たというアメリカ人カップル、「日本酒旅」をテーマに何度も日本に来ているという台湾人、そして北欧系っぽく見える西洋人夫婦など、入れ替わり立ち代わりに来店し、数杯頂いていきました。店主さんによると、「外国人のお客さんで多くなったよね~。毎日盛況で、午後になれば一杯で並ばないと入れないよ」とのこと。日本でもファンの多い油長酒造の「風の森」とかは、海外でも相当に有名らしいです。「日本酒旅」の台湾人男性は、お店にあった5種類の「風の森」を一気に全部頼んで、呑んでました。少しお話ししましたが、奈良を始めとして、長野や山形のお酒が好きだそうです。「風の森」は台湾ではなかなか手に入らないとか。日本酒の知識は明らかに私以上でした。

あんまり長居するのは回転率さげてお店に迷惑なので、3杯飲んだ後は、「風の森」を一本お土産に買って退散。

  

飲み足りないので、酔いが廻り始めた体でふらふらと街を徘徊。どこも観光客で溢れてます。最高のビール日和なので、次は、地元のクラフトビールを提供してくれるビール屋さんへ突入。ここもお客さんの7割は外国人観光客でした。店で醸造してますので、フレッシュな生まれたてのビールを味わいました。うま~い。


(観光客で一杯の蓬餅実演販売のお店)


(YAMATO Craft Beer Table 近鉄奈良駅前店)

 

真昼間から良い気分。旅行は良いなあ~。

1時間ちょっとゆっくりして、ホテルで荷物ピックし、帰路に。実質、奈良観光は半日ですが、それでも満足感はたっぷり。

2024年5月25日

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週末弾丸奈良・京都旅(3):圧巻の「空海展」@奈良国立博物館

2024-05-30 08:49:42 | 旅行 日本

奈良は9時を境に表情が大きく変わる。

外国人観光客・修学旅行生・一般観光客などなど、様々な人々が寺社をバックに写真を撮り、鹿と戯れ、一大観光地の本領が発揮され始める。これはこれで、(オーバーツーリズムにならない限り)悪いことではないし、有名観光地を楽しむ観光客を眺めるのも私はとっても好きだ。昔の話になるが、ロンドン駐在時に通勤路で毎日タワーブリッジを渡っていたのだが、訪れる観光客の顔がすべからく本当に楽しそうなのを見て、自分まで嬉しくなった。橋と言う建造物一つに、こんなに人々を明るい笑顔にする力があるなんて、なんて素晴らしい事だろう。と心から思った。奈良公園を闊歩する観光客も嬉しい顔であふれている。

本題からずれたが、いよいよ今旅行のハイライトである「空海展」である。開館が9時半なので10分前に到着したら、既に長蛇の列ができていて焦った。X(旧ツイッター)には「空いている」というポストが多かったからだ。入場券を持っている列と持ってない列に分かれ、夫々が50m近い長さになっていたので、あわててスマフォで入場券を購入し列に並ぶ。幸い、開館時間になると順次入場となり、10分程度で会場入りできた。

噂には聞いていたが、素晴らしい量と質の展示である。曼荼羅の世界、空海の生涯、空海ゆかりの寺社について、これでもかというばかりにお宝のオンパレードだ。開館とともに、多数の訪問者が一気に入場したので、落ち着いて鑑賞どころではなくなるのを恐れたが、会場広く、導線も緩く設計されていたので、思いのほか人の多さは気にならない。

圧倒されっ放しの展示だったのだが、私が特に印象的だったのは、曼荼羅の世界が詳しく、最大限わかりやすく説明されていたことだった。空海は、「密教は奥深く文筆で表し尽くすことが難しい。そこで図や絵を使って悟らない者に開き示すのだ」と述べたと解説されていたが、それでも難しい。今回、訪問に当たって、空海の『三教指帰』も読んでみたが、文章そのものは平易な物語調であるが、どこまで理解できたかは全く自信なかった。そんな空海の思想や教えを、展示は少しでも鑑賞者がこの世界を近づけられる工夫がされている。

特に感心したのは、曼荼羅の「絵解き」図。曼荼羅の夫々の絵のパートが何を書いているのかが解説してある。この「絵解き図」とリアル曼荼羅図を比べながら、まじまじと見つめた。今まで、さほど気に留めてなかったが、実にいろんな仏様達が描かれているのだ。


(曼荼羅の解説図。「空海」展のWebより転載)

京都・安祥寺の五智如来坐像(国宝)が堂々と第1会場の中央に座して、立体曼荼羅を形成していたのも存在感抜群だった。大日如来を中心に4人の仏さまが周りを固める。私になじみがある阿弥陀如来さまは大日如来の真後ろが定位置であることを確認。


(上の写真のパネルに映っているのが、京都・安祥寺の五智如来坐像)

もう一つ、本展で良かったのは、人間・空海により近づけた気になれたこと。以前、司馬遼太郎の『空海の風景』を読んで、小説ではあるが、空海の生涯について知った。今回、様々な空海ゆかりの品々はよりリアリティをもって、空海と私との距離を縮めてくれるものだった。例えば、遣唐使の一員として唐に渡った空海の帰朝報告である「弘法大師請来目録」。経典の数々を始めとして、唐から持ち帰ったものとかが自筆で記されている。当時の遣唐使は現代人が月に行くよりも危険度高いと思われるが、当地での師・恵果との出会いを通じて、密教の教えを持ち帰った空海が、今そこにいるような気になる。


(一級文物 文殊菩薩坐像 中国・唐(8世紀)中国・西安碑林博物館。なぜか、本品だけ撮影可)

展示の最後に空海像が展示してある。多くの訪問者がそこで手を合わせて祈りを捧げているのも印象的だった。空海は密教の難しい教えを世界を曼荼羅を通じて人々に紹介し、国家権力との関係もしっかり築きつつ、影響力を拡大したことに加えて、弘法大師として死後も多くの人から慕われていた。非常に不思議な魅力を持った人物だ。

奈良まで来た甲斐あったと十分に思わせてくれる、重量級の特別展であった。


〈構成〉
第1章 密教とは ― 空海の伝えたマンダラ世界
第2章 密教の源流 ― 陸と海のシルクロード
第3章 空海入唐 ― 恵果との出会いと胎蔵界・金剛界の融合
第4章 神護寺と東寺 ― 密教流布と護国
第5章 金剛峯寺と弘法大師信仰

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週末弾丸奈良・京都旅(2):朝のゴールデンタイムの二月堂・法華堂

2024-05-28 07:30:28 | 旅行 日本

朝ランから戻ってシャワーで汗を流したら、ホテルに荷物を預けて7時半にさっさとチェックアウト。朝のゴールデンタイムの東大寺界隈の散策に出ました。

この近辺で私が最も好きなエリアである二月堂と三月堂(法華堂)を目指して歩きます。時間の関係で今回は大仏殿もパス。境内は朝から鹿さんたちが闊歩してます。


(南大門前の参道の鹿さん。「引っついてくるんじゃないよ」と言われているよう)

5月の奈良は過去に何度か訪れてますが、ここまでの快晴の奈良はあまり記憶がない程。大仏殿の奥から裏参道を上って二月堂へ。本堂の舞台から奈良盆地を見渡します。真っ青の空の下、澄んだ空気は透明度高く、濁りを一切感じません。風景を見ながらぼーっとしていると、お寺の焼香の匂いが鼻をくすぐり、ウグイスのさえずりが聞こえます。更に耳をすますと、水の流れる音、参拝者が鳴らす鈴の音、お賽銭箱に吸い込まれる硬貨の音、音の風景も楽しめます。


(二月堂裏参道)


(二月堂の本堂の舞台から奈良盆地を見下ろす)


(二月堂本堂)

続いて、隣の三月堂(法華堂)へ。天平五年(733)年の創建とされ、東大寺の中でも一番古い建物として知られています。私は多くの仏像が鎮座されている堂内が最高に好きな空間です。ご本尊の不空羂索観音立像を中心に梵天と帝釈天が脇を固め、前方には金剛力士のペアや増長天、持国天が立ち、背後は広目天、執金剛神(秘仏)、多聞天が守ります。10体すべてが奈良時代に作られたもので、国宝です。これ以上の布陣は無いと言っても良いでしょう。


(法華堂。中は撮影禁止)

そして、仏像の歴史的・文化的価値を差し置いても、この空間に一歩入り込んだ途端にその緊迫した雰囲気に打たれない人はいないのではないかと思います。完璧な静寂のお堂内なのですが、それぞれの仏像が今にも動き出さんばかりの躍動感を持っていて、その静と動の混在から生み出だされる空気の荘厳さが凄まじい。

開門は8時30分からのはずなのですが、到着した8時20分にはもう入れるようになっていて、先客もいらっしゃいました。このお堂有難いのは、内陣に向かって小上がりがあって、そこに腰かけて仏様達と会話ができるのです。御尊顔を見つめたり、その作りの全体を眺めたり、踏みつけられている邪鬼の気持ちを察したり、30分程があっという間に過ぎてしまいます。5人程の参拝客が小上がりに座って、夫々の思いで、黙って仏様と会話しています。考えてることは夫々違うでしょうか、この静寂の中で感じるものはきっと同じ感覚なのだろうと思ったりしました。

9時を回ったところで退出し、今回の旅のハイライト「空海展」を観に奈良国立博物館を目指して、山を下り始めました。


(鐘楼(国宝)と鹿さん)


(梵鐘(こちらも国宝。重さ26.3t・・・と言ってもどのくらい重いのか良く分かりませんが・・・)


(朝日に新緑が映えます。鹿も嬉しそう)

5月25日7時40分~9時20分

 

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週末弾丸奈良・京都旅 (1):旅ラン・平城宮跡

2024-05-26 07:52:06 | 旅行 日本

金曜日午後からお休みを頂いて、現地滞在時間24時間の弾丸で奈良・京都に行って行きました。多少、順番前後しますが、模様です。

宿泊は近鉄奈良駅近くのビジネスホテル。前夜のアルコールが残る中、奈良旅恒例の早朝ランへ。今回はいつもの奈良公園周辺とは逆方向の平城宮跡へ。爽やかで気持ちよい朝です。

ルートはひたすら大宮通を西に向かうのですが、途中、ボーリング場となっているエンタメ・ビルの前に長屋王のお屋敷跡の碑を発見。

平城京跡までは片道4キロ弱なので、丁度良い距離です。広大な平地は気持ちよい。

まずは朱雀門。

朱雀門を超えると、近鉄奈良線が横切る広大な原っぱへ。野鳥のさえずりがうるさいほどに聞こえてきます。

先に見えるのは、現在復元中の第一次大極殿院南門。朝日が眩しいです。

そして、第一次大極殿です。

大極殿の北側に出ると、平城天皇陵とか木々に囲まれた神社など雰囲気がガラッと変わります。細い道に住宅が並んでいたりして、(ジョギングで無くて)散策であれば、もっといろいろ発見があるかも。下の写真は貯水池とその後ろの森には釣殿神社や圓福寺。



往復9キロ程度で、最高の気持ち良さ。朝の奈良公園の静寂や神々しさと異なった爽やかさで、奈良でのもう一つの旅ランとしてお勧めコースです。

(付録)帰りの近鉄奈良線の車窓から撮った平城宮跡(14時頃)

 

(2024年5月25日)

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「法然と極楽浄土」展 @東京国立博物館

2024-05-24 07:39:59 | 美術展(2012.8~)

2024年は法然が開いた浄土宗が開宗850年を迎えるという。それを記念してかどうかは分からないが、東博で法然を特集した特別展が開催中であったので足を運んだ。法然ゆかりの宝物・文化財が多数展示されている。

昨年の京都で開催された「親鸞展」で釘付けになったが、個人的に興味を引くのは「絵伝」。当時の人々や風俗が描かれるので、想像を働かせて読み解くのが楽しい。今回も鎌倉期、江戸期の「法然上人絵伝」が多数展示してあり、江戸期のものは色合いも美しく保存されていた。たまたまかもしれないが、今回の展示は、市井の人々の描写は多くない場のものの展示が中心だったのは残念だった。それにしても、念仏唱えれば、だれもが極楽往生できる、というシンプルなメッセージは当時の人々には相当なインパクトだったろう。

東京会場の見どころとしてPRされていたのは、増上寺や祐天寺など関東の浄土宗寺院からの宝物。増上寺の狩野一信筆という「五百羅漢図」は色鮮やかで、表情豊かな羅漢様達が、飛び出してきそうなリアリティだった。まあ調べればわかることだが、浄土宗ってそもそも庶民が普及の担い手だったはずだが、徳川家の菩提寺が浄土宗の増上寺であるというのも興味深い。

印象的な展示は、最後のコーナーで展示されていた香川県法然寺にある立体涅槃群像。通常絵で絵が描かれることが多い仏の涅槃シーンだが、絵が彫刻になって、3次元に飛び出しているのである。東寺の立体曼荼羅さながら、立体涅槃像群は迫力エンタメとしても楽しめた。

会期は6月9日までです。

(以下、立体曼荼羅)




〈構成〉

第1章 法然とその時代
第2章 阿弥陀仏の世界
第3章 法然の弟子たちと法脈
第4章 江戸時代の浄土宗

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柳家三三 独演会

2024-05-23 22:30:28 | 落語

柳家三三の独演会。前座さん(柳亭市好)の〈寄合酒〉に続いて、〈明烏〉と〈大工調べ〉の2本。いつもながらのキレの良い語りっぷりで古典落語を堪能。〈大工調べ〉の棟梁の啖呵はさすが三三師匠の真骨頂。45分使って、たっぷりの古典は、寄席では味わえない奥深き芸。

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新国立オペラ ヴェルディ<椿姫> (指揮:フランチェスコ・ランツィロッタ)

2024-05-22 07:30:52 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)

2年前の公演で中村絵里さんのヴィオレッタが素晴らしかったので、今回の再演も迷うことなくチケット購入。

ストーリーはべたな恋愛悲劇ですが、涙を誘い、終始、優しく美しい音楽であふれ、夫々の歌手の見せ場もたっぷりと用意され、合唱も大活躍という、まさに椿姫はKingというかQueen of 定番オペラであることを再認識し、どっぷりその世界を楽しませてもらいました。

お目当ての絵里さん。初日のせいか、やや硬さが感じられたのと、声量的には絶好調時には至っていないようにお見受けするところもありましたが、安定して美しいソプラノには魅了されます。小柄の体躯をフル動員しての演技は観衆の胸を撃ちます。最終幕の悲しさは、何度も観ているオペラであっても、涙を誘われました。

外国人歌手陣では、アルフレード役のリッカルド・デッラ・シュッカさんは美しいテノールです。お坊ちゃまで未熟な青年をしっかり演じてくれていて、不満はありません。耳をそばだてたのはジェルモン役のグスターボ・カスティーリョ。細身の体格ながら、その低音は地底から這い上がってくるような迫力の歌唱。若い2人を引き離す役柄ですが、その気持ちにも感情移入できるものでした。

そして、いつもながらですが、新国立劇場合唱団の迫力満点のハーモニー。パーティー場面の喧騒や盛り上がりが、歌声を通じてライブ感たっぷりに伝わってきます。

フランチェスコ・ランツィロッタ指揮の東フィルも「椿姫」の世界観を情感豊かに表現していて、ヴェルディのお音楽の素晴らしい差を牡満喫。

舞台は鏡や反射床を活用して、照明効果も映え、とっても美しく洗練されたもの。第3幕のヴィオレッタと他人物を分ける薄い幕など、世界の違いをそれとなく表現していて上手いと感じました。

こういう上演を見ると、やっぱり定番は定番の良さを再認識させられます。予定調和的な感動とも言えなくもないのですが、やっぱり良い作品は良いですし、それをこうしたハイレベルな公演で楽しめるので、嬉しいです。

余談ですが、この日は初日とあってか、ドレスアップしたご婦人も多くお見受けし、あちこちで弾む会話がホワイエに響いてました。外国人や若い人も多く、マーケティングプログラムがあったのかもしれませんが、多様性に富んで、開かれた空気が感じられます。空間そのものが楽しさに溢れていた気がしました。こういう雰囲気って、初めての方にとっても楽しさを感じ取れて、また行きたいって気になるでしょうから大事ですよね。オーケストラの演奏会は、もちろん楽団やプログラムによっても違いはあります(先週のレスピーギ祭りのN響なんかはとっても良い雰囲気でした)が、内向き傾向強く感じることが多いので、頑張ってほしいものです。

(2024年5月16日)

2023/2024シーズン
ジュゼッペ・ヴェルディ
椿姫
La Traviata / Giuseppe Verdi

全3幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉

公演期間:2024年5月16日[木]~5月29日[水]

予定上演時間:約2時間45分(第1幕・第2幕1場 75分 休憩30分 第2幕2場・第3幕 60分)

Staff&Castスタッフ・キャスト

スタッフ
【指 揮】フランチェスコ・ランツィロッタ
【演出・衣裳】ヴァンサン・ブサール
【美 術】ヴァンサン・ルメール
【照 明】グイド・レヴィ
【ムーヴメント・ディレクター】ヘルゲ・レトーニャ
【再演演出】澤田康子
【舞台監督】CIBITA 斉藤 美穂

【ヴィオレッタ】中村恵理
【アルフレード】リッカルド・デッラ・シュッカ
【ジェルモン】グスターボ・カスティーリョ
【フローラ】杉山由紀
【ガストン子爵】金山京介
【ドゥフォール男爵】成田博之
【ドビニー侯爵】近藤 圭
【医師グランヴィル】久保田真澄
【アンニーナ】谷口睦美
【ジュゼッペ】高嶋康晴
【使者】井出壮志朗
【フローラの召使】上野裕之

【合 唱】新国立劇場合唱団
【合唱指揮】三澤洋史

【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

 

2023/2024 SEASON

Music by Giuseppe Verdi
Opera in 3 Acts
Sung in Italian with English and Japanese surtitles

OPERA PALACE

16May - 29 May, 2024 ( 5 Performances )

Running time is approx. 2 hours and 45 mins including intervals.

CREATIVE TEAM
Conductor: Francesco LANZILLOTTA
Production and Costume Design: Vincent BOUSSARD
Set Design: Vincent LEMAIRE
Lighting Design: Guido LEVI
Movement Director: Helge LETONJA

CAST
Violetta Valéry: NAKAMURA Eri
Alfredo Germont: Riccardo DELLA SCIUCCA
Giorgio Germont: Gustavo CASTILLO
Flora Bervoix: SUGIYAMA Yuki
Visconte Gastone: KANAYAMA Kyosuke
Barone Douphol: NARITA Hiroyuki
Marchese D’Obigny: KONDO Kei
Dottor Grenvil: KUBOTA Masumi

Chorus: New National Theatre Chorus
Orchestra: Tokyo Philharmonic Orchestra

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N響/ファビオ・ルイージ メンデルスゾーン・プログラム

2024-05-19 07:30:25 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)


(夕刻の代々木公園)

先週のAプロがレスピーギのローマ3部作という派手なプログラムだったの対して、今週のCプロはメンデルスゾーン2曲という地味プログラム。あっさり行くのかと思いきや、どうしてどうして、力籠った、充実の演奏会でした。

前半の「夏の夜の夢」は、劇自体、私がシェイクスピア喜劇の中では最も好きなもの。メンデルスゾーンの序曲も組曲も好みです。冒頭の神田さんのフルートから始まって、終始、N響は個人技、合奏ともに素晴らしい。神秘的だったり、ワクワクしたり、ロマンティックだったり、華やかで、場面場面を想像しながら聴くのは実に楽しかった。

後半の交響曲第5番「宗教改革」は数年前に鈴木ジュニア(優人さん)の指揮で聴いているはずですが、あまり記憶に残っておらず(ゴメンナサイ)。ほとんど初めての感覚で臨みましたが、期待以上に聴きごたえのある音楽と演奏で大いに感銘を受けました。確かに「宗教改革」とうたうだけあって、バッハに通じる宗教的な音楽が組み入れられ(第4楽章冒頭はルターが1529年に作曲したコラールの旋律が使われているそうです(Wikiから))、荘厳さを感じつつも、ど真ん中直球の宗教音楽とは一線を画します。バッハ的な教会音楽も「モダン」になるとこう進化するんだと、妙に納得でした。

私にはむしろ、この楽曲のより劇的でダイナミックさに魅かれました。ルイージさんの熱い指揮に引っ張られて、N響も熱量高く応えます。管弦楽の合奏の厚みが豊で、個人技も冴えていました。第4楽章のフィナーレ部分の盛り上がりは、背筋が伸びました。決して、予定調和的な感動お約束のプログラムでは無かったはずですが、今回の充実の演奏は、ルイージ/N響の底力を改めて認識させるものでした。

余談ですが、〈開演前の室内楽〉が出色でした。ラヴェルの〈マ・メール・ロワ組曲〉を編曲した竹島さん自身も打楽器で登場し、管楽器メンバーが加わって、美しく楽しい演奏をご披露頂きました。観衆に大受けで、私の知る限り初めての〈開演前の室内楽〉のカーテンコールでの呼び戻し。この室内楽企画は今季限りとのことで、残念です。




定期公演 2023-2024シーズンCプログラム
第2011回 定期公演 Cプログラム
2024年5月17日(金) 開演 7:30pm(休憩なし) [ 開場 6:30pm ]

NHKホール

メンデルスゾーン/「夏の夜の夢」の音楽-「序曲」「夜想曲」「スケルツォ」「結婚行進曲」
メンデルスゾーン/交響曲 第5番 ニ短調 作品107「宗教改革」

指揮:ファビオ・ルイージ

開演前の室内楽
ラヴェル(竹島悟史編)/組曲「マ・メール・ロワ」

クラリネット、小クラリネット:伊藤 圭
ファゴット、コントラファゴット:水谷上総
トランペット、フリューゲルホルン:長谷川智之
トロンボーン、ユーフォニアム:新田幹男
打楽器:竹島悟史


<開演前の室内楽で打楽器が登場するのは最初で最後?>

Subscription Concerts 2023-2024Program C
No. 2011 Subscription (Program C)
Friday, May 17, 2024 7:30pm [ Doors Open 6:30pm ]

NHK Hall

Program
Mendelssohn / A Midsummer Night’s Dream —Overture, Nocturne, Scherzo, Wedding March
Mendelssohn / Symphony No. 5 D Minor Op. 107, Reformation

Conductor: Fabio Luisi

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渋谷らくご 5月金曜夜の部 @ユーロスペース

2024-05-18 07:53:46 | 落語

久方ぶりの渋谷らくご参戦。夜の予定が空いて、サントリーへ日フィル/カーチュン・ウォンのマーラー9番を聴きに行くか、渋谷で落語を聞くか、両極端な選択肢で結構迷ったが、笑いを取って渋谷へ。

前半戦は2つ目さんによる新作、後半戦は真打による古典、と新旧合わせたバライティに富んだプログラムとなり、とっても充実の金曜の夜となった。

信楽さんは、「落語選手権」以来。あの時も聴いた「変身」も含 めて2本。本人も言っていたが、今一つ歯切れ良くなく、コンディションよくなかったよう。

談吉さんは初めて。これまた新作だが時代設定は不明な、鶴の恩返し的な蝦女性を巡る人情噺。動作を交えた話しっぷりぐっと惹きつけられる。

百栄さんは久しぶり。独特の、まったりした間だが、さすが真打ち。前半たっぷり15分使ったまくら(NHKアナウンサのインタビュー今・昔)と後半は道具屋。

トリの菊之丞さんは1年前に浅草で一度聴いて以来。改めて、柔らかく美しい話口と所作には見とれてしまう。洗練された名人芸を感じる。

終了は午後10時過ぎ。ちょっと遅いが、飲んで10時になるよりはずっと良い。良い週末の始まり方である。

 

5月10日(金)20:00-22:00

「渋谷らくご」

柳亭信楽-警察官/変身
立川談吉-太郎お伊勢
春風亭百栄-道具屋
古今亭菊之丞-鼠穴

来場者数 57名
#シブラク

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W.シェイクスピア/訳:安西徹雄『ハムレットQ1』(光文社古典新訳文庫、2010)

2024-05-16 07:30:14 | 

シェイクスピア劇にはQ版(四折本、クオート)、F版(二折本、フォリオ)があるのは知っていた。ただ、ブルックナーなどのクラシック音楽の交響曲の「版」同様、ゆるゆる読者・鑑賞者の私には違いを意識することなく、いつも漫然と接してきた。今回、人気女優の吉田羊さんが題名役を演じる『ハムレットQ1』を観劇するにあたり、事前に『Q1』を読んでみたら、その違いに驚いた。

本書には冒頭に訳者の解説で版について説明されている。『ハムレット』には二種類の四折本(Q1/Q2)とF1の三種類があってそれぞれが大きく違っている。Q1はQ2やF1に比べて極端に短い上に、現代の多くの翻訳はQ2とF1の混成版になっているという。Q1が海賊版、Q2は作者の生原稿、F1はシェイクスピア自身の劇団による上演原稿との推測が主流らしい。一方で、訳者は、Q1は当時の実際の上演を反映した本文であることや、「ハムレット」の変遷における初期の段階を示しているものとして評価している。

私自身、『ハムレット』は小田島雄志訳と松岡和子訳を持っているが、それらとこの「Q1」の厚さの違いに驚かされる。そして、確かに、Q1は薄いだけあって物語はサクサク進み、スピーディだ。物語の緊張感が途切れることなく、一気に読み切らせる力を持っている。数か月前に太宰治の「新ハムレット」を読んだ感覚に似ていた。

英文科の学生ではないので、具体的にどこが違うのかは比較していないが、長さ以外の印象としての違いは、ハムレットの悩める青年ぶりのシーンが少ないとは感じたが、だからと言って物語全体に大きな影響を与えているとは思えない。どこにこのページ数の違いがあるのか、ぱっと読みだけでは分からないほどだ。ちなみに、本書で解説を寄稿している河合祥一郎先生は、話の構成や王妃ガートルードの人物造形の違いを指摘されていた。

深みに入れば底なしのようなシェイクスピアの世界。とりあえず、私は井戸端から底を覗くぐらいにしておこう。

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N響5月A定期/ファビオ・ルイージ指揮/レスピーギ<ローマ三部作>ほか

2024-05-13 08:22:41 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)

ルイージさんによるレスピーギ「ローマ三部作」。タイフェスタで代々木公園は凄い人盛りでしたが、NHKホールもひさしぶりの当日券完売。外のカオス的盛り上がりとは異なりますが、内も熱い盛り上がりでした。

静けさと劇的さの双方の緊張感を漂わせた日本初演のパンフィリ「戦いに生きて」を含めて、どれも素晴らしい演奏。特に、三部作の中で前半の「松」と最後の「祭り」が圧巻でした。

「松」は冒頭からキラキラ輝くような音色に心奪われます。出色は松本さんのクラリネットの美音。そして、両サイドのバルコニーからのトランペット、トロンボーンを含めて、打楽器も5、6名?が配置され、NHKホールの空間をフル活用。それらがすべて管弦打楽器すべてがどれも埋もれることなく、有機的に溶け合う中に身を置くのは、まさにエクスタシーそのものでした。

「祭り」は更に濃度と劇的さをスケールアップ。ホルン、クラリネット、オーボエ、フルートの管陣の個人技も冴え、オケ全体、個々の演奏と3階席から双眼鏡を持つ我が視線も忙しい。心すっかり奪われた感覚で、音楽空間の中に身を置いていました。

前任のパーヴォさんももちろん熱い指揮ぶりでありましたが、どちらかと言うと、理知的なバランスの良さが特に秀でていて、それがN響の洗練されたアンサンブルと良くマッチしていた印象がありました。ルイージさんに代わって、その洗練さに加えて、もっと泥臭ささも伴ったひたむきさのようなものが今日の演奏からは感じられた気がしました。

満員の会場は満場一致の歓喜の拍手と歓声。ルイージさんも楽員を讃えながら、やり切った満足感の表情です。今月はあと2回。まだまだ楽しみです。

PS:ロンドン駐在時代の演奏会友達のMiklosさんご夫婦に、1年ちょっとぶりに、偶然、休憩時間帯にお会いしてご挨拶。短い時間でしたが、嬉しいひと時でした。



定期公演 2023-2024シーズンAプログラム
第2010回 定期公演 Aプログラム

2024年5月12日(日) 開演 2:00pm [ 開場 1:00pm ]

NHKホール

パンフィリ/戦いに生きて[日本初演]
レスピーギ/交響詩「ローマの松」
レスピーギ/交響詩「ローマの噴水」
レスピーギ/交響詩「ローマの祭り」

指揮:ファビオ・ルイージ

Subscription Concerts 2023-2024Program A
No. 2010 Subscription (Program A)

Sunday, May 12, 2024 2:00pm [ Doors Open 1:00pm ]

NHK Hall

Panfili / Abitare la battaglia [Japan Premiere]
Respighi / Pini di Roma, symphonic poem (Pines of Rome)
Respighi / Fontane di Roma, symphonic poem (Fountains of Rome)
Respighi / Feste Romane, symphonic poem (Roman Festivals)

Conductor Fabio Luisi

 

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もうすぐ終わっちゃいます 「大吉原展 YOSHIWARA」 @東京藝術大学美術館

2024-05-11 09:04:37 | 美術展(2012.8~)

ここ数年で落語を聞くようになったので、落語とは切っても切れない縁の吉原。郭町としての吉原関連の美術品や史料を集めて展示した企画展「大吉原展」に行ってきた。ジェンダーや人権の観点から開催前から批判もあった本展であるが、江戸時代の特殊な風俗空間における光と影への理解が深まり、勉強になった。無事開催されて何より。

菱川師宣、歌麿、北斎、広重らの絵画や錦絵、写真、油絵、工芸品、出版物などなど、様々な作品や史料が展示される。吉原の歴史、街並み、関係者、風俗が理解できる優れた文化展である。人権やジェンダー的に問題があった制度ということは認識した上で、日本の近世における社会風俗の一つのリアルとして非常に興味深かった。文化の発信地であり遊郭としての異世界。遊女たちの格付けや昇進、客と店のお作法や流儀、町を盛り上げる年中行事(これはディズニーランド世界にも通じると感じた)など、一つのシステムが成り立っていた。そんな世界の史料を保存し、分析して、残すことは、意味あることだと思った。

幕末期に日本を訪れた外国人が吉原の花魁たちを見て、「娼館の娼婦たちがこれほどまにリスペクトされている日本とはどんなところ!」と驚いたというエピソードが紹介されていた。花魁に昇格するには、文字の読み書きから、和文・漢文、短歌、俳句、唄、三味線、茶、舞・・・など様々な知識や実技に秀でていることが求められたというから、一流の教養人であったわけだ。ファッション、浮世絵、唄、出版など、文化の発信地でもあった。

一方で、多くの遊女たちが経済的にも身体的にも縛られた自由を奪われた、劣悪な生活をせざるを得なかったこと。性病を始めとしたさまざまな病気で健康を害していたこと。環境からの脱出を企てた放火が絶えなかったことなど、心痛む内容も多い。そういった中で、唯一のスマフォ撮影許可エリアで、吉原の妓楼のジオラマがあったのだが、その人形を作成した辻村寿三郎氏のコメントが掲示してあったのが胸を打った。(Xのフォロワー様が写真をアップしてくれていたので、そのコメントを下に書き起こした)

連休の谷間であったが、バックを預ける空きのコインロッカーを見つけるのに苦労したほど、混みあっていた。ぱっと見だが女性観覧者が8割近くで、通常の美術展以上に多いような気がした。今月19日までなので、少しでも興味のある方は是非。

(以下、「江戸風俗人形」ジオラマの解説パネルから引用)

吉原

華の吉原仲の町。

悲しい女たちの住む館ではあるのだけど、それを悲しく作るには、

あまりにも彼女達に惨い。

女達にその苦しみを忘れてもらいたくて、絢爛に楽しくしてやるのが、

彼女たちのはなむけになるだろう。

男達ではなく、女達だけに楽しんでもらいたい。

復元ではなく、江戸の女達の心意気である。

女の艶やかさの誇りなのだ。

後にも先にも、この狂乱な文化はないだろう。

人間は、悲しみや苦しみにも、華やかにその花を咲かせることが出来るのだから、

ひとの生命とは、尊いものである。

私は、置屋の料理屋で生まれ育ったので、こうした吉原の女達への思い入れが、

ひとより深いのかもしれない。

辛いこと、悲しいこと、苦しいこと、冷酷なようだけど、それらに耐えて活きてい

るひと達の、なんと美しいことだろう。

ひとの道に生まれてきて、貧しくも、裕福でいても、美しく活きる姿を見せてこそ、

生まれて来たことへの、感謝であり、また人間としてのあかしでもあるのです。

艶めいて、鎮魂の饗宴のさかもりは、先ず、吉原の女達から・・・・・・・・。

             (『ジュサブロー展』図録 作品解説、1992年より)

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2024ゴールデンウィーク 新緑眩しい山中湖

2024-05-09 07:30:53 | 旅行 日本

連休後半もだらだらしに山中湖へ。この時季、日本のどこを訪れても美しさ一杯だと思でしょうが、今年はお天気にも恵まれ、新緑眩しい素晴らしい環境でした。

恒例の早朝湖畔一周ランのスナップから。朝5時45分~7時頃の様子です(2日間、順不同)。


(早朝の「夕焼けの渚」展望台から)


(八重桜と富士山 @山中湖交流プラザきらら)


(「きらら」から)


(朝日に照らされる釣り船 @平野地区)


(湖畔の林から朝日が漏れてきます)


(ママの森横のサイクリングロードから)

 

今回は3月に遭遇した鹿の群れには会えませんでした。

2024年5月4、5日

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宮本常一『忘れられた日本人』(岩波文庫、1984)

2024-05-06 09:41:54 | 

日本史関連の本を読んでいると、いろいろなところで参照される民俗学者宮本常一さんの代表作を読んでみた。

いや~面白い。日本の民俗誌として、裏日本史として、「物語」として・・・。

改めて、表の「歴史」と言うのは文字になって、「権力」を持った人によって、記録されて、残されて、伝えられるということがよくわかる。でも、本書にあるような残されない歴史の方が、大多数であり、その時々の実情だということに気づかされる。

近代における日本の都市化されていない地域での日本人の生活、風俗、性への向き合い方などなど、逞しさや奔放さ(いい加減さ)、真面目さなどなど人間や社会の多様性、複雑性を本を通じて疑似体験できる。

30代の時にリーダーシップ研修か何かで、内村鑑三の『代表的日本人』(西郷隆盛や上杉鷹山などの伝記サマリー)を読んだが、その対極を行く本だ。研修の目的(きっと、立派な過去の日本人にリーダーシップの在り方を学ぶというようなものだったと思う)にはそぐわないだろうが、日本や日本人についての思考・理解を深めるには、本書の方がずっと深みのある読書ができて、思考が深まる(ただ、本書がリーダーシップ研修に取り上げられるとはありえないだろう)。

表題が示すように、本書に記述された日本人、生活、風習といったものは、どんどん忘れられていくのだろう。そうした無形文化を記録し、伝えて行く仕事の大切さに気付き、生涯を捧げた筆者の偉大さにも感服だ。

 

〈目次〉
対馬にて
村の寄りあい
名倉談義
子供をさがす
女の世間
土佐源氏
土佐寺川夜話
梶田富五郎翁
私の祖父
世間師(一)
世間師(二)
文字をもつ伝承者(一)
文字をもつ伝承者(二)
あとがき

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2024ゴールデンウイークの谷間:小すみ姐さんを初見 @浅草演芸ホール

2024-05-04 09:18:25 | 落語

ゴールデンウイークの谷間で、職場も仕事も落ち着いた1日であったので、仕事帰りに寄席へ立ち寄った。浅草演芸ホールは昨年のゴールデンウイークに訪れて以来1年ぶり。ここは、18時以降は夜間割引あって2500円で見れるのが嬉しい(19時以降は2000円)。

昨年の連休に昼の部に訪れた時は、超満員だったが、この日は平日夜とあってか、まばら。入ったときにはぱっと見30名強ぐらいのお客さんで、お席も超余裕だったので、前列3列目に陣取り芸人さんをがん見して鑑賞。時々目が合ったりして、楽しい楽しい。

真打さんたちの落語は夫々、芸分違って楽しめたが、今回の掘り出しは初実演鑑賞の桂小すみさん。三味線、唄、踊りを披露頂いたのだが、夫々素晴しかった。個人的に嬉しかったのは、冒頭に「越後獅子」を三味線に唄をつけてくれたのだが、その後にこの曲がプッチーニの〈蝶々夫人〉での引用されていることを、実演付き(本当のイタリア語の歌詞だったかどうかは分からなかったけど、それっぽかった)で解説。〈蝶々夫人〉にいくつも日本民謡が使われているのは知ってはいたし、聴いてもいたのだが、こうやってオリジナルと比較なんてなかなか聴けない。この方、歌声も本当に綺麗で、安定している。加えて、この日は〈奴さん、姐さん〉の舞つきで、いろんな芸を満喫させてもらった。ちょっと、これから追っかけてみたい。

トリは、初めて聞く春風亭柳之介さんの〈付き馬〉。通りの良い声に、歯切れのよい話しっぷりだ。男前の風貌で、こちらも十二分に楽しませてもらった。

良い、連休の中日であった。

 

2024年4月30日

 

(夜の部 途中から)
瞳ナナ マジック
昔昔亭桃太郎 結婚相談所
春風亭笑好 動物園
ねづっち 漫才
三遊亭遊馬 転失気
柳亭楽輔 風呂敷
桂小すみ 奴さん姐さん
春風亭柳之介 付き馬

 

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