ロンドンでも高評価を受けたという「マクベス」が東宝シネマで上映されるということで観に行った。マクベス夫妻を演じている二人(デヴィッド・テナント&クシュ・ジャンボ)の名前がタイトルのマクベスに附記されているぐらいなので、相当売出し中の役者さんなのであろう。
確かに、マクベス役のテナントの熱演は、カメラワークの巧みさもあって、悩めるマクベスはスクリーンから飛び出さんばかりであった。その他の役者さんも台詞廻し、演技共にしっかりしてて、さすが本場イギリスのシェイクスピア劇だと感じた。全てはとても聴きとれないが、やっぱりシェイクスピア劇は原語で観るのが、リズム感や音韻が感じられて嬉しい。
ただ、私の体調が思わしくなかったところもあって、芝居自体にはあまりのめり込むことができず、途中うとうとしてしまった。冒頭にまず魔女が出てこないのには面食らった。また、2時間弱の芝居に仕立ててているため、展開が早すぎる。もともとマクベスはシェイクスピア劇の中ではとても短い作品だが、倍速で見てるような感覚で、これではマクベス早送りバージョンだ。そのため、夫妻の関係性や各人物の造形表出が弱く、役者の熱演に頼った舞台に見えた。
演出は極めて現代的でスマートだと思った。柔道の試合場の2割カットぐらいの大きさの正方形の舞台で役者が行き来して芝居が展開するが、造作物は何もなく、舞台設定は聴衆の想像力に委ねられる。(ラストシーンに森のような背景が初めて出てくるが、意味がよく分からなかった)こうした舞台は個人的には嫌いではない。
ドンマー・ウエアハウスというロンドンのコヴェント・ガーデンの小劇場(私は行ったことは無い)での公演だが、時折映像に映る聴衆が皆ヘッドホンをつけていたのだが、何が流れているのか気になった。目の前の芝居を見るのにヘッドホン付けるって何なんだろう。
プログラムが売っていたので、買うかどうか迷ったが、私自身、集中して観劇出来て無かったので、止めた。上記の私の疑問は、プログラムに記載があるのかもしれない。
こうした海外の舞台を映像であったとしても鑑賞できるのは嬉しい。METやナショナルシアターの作品はしばしば映像化され、上演されるので、こうしたそれ以外の上演も上映して貰えると有難い。
原題: Macbeth: David Tennant & Cush Jumbo
作品名: デヴィッド・テナント&クシュ・ジャンボ『マクベス』
上映時間: 約115分
演出:マックス・ウェブスター
出演:デヴィッド・テナント、クシュ・ジャンボ
制作年:2024年 制作国:イギリス
撮影:2024年1月 ドンマー・ウエアハウス
コピーライト:© 2024 BIRNAM WOOD FILMS LIMITED
公開表記:2025/2/5(水)〜 TOHOシネマズ 日比谷ほか公開
CAST
Ross: MOYO AKANDÉ
Musician/Gentlewoman: ANNIE GRACE
Donalbain/Soldier/Murderer/ Musician: BRIAN JAMES O’SULLIVAN
Lady Macbeth: CUSH JUMBO
Macduf’s Son/Fleance/Young Siward: CASPER KNOPF
Banquo: CAL MACANINCH
The Singer/Ensemble: KATHLEEN MAあCINNES
Musician/Ensemble: ALASDAIR MACRAE
Lady Macduf: RONA MORISON
Macduf: NOOF OUSELLAM
The Porter/Seytan: JATINDER SINGH RANDHAWA
Macbeth: DAVID TENNANT
Malcolm: ROS WATT
Duncan/Doctor: BENNY YOUNG
CREATIVE TEAM
Writer: WILLIAM SHAKESPEARE
Director: MAX WEBSTER
Designer: ROSANNA VIZE
Lighting Designer: BRUNO POET
Sound Designer: GARETH FRY
Movement and Intimacy Director: SHELLEY MAXWELL
Composer and Musical Director: ALASDAIR MACRAE
Fight Directors: RACHEL BOWN-WILLIAMS, RUTH COOPER-BROWN
Voice and Dialect Coach: BARBARA HOUSEMAN
Resident Assistant Director: ALESSANDRA DAVISON
Casting Director: ANNA COOPER CDG
FOR THE CAPTURE
Director: TIM VAN SOMEREN
Producer: EMILY CECIL-DENNETT
Executive Producer: MARC ALLENBY
Executive Producer: CHARLIE HINSHELWOOD
Editor: TIM VAN SOMEREN
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