帰国以来、初のフルマラソン挑戦です。昨年のロンドンマラソン以来ですから1年ぶり。
当日朝は、天気予報どおりの冷たい雨模様。気温も5度と季節が1ヶ月以上逆戻りした感じです。練習も十分でないし、苦労するレースになることは分かり切っていたので、棄権しようかとの思いも頭をかすめましたが、ここで走らないと逆にもう2度とフルは走れなくなるのではとの思いもあり、思い切って常磐線に乗り込み土浦へ向かいました。
<寒々しい大会会場>
<スタート地点に向かうランナー達>
丁度、スタート1時間前に会場に到着しましたが、降り続く雨を避けて、着替える場所を見つけるのも苦労するほど。準備体操やストレッチも十分でないままスタートに着きます。午後には止む予報でしたので、まあまもなくやむだろうと、相変わらず楽観的な私。27000名がエントリーしているというフルマラソン。なんと、東京、大阪に次ぐ全国有数の大型レースだそうです。
<この寒い中、良くこれだけのランナーが集まります>
<いよいよスタート>
スタートして、当面は集団の流れに合わせてゆっくりとレースに入ります。カシャカシャとポンチョがこすれる音で周囲がにぎやかだなあと思って、周りを見渡すと、なんとランナーの殆どが雨除けにポンチョを羽織っています。ランニングウエアの2枚重ねで、びしょ濡れになっているのは自分ぐらい。レース後に知ったのですが、当日、大会運営からポンチョが配られていたのこと。自分の用意不足を悔やみます。
<みんな、雨避けを着てます>
<こんな雨です>
前半は緩いアップダウンが何か所かありますが、10キロ1時間3分、20キロ2時間1分で通過。このコンディションにしてはまずまずのタイムです。しかし、雨は全くやむ気配がなく、ウエアも靴も雨を吸い込んで重い。ランニングシャツから雨が滴り落ち、体重プラス何キロかを背負って走るような感覚です。遅かれ早かれ何処かで体が耐えられなくなるだろうなあ~との予感が頭をよぎります。
<茨城の田園風景が広がっているはず。でも、全く廻りを見る余裕はありません>
徐々に動きが重くなってきた体が、20Kを過ぎたあたりから、グーッと重みを増して、膝があがらなくなり、走るのがままならなくなりました。後半は殆ど平地なのですが、数キロ置きに立ち止まってはストレッチ。ラップタイムもどんどん遅れていきます。体力の限界に挑戦しているというよりも、何とか体を誤魔化して前にだけは進もうとする自分は、頑張ってんだか、サボってんだかよくわからない。
ただただ辛いだけのレースだったのですが、唯一の救いが給水所でのボランティアのサポートや沿道での応援でした。彼らも降りしきる冷たい雨の中、立ちづめだったりで、物好きで走っているランナー以上にずっと辛いと思うのですが、明るく元気いっぱいに励ましてくれました。給水所では、水とアミノ・ヴァリュー、バナナに加えて、後半は菓子パンや霞ヶ浦名物のれんこんの煮物までが供され、その瞬間はパワーを回復した気にさせてくれます。特においしかったのは、沿道のおばあちゃんがくれたミニおにぎり。百人力でした。
<和んだのが距離表示にある茨城弁の標語。こんな気配りがランナーには嬉しいです>
<この辺りからカメラも曇って、この後撮影不能>
あと、思ったのですが、昨今のマラソンブームのおかげが、日本人のマラソン力は確実に伸びていますね。5年以上前のマラソン大会では、30キロを過ぎると多くの人が歩いていましたが、この日はむしろ歩いている人はまばらで、皆さんしっかり走っている。「私はマラソンブームになる前から走っているよ」というプライドも軽く吹っ飛んでしまいます。
残り2キロぐらいになって、やっと雨は止みましたが、遅すぎです。最後の1キロは特にきつかった。プログラムのコース高低図では平地のはずなのですが、ゆるやかな坂が400メートルぐらい続いているように見えます。疲れからくるあれは目の錯覚だったのでしょうか?
ごまかし、ごまかし、それでも歩くことはなく、42.195キロを4時間25分で完走。記録的にはここ5年ぐらいで最も悪い部類ですが、このコンディションの中を走り抜けたことは、次につながるのでまずは良しとしましょう。
<いちおう、完走証>
それにしても、教訓は多いです。
1.練習は嘘をつかない。とにかく、直前3か月の走り込み量が極端に少なかった。(ハーフの大会に1回走った他は、10キロを超える週末ジョグは2回だけ)
2.雨と分かっていたはずなのに、雨対策が全くもって不十分。(ポンチョは必須)
3.寒さのためトイレを我慢しきれず不適切な行動1回あり・・・・・・
後半は左手に霞ヶ浦を望むこのコース。来年は晴天の中を走ってみたいです。