その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

Jリーグ FC東京vs川崎フロンターレ 多摩川ダービー@味の素スタジアム

2013-04-28 11:02:18 | 日記 (2012.8~)
 日中のポカポカ陽気に誘われて夜はスポーツ観戦へ。神宮のヤクルト対巨人か、味の素スタジアムのFC東京対川崎フロンターレか迷ったあげく、多摩川ダービー(FC東京対川崎フロンターレ)へ。私にとっては、今シーズン2試合目。



 スタジアムでは、風が結構強く、日中の初夏を思わせる陽気から一転、春の夜に変っていたけど、スタンドは熱い空気で一杯だった。ホーム側は一階席はほぼ満席。先日の、大宮戦の倍以上(公式発表は27000名ちょっと)で、やっぱり沢山のサポーターの集まったゲームは、それだけでも盛り上がる。


<ホームのスタンドは一杯>


<川崎の人文字>

 試合は終始押し気味に試合を進めたFC東京が2-0で快勝。2点に絡んだ東選手の活躍が印象的だった。川崎には大久保・稲本という往年の(失礼)全日本選手が出場していて、(私が無知なだけかもしれないが)驚いた。



 東京サポーターは大満足のゲームだった。次来る時は、きっとビールが滅茶苦茶美味い季節になっているに違いない。

 2013年4月27日
 
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N響 定期公演 Bプロ/ ビシュコフ指揮/ 幻想交響曲(ベルリオーズ)ほか

2013-04-27 08:08:47 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)


 N響定期演奏会Bプログラムに足を運んだ。ビシュコフがせっかく来日するのだから、いつものCプロだけでなくBプロも、と言うことで一回券発売日に通話中音にめげず、電話をかけつづけて獲得した執念のチケットである。初めてサントリーホールでN響を、しかもビシュコフ指揮で聴くということで、否が応でも期待は最大値となる。

 1曲目は、デュビュニョン作曲の2台のピアノと2つのオーケストラのための協奏曲「バトルフィールド」。2011年の作品で、今回が日本初演である。オケとピアノが左右対称に陣取って、あたかも合戦場のごとく演奏がぶつかる。現代曲ではあるが比較的聴きやすく、楽しめる。ラベック姉妹のピアノはロンドンでも一度聴いたが、相変わらず堂々と爽快なものだった。オケの方は、初演と言うこともあるのか、演奏に手探り感があって印象を受け、演奏にもっと切れがもっとあっても良いと感じたところはあったものの、総体的には満足。しかも、ラベック姉妹は熱烈拍手に応えて、アンコールを2曲もやってくれた。バーンスタインのウエストサイドストーリーからとなんと山田耕筰「赤とんぼ」のデュビュニョン編曲バージョン。お客を楽しませるツボを心得ている。

 そして、休憩後のベルリオーズの「幻想交響曲」は更に素晴らしかった。聴いていてN響の団員それぞれが、「幻想」をとっても良く知っていて、自分のものにしているのが、ありありと分かった。個々の音がとっても溌剌としていて、自信が感じられる。加えて、ビシュコフの緩急や強弱を上手くつけた綱さばき。一つ一つのシーンの情景が目に浮かぶ。熱い演奏だが、オーバーヒートではない。美しいが、ただ聴き易いだけではない。力強く、とってもしなやかな演奏だった。ブラボー!

 それにしても、B定期が初体験の私は、普段のNHKホールとサントリーホールの音響の違いに愕然とした。サントリーホールは音が優しく豊かに響き渡る。響くと言うよりも生音をダイレクトに浴びている感じのするNHKホールとは全然違う。そして、今日の幻想交響曲はこの福よかな残響が良く似合う音楽。こんな幻想は滅多に聴けるものではない。

 最後に一つ思ったこと。でも、満員売り切れだった今夜のコンサートだが、空席もそこそこあった。目視で数えただけでも、40近く空いている。これはもったいなさすぎる。日本のオケも絶対、行けなくなった定期演奏会チケットをリターンチケットとして売り出すリターンチケットのサービスを行うべきだと思う。ロンドンでは当たり前だったこの仕組みにどれだけ救われたことか。あれだけサービス品質の高さを売りにする日本なのに、演奏会のチケット販売に関しては、まだまだサービス度は低い。是非、そのあたりのサービス向上を実現させて、もっと私にBプロの機会を!


<アンコール曲>


第1753回 定期公演 Bプログラム
2013年4月24日

サントリーホール

デュビュニョン/2台のピアノと2つのオーケストラのための協奏曲「バトルフィールド」作品54 (2011)[日本初演]

ベルリオーズ/幻想交響曲 作品14

指揮:セミョーン・ビシュコフ
ピアノ(2台):カティア&マリエル・ラベック
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かすみがうらマラソン完走記

2013-04-23 00:04:17 | ロードレース参戦 (in 欧州、日本)
 帰国以来、初のフルマラソン挑戦です。昨年のロンドンマラソン以来ですから1年ぶり。

 当日朝は、天気予報どおりの冷たい雨模様。気温も5度と季節が1ヶ月以上逆戻りした感じです。練習も十分でないし、苦労するレースになることは分かり切っていたので、棄権しようかとの思いも頭をかすめましたが、ここで走らないと逆にもう2度とフルは走れなくなるのではとの思いもあり、思い切って常磐線に乗り込み土浦へ向かいました。


<寒々しい大会会場>


<スタート地点に向かうランナー達>

 丁度、スタート1時間前に会場に到着しましたが、降り続く雨を避けて、着替える場所を見つけるのも苦労するほど。準備体操やストレッチも十分でないままスタートに着きます。午後には止む予報でしたので、まあまもなくやむだろうと、相変わらず楽観的な私。27000名がエントリーしているというフルマラソン。なんと、東京、大阪に次ぐ全国有数の大型レースだそうです。


<この寒い中、良くこれだけのランナーが集まります>


<いよいよスタート>

 スタートして、当面は集団の流れに合わせてゆっくりとレースに入ります。カシャカシャとポンチョがこすれる音で周囲がにぎやかだなあと思って、周りを見渡すと、なんとランナーの殆どが雨除けにポンチョを羽織っています。ランニングウエアの2枚重ねで、びしょ濡れになっているのは自分ぐらい。レース後に知ったのですが、当日、大会運営からポンチョが配られていたのこと。自分の用意不足を悔やみます。


<みんな、雨避けを着てます>


<こんな雨です>

 前半は緩いアップダウンが何か所かありますが、10キロ1時間3分、20キロ2時間1分で通過。このコンディションにしてはまずまずのタイムです。しかし、雨は全くやむ気配がなく、ウエアも靴も雨を吸い込んで重い。ランニングシャツから雨が滴り落ち、体重プラス何キロかを背負って走るような感覚です。遅かれ早かれ何処かで体が耐えられなくなるだろうなあ~との予感が頭をよぎります。


<茨城の田園風景が広がっているはず。でも、全く廻りを見る余裕はありません>

 徐々に動きが重くなってきた体が、20Kを過ぎたあたりから、グーッと重みを増して、膝があがらなくなり、走るのがままならなくなりました。後半は殆ど平地なのですが、数キロ置きに立ち止まってはストレッチ。ラップタイムもどんどん遅れていきます。体力の限界に挑戦しているというよりも、何とか体を誤魔化して前にだけは進もうとする自分は、頑張ってんだか、サボってんだかよくわからない。

 ただただ辛いだけのレースだったのですが、唯一の救いが給水所でのボランティアのサポートや沿道での応援でした。彼らも降りしきる冷たい雨の中、立ちづめだったりで、物好きで走っているランナー以上にずっと辛いと思うのですが、明るく元気いっぱいに励ましてくれました。給水所では、水とアミノ・ヴァリュー、バナナに加えて、後半は菓子パンや霞ヶ浦名物のれんこんの煮物までが供され、その瞬間はパワーを回復した気にさせてくれます。特においしかったのは、沿道のおばあちゃんがくれたミニおにぎり。百人力でした。


<和んだのが距離表示にある茨城弁の標語。こんな気配りがランナーには嬉しいです>


<この辺りからカメラも曇って、この後撮影不能>

 あと、思ったのですが、昨今のマラソンブームのおかげが、日本人のマラソン力は確実に伸びていますね。5年以上前のマラソン大会では、30キロを過ぎると多くの人が歩いていましたが、この日はむしろ歩いている人はまばらで、皆さんしっかり走っている。「私はマラソンブームになる前から走っているよ」というプライドも軽く吹っ飛んでしまいます。

 残り2キロぐらいになって、やっと雨は止みましたが、遅すぎです。最後の1キロは特にきつかった。プログラムのコース高低図では平地のはずなのですが、ゆるやかな坂が400メートルぐらい続いているように見えます。疲れからくるあれは目の錯覚だったのでしょうか?

 ごまかし、ごまかし、それでも歩くことはなく、42.195キロを4時間25分で完走。記録的にはここ5年ぐらいで最も悪い部類ですが、このコンディションの中を走り抜けたことは、次につながるのでまずは良しとしましょう。


<いちおう、完走証>

それにしても、教訓は多いです。
1.練習は嘘をつかない。とにかく、直前3か月の走り込み量が極端に少なかった。(ハーフの大会に1回走った他は、10キロを超える週末ジョグは2回だけ)
2.雨と分かっていたはずなのに、雨対策が全くもって不十分。(ポンチョは必須)
3.寒さのためトイレを我慢しきれず不適切な行動1回あり・・・・・・

 後半は左手に霞ヶ浦を望むこのコース。来年は晴天の中を走ってみたいです。
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N響C定期/ ビシュコフ/ レクイエム(ヴェルディ)

2013-04-20 22:47:22 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)


 N響定期の4月Cプロは、セミョーン・ビシュコフさんの指揮によるヴェルディのレクイエム。日本での知名度は分からないけど、ビシュコフさんは私がロンドンでとっても感銘を受けた指揮者の一人です。ロイヤルオペラの指揮で何回か観ているのですが、この人が振ると、オケの音の劇的さが倍増していました。しかも、ヴェルディ「レクイエム」は2011年夏のBBCプロムスで、ビシュコフさん、マリア・ポプラフスカヤさん(ソプラノ)でとても感動した演目(その時の模様はこちら→)。N響との相性はどうだろうかと、ワクワクしながらホール入りしました。

 会場はほぼ満員。3月は定期はお休みでしたので、1月ぶりの定期演奏会で何となくいつもより浮付いた雰囲気が漂っているような気がしました。

 さて、パフォーマンスのほうは、合唱、演奏、独唱の三拍子がハイレベルで揃った素晴らしいものでした。特に印象的だったのは新国立劇場合唱団による合唱。バランス良く安定したハーモニーは、安心して歌声に身をゆだねることができます。「怒りの日」の合唱などは、広いNHKホールが全く広く感じない大合唱。3階の貧民席でも音圧を感じます。

 N響も熱演。いつもながら、ビシュコフはオケを煽りに煽り、N響も食らいつくようについていきます。「怒りの日」ではステージ外の左右のサイドからのトランペットの演奏も入って、ステレオ・サラウンド。教会で共鳴する音のような、聖なる音に聴こえました。ミス?と思うようなところもありましたが、気持ちが入った演奏の中では、気になりません。

 非日本人歌手で固めたソリストたちは、各自其々の持ち味を出していました。印象的だったのは、メゾ・ソプラノのアニタ・ラチヴェリシュヴィリとテノールのディミトリ・ピタス。ラチヴェリシュヴィリの声は華やかなところは余りないのですが、しっかり要所を抑えていて好感が持てます。テノールのピタスは凄い声量で、独唱時はNHKホールを独り占めしているような歌いっぷり。レクイエムと言うより完全なオペラのアリアの世界に浸っていました。期待のポプラフスカヤは、彼女らしい透き通った美声だったのですが、声量がもうひとつで、ちょっと本来の調子ではなかった気がしました。

 ツィートを眺めていると4名の不揃いさを指摘するコメントなどがあり、なるほどと思ったのですが、私はバランスは良いが金太郎雨的に個性なく揃ったソリストの歌声よりは、其々が個性がぶつかった独唱陣のほうが、バランス悪く感じることがあっても好きです(もちろん個性がぶつかり且つバランスが良いのが最高ですが)。そういう点で、なんか今日のソリスト達は如何にも、自己主張の強い非日本人歌手陣のパフォーマンスという感じがして、懐かしい気がしました。

 終演後は大きな拍手、ブラボーに包まれました。聴衆も久しぶりのN響を堪能したのではないでしょうか?ビシュコフさんは是非、また来日して、熱いN響を引き出してほしいです。



第1752回 定期公演 Cプログラム
2013年4月20日(土) 開演 3:00pm
NHKホール

~ヴェルディ生誕200年~
ヴェルディ/レクイエム

指揮:セミョーン・ビシュコフ
ソプラノ:マリナ・ポプラフスカヤ
メゾ・ソプラノ:アニタ・ラチヴェリシュヴィリ
テノール:ディミトリ・ピタス
バス:ユーリ・ヴォロビエフ
合唱:新国立劇場合唱団
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追想 サー・コリン・デイヴィス

2013-04-15 23:58:09 | 日記 (2012.8~)
 一週間の始りとしては最悪だった。新聞休刊日の今朝は、通勤列車でいつもは見ないようにしているスマートフォンをちらちら。すると目に飛び込んできたのは、サー・コリン・デイヴィス(Sir Colin Davis)の訃報を伝えるツイート。寝ぼけ眼が一気に醒めた。

 3年半強のロンドン生活の中で、間違いなく一番聞いた指揮者がサー・コリン。自分の手元の記録だけでも、総裁職(President)にあったロンドン交響楽団(LSO)とのコンビでは10回程、ロイヤルオペラハウスでは3回(「ヘンゼルとグレーテル」、「フィガロの結婚」、「コジ・ファン・トゥッテ」)は聴いている。最後に聴いたのは、昨年の6月26日セントポール寺院でのベルリオーズのレクイエム。あれからまだ1年も経ってないじゃないか!

 LSOとの息の合い方は抜群だった。互いの尊敬と信頼に支えられたコンビのオーラがいつも漂っていた。幾つもの、息が詰まり、涙がほとばしり、胸の鼓動が高まる音楽をこのコンビは聞かせてくれた。

 また、内田光子さんが入ってのサー・コリン、LSOの演奏会も忘れられない。音楽って、こんなに美しくて、優しくて、幸せなものなのだというのを、体に染み込むような演奏で教えてくれた。大袈裟な言い方なのだが、この世のものとは思えない美しさと心底思える音楽があるのである。

 昨年のコンサートで、舞台に登場する姿を見て、体力的な衰えを感じざる得なかったのはとっても心配だった。それでも、演奏が始まるとシャキっとするし、(私には)大ざっぱで適当そうに見える指揮棒から紡ぎだされる音楽は、時に雄大でスケール感一杯だったり、時に心の琴線に触れる繊細なものだった。

 今、あの音楽を聴けなくなったのは本当に悲しい。録音があることはあるが、サー・コリンとLSO、そして内田光子さんとの息の合い方、合わせ方は、音以上に、その場に居合わせた者しか感じられない空気がある。それは、録音では伝わってこない。

 今はただサー・コリンが素晴らしい音楽を聴かせてくれたことに感謝しつつ、心から氏の冥福を祈ることとしたい。



※サー・コリンの思い出のコンサート(いずれもぼやけた写真ですが・・・)

2009年12月6日 ヴェルディ「オテロ」/LSO 私のサー・コリン経験の中で間違えなくトップ3本指に入る


2010年2月24日 Midoriさんとメンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲


2011年10月2日 内田光子さんとベートーベン ピアノ協奏曲第3番


2011年12月11日 ニールセン交響曲第3番/ LSO・・・この頃からちょっと体力的な衰えが見て取れました


本当にありがとうございました。
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『魔笛』 (モーツァルト)/ 新国立劇場

2013-04-14 22:36:29 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)


 10か月ぶりの生オペラ。帰国以来、初の日本でのオペラは「魔笛」。大好きなオペラの一つな上に、今回の公演はオール日本人キャスト。どんなパフォーマンスになるのか、とても楽しみだった。今日は初日。

 そして、結果は期待を上廻る好演。特に、サプライズだったのは、ラルフ・ヴァイケルト指揮による東京フィルの演奏。序曲を聴き始めるや否や、美しいアンサンブルとメリハリの効いた演奏に引き込まれた。「これは何かが起こる」、そんな予感を得る演奏だった。そして、それは3時間最後の幕引きまで続く。キレがあって、なお艶やか。モーツァルトの音楽の魅力を十二分に伝えてくれる演奏だった。

 もう一つのサプライズは重唱の美しさ。侍女3名と童子3名の其々の重唱は、何とも美しく、心奪われた。歌声と其々のバランスが何とも良いのである。これもモーツァルトならではだ。

 独唱陣ではパミーナ役の砂川涼子がはまり役。可憐な様子は王女様そのもの。そしてその歌声は、細すぎることのない、清らかで張りがある高音でうっとりさせられる。相手役のタミーノ役の望月哲也は前半は本調子でなかったようだが、段々と調子が上がってきた感じ。ザラストロの松位 浩は貫禄たっぷりの安定した演技と歌唱。魔笛の隠れたキーとなるパパゲーノの萩原 潤もコミカルな演技で会場を盛り上げてくれた。
 
 演出は特に奇をてらったところはなく、オーソドックスなものだったが、魔笛の神秘的な雰囲気を良く表していて良かった。

 全体的にレヴェルの高いパフォーマンスで、欧州メジャー劇場と肩を並べるとは言わないまでも、中堅クラスの劇場には十分競り合うことができるパフォーマンスと言いきれる。正直、ここまで「魔笛」を楽しめるとは思ってみなかっただけに、とっても幸せな気分で劇場を後にした。モーツァルト万歳!新国立万歳!



 (その他)初日のせいか、着物姿の女性も複数見かけるなど聴衆も華やかな雰囲気に包まれていました。緑色の服を着た人が心なしか多かったような気がしたのは、パパゲーノ(パパゲーナ?)を意識したコーディネイトに違いありません。壇ふみさんをお見かけしたのですが、壇さんも綺麗な黄緑をベースにしたドレスでした。



魔笛
2012/2013シーズン
Wolfgang Amadeus Mozart : Die Zauberflöte
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト/全2幕
【ドイツ語上演/字幕付】
2013.4.14 新国立劇場

【指揮】ラルフ・ヴァイケルト
【演出】ミヒャエル・ハンペ
【美術・衣裳】ヘニング・フォン・ギールケ
【照明】高沢立生
【ザラストロ】松位 浩
【タミーノ】望月哲也
【弁者】大沼 徹
【僧侶】大野光彦
【夜の女王】安井陽子
【パミーナ】砂川涼子
【侍女Ⅰ】安藤赴美子
【侍女Ⅱ】加納悦子
【侍女Ⅲ】渡辺敦子
【パパゲーナ】鵜木絵里
【パパゲーノ】萩原 潤
【モノスタトス】加茂下 稔
【武士Ⅰ】羽山晃生
【武士Ⅱ】長谷川 顯

【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団



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加藤陽子 『戦争の日本近現代史』 (講談社現代新書)

2013-04-09 06:18:46 | 


 久しぶりの読み応えのある新書を読んだ。最近、読みやすくても内容の薄い新書が増えたけど、本書は骨太の日本近現代史本である。2002年発刊なので10年前に出た本だが、偶然本屋で手に取った。

 本書は、明治以後の日本が行った対外戦争を取り上げ、戦争に踏み出す瞬間を支える論理がどのようなものであったのか、その歴史的経緯を明らかにする。例えば、日露戦争においては、危機的な東アジア情勢(ロシアが南満州を占領し、更に清から旅順・大連までの鉄道敷設を認めさせたことで、日本にとって利益線としての朝鮮が危機的状況となった)と「文明の敵ロシア」(アメリカの「門戸開放宣言」の文脈から、南満州を門戸閉鎖するロシアは文明国ではないとする考えやツァーリ専制のロシアをよう懲するという考え)という論理で戦争が受け入れられていったプロセスが記述される。

 本書の一つの肝は各章で設定される歴史的「問い」である。「戦争」を学ぶ意味は何か(第一講)、軍備拡張論は如何に受け入れられたか(第二講)、日本にとって朝鮮半島はなぜ重要だったか(第三講)などの問題が設けられる。筆者は、歴史を学ぶということは、まさにこうした問いを設定して検証することであると考え、史料をもとに、その問いを解明する。2月に読んだ小谷野 敦『日本人のための世界史入門』が、「歴史に意味などない」、「事実の羅列で良い」という立場を取っていたのとは正反対をなすアプローチだ。読んでいて、学問の世界に生きる歴史家ならではのプロフェッショナリズムを感じる。

 一方で、本書に限らずどんな歴史書にも言えることだが、筆者の問題意識や分析が如何に明晰であっても、「筆者の分析、主張は妥当なのか?」という読者のジレンマは残る。たいていの読者は筆者の論理を追い、その合理性や論理性については検証できても、その筆者が提供する根拠(証拠)の妥当性についてまでは、なかなか検証できないからだ。きっと数ある事実や史料の中から、筆者の問いに答えるものとして本書に提示されている根拠は、山のようにある事実、証拠のうちのごく一部であるに違いない。「こんな事実もあるじゃないか」、「この人の日記には逆にこう書いてあったはず」という検証のレヴェルまで議論をするためには、私レベルの読者ではあまりにも知識が足りない。そこが何とも歯がゆいところである。

 ただ、本書が素晴らしいのは、いまを生きる我々日本人にとって、現代を見る目を養う1冊になりうることだ。最近、原子力発電の是非、TPP交渉への参加、改憲など国論を分ける幾つかの論点において、潮目が変わりつつあるのを感じる。各問題の考えや立場は人によって異なるだろうが、こうした節目を支える論理を考えることの重要性への気づきは、本書から得られる視座である。

 一点、注意を。 記述は易しいが、必ずしも読み易い文章ではないので、漫然と読んでいるとロジックを追えなくなって、本書の主張を読み誤る。注意力を持って読みたい。
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Jリーグ FC東京 vs 大宮アルディージャ @味の素スタジアム

2013-04-06 22:21:14 | 日記 (2012.8~)
 台風並みの大荒れの天気予報でしたが、夕方まで何とか持ちそうな天気だったので、Jリーグの試合へ味の素スタジアムへ足を運びました。昨夏のロンドンから帰国以来初めてのサッカー観戦です。味の素スタジアム完成(当時の呼称は東京スタジアム)の2001年からFC東京ファンですが、4年の空白期間を置いての応援です。スターティングメンバーを見て、選手が随分変わっているのに驚きました。今日の相手はシーズン出足好調の大宮アルディージャ。

 味スタは、相変わらずのゆったりした空間でくつろげます。今日は悪天候の予報もあってか12000人ほどの観衆でした。サポーターの応援は変らず熱烈です。プレミアリーグの応援(私が行ったことがあるのはアーセナルとフルハムのスタジアムだけ)は手拍子程度だったのに対し、Jリーグは、鳴り物(太鼓)が入り、サポーターが終始応援歌を揃えて歌うので、多少うるさい感じはするものの、プレミアリーグとは違った良さがあります。



 試合は終始我がFC東京が押し気味に進めながらも決定打がでず、逆に大宮が少ないチャンスをものにして0-1。久しぶりのサッカー観戦で一週間で溜ったストレスをリリースしながら、ふがいない東京の攻撃陣にイライラし、新しいストレスを抱えると言う感じでした。プレミアリーグとの比較はしてもしょうが無いことは分かりつつも、やはりパス廻しのスピードやプレイの力強さに関しては、Jリーグはまだ一歩も二歩も後ろですね。ただ、それでも長年の贔屓チームを応援する楽しさは格別です。

 これから、ちょくちょく足を運ぶことになると思います。




 
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池井戸 潤 『ロスジェネの逆襲』 (ダイヤモンド社)

2013-04-04 06:33:58 | 


 20代後半から30代前半にかけては、いわゆる企業小説の類なるものを読んだが、40に入ってからは殆ど読まなくなってしまった。企業小説では社内の人事抗争などの社内ポリティックスが描かれることが多いが、軽重こそあれ、日々会社で似たような場面に遭遇しているのに、わざわざOFFの時間に同類の追体験をすることに疲れてしまったからである。

 本書は偶然、図書館の返却本のコーナーで手に取った。IT企業の企業買収攻勢に対すする防衛というエピソードに、世代論を掛け合わせ、現代をうまく切り取った企業小説になっている。帯にあった「痛快エンタメ小説」というコピーに相応しい出来のいい作品だ。

(あらすじ・・・Amazonより引用)
ときは2004年。銀行の系列子会社東京セントラル証券の業績は鳴かず飛ばず。そこにIT企業の雄、電脳雑伎集団社長から、ライバルの東京スパイラルを買収したいと相談を受ける。アドバイザーの座に就けば、巨額の手数料が転がり込んでくるビッグチャンスだ。ところが、そこに親会社である東京中央銀行から理不尽な横槍が入る。責任を問われて窮地に陥った主人公の半沢直樹は、部下の森山雅弘とともに、周囲をアッといわせる秘策に出た―。胸のすくエンタテイメント企業小説。
(引用終わり)

 ストーリー展開(特に落ちのつけ方)と登場人物の描写もよくできている。現実離れしたところもあるが、リアリティも満載で、組織の理屈、銀行の行動原理がよく分かる。

 メインキャラクターであるバブル世代の半沢部長は、同世代としてはいささか格好よすぎるが、同じサラリーマンとしてあんな筋を通した仕事をしてみたいものだと、小説の話とはいえ、素直に啓発された。
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