昔のNHKのテレビ番組「週刊こどもニュース」のお父さん、池上彰さんによる新書。図書館の新刊コーナーに置いてあったので、手に取ってみました。
本書は、学ぶことの楽しさや大切さを説くのに加えて、筆者なりの「一般教養」のすすめでもあります。正直、内容には目新しいものはなく、誰かがどこかで語ったことの焼き直しのような既読感がありましたが、池上さんが書くと、同じことが書いてあっても説得力が増すような気がします。いつもながら筆者の誠実な人柄を感じる文章です。私のようなオジサンよりも、大学生とか若い読者には良いと思います。筆者が東工大で一般教養の講座を持っているため、そこでの経験、工夫、感想なども書いてあります。
これからの「教養」にはただ知っているだけでなく、行動へのコミットメントが求められるという主張はその通りだと思いました。先の読めない社会だからこそ、既存の枠組みから自由になる「教養」の重要性がますます高まっていうのも、首肯できます。
この本に触発されて、何か新たな行動を起こそうとするインパクトまではありませんでしたが、気軽に読め、日々の自分の生活を「教養」という観点で顧みるきっかけになりました。