コロナで2年連続中止となった長野マラソン。今年、3年ぶりの開催です。私自身も2年半ぶりのフルマラソン。模様を記録しておきます。
過去2回走っているが、いずれも宿を長野市内に取れず上田に前泊。今年は運よく市内のビジネスホテルを確保。そのおかげで起床も30分以上ゆっくりできて、5:00に起床。ホテルの窓から雲一つない空が見え、気分が高まる。
6:52長野発の列車に乗って会場へ。会場着が7:20。青空と朝日が眩しい、これ以上は望めないであろう絶好の天気。「これは暑くなるかなあ~。ランニングタイツ脱ぐべきか」、最後の最後まで迷う(結局、履き続けた)。トイレを済ませて10分前にスタートエリアに並ぶ。高まる緊張感が何とも言えず心地よい。
8時20分、スタート。目標は7レース連続記録更新中のサブ4。高橋尚子さんがスタート台で、「思いっきり、楽しんでください~」とテンション上がる掛け声をかけてくれる。
【スタート~15k】
前半戦はすこぶる好調。多少のアップダウンでペースは上下するもののキロ5分20~30秒を目指すペースをしっかり維持。善光寺の参道も、御開帳で盛り上がる地元や観光客の方で一杯。いつものような声を出しての声援は控えめだが、こんな応援の前で走るのは3年ぶりだから、有難くて涙が出てくる。
10k地点で53分58秒。暑くなりそうなので、脱水症状だけは気を付けなければと、各給水所ではスポーツドリンクと水を交互に、少しづつ取るように心がけた。
【15k~25K】
中盤戦。順調と言えば、順調だが、疲れがたまってきているのがわかる。15k過ぎの給食所でパウンドケーキのようなものを採ったのだが、封を開ける際に指が滑って、落としてしまう。がっかり。代わりに、塩飴を舐める。
大部暑くなってきた。ハーフ地点を過ぎる。1時間54分16秒で、よしよし。ハーフを過ぎてからの長い緩やかな上りがきついが、桃のピンクの花が美しく、癒される。
しかしいつも思うが、私レベルのランナーにはフルマラソンって、30Kまでに前座として膨大な時間とエネルギー使わせて、とにかく30キロ過ぎからが本番という、本当に意地の悪いスポーツだ。
【25k~ゴール】
25k過ぎていよいよゴールに向けてのカウントダウンだが、どんどんラップタイムが落ちてくる。いつのまにか、目標としている5:30ペースが維持できなくなってきた。想定より早いラップ落ちで、「これはまずい」とちょっと気持ちが乱れる。気温とともに体温も上がってくる。給水所の度に水の紙コップを取り頭からかけたり、顔にぶっかける。塩水になって口の中にしみてくる。30k地点が2時間44分台で通過、5キロラップが28分30秒。
30kすぎて、いよいよきつい。脚が棒のようになってきて、上体も保てず、フォームが崩れているのが自分でも良く分かる。内臓に無理がかかっている感覚も出てくる。お腹が減ってきた感覚もあるのだが、給食でもらったチョコも喉通らない。35k地点で3時間13分台、5キロラップが29分21秒。
35k手前で岩野橋を渡り、千曲川の最後の長い川べり。ここ区間、山と川と花が組み合わさった景色が本当に素晴らしいのだが、ここからの5kはいつも本当に辛い。やはり今回もだ。弱い風なのだが、逆風を感じるのも恨めしい。キロ6分以上にペースダウンし、サブ4無理っぽい。「やっぱり2年半のブランクは大きいか。練習は十分だったはずなのに~。4時間オーバーでも良いから、とにかく歩かず走りきる」と言い訳やら、早い反省やらが頭によぎる。
途中で4時間のペースランナーと一緒に走っている集団に抜かれる。「この集団についていければまだサブ4可能かな」と、一生懸命ついて行こうと頑張るもの、追いつけない。これは精神的ダメージ大きかった。40k地点で3時間45分台、5キロラップ32分。
40k手前で、川から離れて、スタジアムに向かう道路にコースが移る。半分やけくそで、初めて、走りを停め、歩きながら体のバランスを再調整してみる。すると不思議なことに、棒のようになった体が、少し動くようになった。まだ4時間まで13分ほど残っている。「キロ6分ペースに戻れれば、ぎりぎりサブ4行けるかも」と、かすかな希望の灯りが灯る。足が攣らないことを祈るのみ。
スタジアムに入る。ふかふかの人工芝なので走りやすい。「もしかしたらいける?」と思った途端、ゴール100m前で足(ふくらはぎと腿の後ろ部分)がつる。「ここで来るか~」と自分の体ながら恨めしい。10年以上前に走ったアムステルダムマラソンと同じ症状だ。ただ、立ち止まって脚をほぐしている時間はない。走るというよりも、ピョンピョン跳ねながらなんとかゴールした。
手元の時計は3時間59分1桁秒。目標達成の嬉しさというよりも、思考能力が止まったまま呆然として完走エリアを進んだ。
まあ、結果オーライと言えばオーライなのだが、振り返ると、ランニング練習も大切だが、体幹鍛えることが大事なんかなあと思う。それにしても、最近、こういう自己の限界に挑むみたいな経験してないなあ~。私レベルのランナーだと、フルマラソンの「魅力」ってやっぱりこの挑戦感、達成感なのだろうなあと、再認識した次第。
この大会、3年ぶりの開催だが、いつもながらのしっかりした運営、ボランティアさんの熱心なサポート、地元の厚い応援、雪の残る山々・咲き乱れる菜の花、桃の花と言った信州の春と、条件が揃った素晴らしい大会だ。来年こそは35キロからの5キロをしっかり走り抜けるよう、再出走を誓って、長野を後にした。
2022年4月17日
(いくつかの振り返りの追記)
〇今回、長野市内に宿を取れたが、アクセスの便利さが上田とは桁違い。当日の朝の余裕が全然違う。加えて、今回泊まったホテルはレース後の大浴場も提供いただき、大助かりだった。粘って長野の宿を探すべきだと実感。
〇水分摂取を多数回×少量を心掛けたのは良かった気がする。トイレに行かずに済んだのでロスタイムが0。これでトイレに行っていたら、サブ4は難しかった。
〇25kまではほぼ5分25秒平均で完ぺきだった。これは練習通り。
◇スポーツドリンクやゼリーの摂りすぎは気持ち悪くなるので、今回は最小化。それは良かったと思うが、後半の痙攣やスタミナ対策をどうするのがベストなのかはいまだわからず。
△想定してなかった会場でのスタート前のトイレで、相当時間を食って準備運動不足でスタート。
△25キロで失速し始めたのは誤算。練習でも30kは2回走ったから、失速は30キロ過ぎてからを想定していたので、早いペースダウンは精神的にも堪えた。暑さと言っても、この程度の暑さでダウンは早すぎ。原因不明。
△35キロで既に相当疲れていたので、橋を渡ってからの最後の5kの川沿いの道はどうしたらいいのか今だ対策無し。