その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

演芸初めは末廣亭初席!

2025-01-12 07:28:25 | 落語

24年の演芸納めが末廣亭だったので、25年演芸初めも末廣亭にて。正月初席最終日第二部に突撃。演芸初心者の私は初・初席体験。

NHKの元旦のリレー中継でも昇太師匠と放映がされた末廣亭。初席とあってか大きな松飾りが高座に据えてあり、落日ながらお正月気分満載。第二部は3時間の公演で15名/組が出演するということで、普段の倍速廻し。これは初席ならではということらしい。

8-10分程度の持ち時間なのでちょっと物足りない感じはするが、いろんな演者さんからの新年ご挨拶聞けるのは楽しい。特に、私的注目の小すみねえさんの三味線と唄、加えて尺八まで聴けて大拍手。そしてトリは神田松鯉師匠。初めて聴いた師匠の講談は赤穂義士、赤垣源蔵の徳利の別れ。吸い込まれるように聴いた。

これ以上望めない2025演芸スタート。

古今亭今輔
マグナム小林 漫談
三遊亭遊雀 つる?
三遊亭とんま 踊り
新山真理 漫談
三遊亭茶楽 紙入れ
日向ひまわり
??? 
北見伸 手品
立川吉幸 平林
三遊亭遊吉 紀州
宮田陽・昇 漫才
雷門助六 
桂小すみ 音曲
神田松鯉 赤垣源蔵・徳利の別れ(赤穂義士伝 銘々伝)

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新宿末廣亭で演芸納め!

2024-12-28 17:15:50 | 落語

先週の春風亭一春さんの独演会が、今年の落語締めの予定だったけども、急遽予定が空いたので仕事納めの後、末廣亭に立ち寄った。久しぶりの末廣亭は、変わらぬ伝統ある独特の雰囲気が漂う。

中入り後は座席も8割ほど埋まって、年末の千秋楽前日を演者・聴衆一体で盛り上がった。中入り後の落語は全て新作。題材が鉄道もの2本、ゴルフネタ1本、登山1本と、個人的にも好きなジャンルだし、いずれも私には初物。主任の彦いち師匠は過去に何度か聞いているが、他の落語家さんは初めてだったことも加わって、興味深々で聴き入った。

個人的に感心したのは、翁家社中の太神楽。前から2列めの至近距離に陣取ったので、投げもの、立てものの曲芸が目の前で披露され、彼らの凄い技にびっくり仰天だった。

最近、落語会への参加が中心で、寄席は夏以来だったので、リラックスした雰囲気でいろんな芸や演者さんが楽しめる寄席の楽しさを再認識。とっても満喫させてもらった。

これで今年の落語は本当に納め。

2024年12月27日

新宿末廣亭
12月下席 夜

林家 錦平/片棒
小梅/ 手品
柳家小袁治/ ???

(中入り)

古今亭 駒治/楽しい山手線
風藤松原/漫才
三遊亭 円歌/お父さんのハンディ
柳家 小ゑん/鉄の男・中
翁家社中/太神楽
林家 彦いち/遥かなるたぬきうどん

 

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「春風亭一花を真打昇進まで応援する会」@シン・道楽亭

2024-12-22 07:30:25 | 落語

今年最後の落語会です。

一花さんはホール落語やシブラクで何度か実演に接してますが、その歯切れのよい話しっぷりや声の良さ、真面目なお人柄(これは私の勝手な予想)が好きで、いろんなコンテスト系にも参加されているので、いつも応援している女性落語家です。

今回は初めての独演会への参加で、しかも会場が道楽亭というとってもディープな体験となりました。

20名ちょっとのキャパですから演者さんが目の前なのですが、しかも今回は最前列。ホント、手を伸ばせば届く距離です。この近さは聞く方も緊張感あります。

演目は「馬大家」「のめる」「文七元結」の3本。今回感心したのは文七元結。有名な人情話で、この秋NHKでやってた「一之輔の落語入門」でも紹介されてましたが、私は実演で聞くのは初めて。

一花さん迫真の話しっぷりで物語の世界にたっぷり引き込まれました。一花さんにはこういう人情話がとっても良く似合います。演じ分けで各登場人物の人物像も明確に表現されて、それぞれに感情移入してしまう。40分ちょっと、たっぷり時間かけて話し、私も満喫しました。

まくらでは学校落語での天草珍道中はなしなど。

今回で、一花さんへの個人的応援指数はますますアップ。次回は来年3月21日とのこと。是非伺いたいです。

12/20(金) 道楽亭

春風亭一花 を真打昇進まで応援する会

「馬大家」「のめる」「文七元結」

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鉄板! 『柳家喬太郎•柳家三三 二人会』 @調布市グリーンホール

2024-11-28 07:32:03 | 落語

 喬太郎師匠と三三師匠の二人会って、私にとってはベストの組み合わせ。行かないわけにはいきません。

 京王線の人身事故で止まっているとのことで、スタートが15分遅れ。演者さんが車内だったらどうなるんだろう・・・とそわそわしながら待ちますが、アナウンス通り7時15分スタート

 今回は喬太郎師匠が先。体調崩されていたというポストを拝見していたので、心配していたのですが、お元気そうで何より。「列車止まってるっていうのに、スタート15分遅らせてなにが変わるんですかね~」との毒で始まったお話は、まくらで調布を弄った後、演目は古典の「抜け雀」。顔芸と言い、話のトーンやボリュームの高低や強弱と言い、表現の幅が広い。古典をたっぷり楽しみました。

 三三師匠は「明烏」とこちらも古典の定番。実はこの演目、今年5月の調布の独演会でも取り上げられたお題。がっかり感はあったものの、師匠ならではの切れの良い語り口による「明烏」を堪能。

この日のサプライズは久方ぶりのロケット団。チラシには何の案内も無かったのですが、仲入後にロケット団のお二方が現れびっくり、かつ嬉し。2024年を振り返りながら時局を上手く織り込んだ漫才に爆笑。

前座は笑福亭ちづ光さん。小柄でとっても可愛らしい外見です。先日はNHK新人落語大賞の本選に一花さん美馬さんも進出していて、女性落語家が盛り上がりそうです。今後の活躍、期待してます!

 

11月21日(木)19:00

『柳家喬太郎•柳家三三 二人会』

@調布市グリーンホール

「熊の皮」笑福亭ちづ光

「抜け雀」柳家喬太郎

 お仲入り

 漫才 ロケット団

「明烏」柳家三三

 

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とってもいい雰囲気: 柳昇一門会2024「春風亭小柳枝トリビュートの会」@北とぴあ

2024-11-19 08:08:38 | 落語

友人にお誘いいただき、柳昇一門会に行ってきました。2日間のイベントですが、私らが出かけた2日目は、「小柳枝トリビュート」がテーマ。入門レベルの私は、柳昇師匠も小柳枝師匠も実演に接するには時すでに遅しですが、今は亡き師匠や兄弟子への想いが一杯に詰まった、アットホームなとっても良い雰囲気の落語会でした。

演目は小柳枝師匠が好んで演じた古典ばかり。どこかで聞いたことのある噺で一杯でしたので、リラックスして楽しみました。仲入り後の、小柳枝師匠の思い出を語る座談会も、私は知らない師匠の人間像が想像できます。

演目では前半最後の鯉昇師匠の「二番煎じ」は、先日の独演会で聴いたばかりですが、相変わらずの食べる様が最高。そして、主任の柳之介師匠は人情噺の傑作「芝浜」。柳之助師匠は今春の浅草演芸ホール以来ですが、直球ど真ん中の速球を投げおろす正統派の風格を感じる芸は流石です。物語の世界にぐいっと引き込まれました。

一門会、とっても良いです。


<主任の柳之助さん終演後、一門集合>


<昔昔亭A太郎師匠は「写真撮ってください」とのこと>

 

柳昇一門会2024「春風亭小柳枝トリビュートの会」
開催日2024年11月8日金曜日
開演時間18:45
会場北とぴあ 3階 つつじホール

【御案内】瀧川鯉朝
瀧川鯉三郎「権助魚」
昔昔亭A太郎「堀の内」
昔昔亭桃之助「時そば」
春風亭傅枝「粗忽長屋」
瀧川鯉昇「二番煎じ」
仲入り
トークコーナー「俺たちが知ってる小柳枝の横顔」
(瀧川鯉昇/春風亭笑好/春風亭愛橋/柳亭芝楽/瀧川鯉橋/春風亭柳雀/春風亭昇也/春風亭昇市)
春風亭昇吾「狸札」
春風亭昇乃進「雑排」
春風亭柳好「野ざらし」
春風亭柳之助「芝浜」

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渋谷らくご10周年記念興行 最終日最終公演に行ってきた

2024-11-14 12:27:31 | 落語

シブラク10周年記念興行最終日最終公演に伺いました。

初めて行ったのが2023年8月なので、まだ1年ちょっとの通い経験しかありません。ただ、必ずしも混みあっているとは言えない公演が多いのも事実でありまして、ちょっとお先が心配になることもあるのですが、10年続けられているってホント凄いです。私自身、粒ぞろいの演者さん、高座との距離の近さ、たっぷりの時間、アットホームな雰囲気、クッション効いて座りやすい椅子と、いいとこずくめのこの渋谷らくごは大好きで、極力毎月足を運ぶようにしています。

今回は10周年記念月ということで、会場のユーロライブの出入口付近には記念のポスターや常連の演者さんたちの写真入りポスターが掲示されていたりしていて雰囲気を盛り上げてました。私も今回は気合を入れて、前売り券を買って、最前列に座りました。

最終日最終公演は小痴楽師匠、文蔵師匠、いちかさん、吉笑さんという豪華メンバー。いちかさんの講談は初めてですが、その発声の気持ちよさ、表情の豊かさ、話の盛り上げ方などなど流石です。真面目な正直者が報われるお話ですが、涙を誘われました。

主任は来年6月の真打昇進が決まっている吉笑さん。「カレンダー」は彼の新作ものとしては結構定番ものという話を聞いたことがありますが、私は初めて。マシンガントークに乗って、縦横無尽に展開するドタバタ喜劇はいつもながら聴衆を惹きつけて離しません。

小痴楽師匠、文三師匠はいつも通り楽しませて頂きました。小痴楽師匠が読書家とは聞いてましたが、都市伝説/陰謀論好きとは知りませんでした。いちかさん曰く、若ヤクザ、年寄ヤクザ、インテリヤクザの三名、それぞれ持ち味違って、最終公演に相応しい盛り上がりでした。

終演は22時15分過ぎ。2時間15分超を大いに笑ってストレス発散。これからも通いますので、よろしくです。

 

2024年11月13日 20:00~

 

柳亭小痴楽 花色木綿
橘家文蔵  千早ふる
市川いちか  報恩出席俥
立川吉笑 カレンダー

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シン・道楽亭で瀧川鯉昇師匠の独演会

2024-11-05 07:35:01 | 落語

一度、寄席で拝聴して、一度じっくり聴いてみたいと思っていた瀧川鯉昇師匠の独演会に行きました。

会場は新宿2丁目の道楽亭。初めて足を運びましたが、いっぱい詰めても30名くらいで、ちょー密空間。師匠も高座に頭ぶつけないように、天井を気にしながら上がる程です。今年の夏に先代がお亡くなり、その後を有志の方々で運営を続けておられるということで、シン・道楽亭とのこと。

来られてる方々もコアなファンのようで、顔見知り同士も多い様子。今回は私は不参加でしたが、独演会の後には、打上げがあるので、そこでお知り合いになるのかな。

落語の方は、鯉昇師匠の古典3本、十二分に楽しみました。夏の暑さがいつまでも残り、いつもなら冬ネタを取り上げても良い頃なのに、全然そんな季節感にならないから、ネタ選びも迷うなんてことも仰ってましたが、そうなんでしょうね。

前から2列目なので、師匠に手が届きそうな距離。そんな師匠のとぼけた感じで、脱力系の落語が良いです。食べたり呑んだりする所作を観て聞いてるとがこっちまで腹減ってきます。ホール落語や寄席とはまた全然違ったアットホームな雰囲気で芸を堪能させて頂きました。

今回はお初なので、打上げは遠慮しましたが、次回はお邪魔しようかな。

 

2024年10月16日@道楽亭

二番煎じ

武助馬

質屋蔵

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10月シブラクに喬太郎師匠登場!

2024-10-18 08:13:52 | 落語

喬太郎師匠目当てで、久しぶりに渋谷らくごへ。似たような人が多いらしく、会場は私には過去経験無いチケット完売の満員。整理番号順に入場が許される。開演前から熱気で満々だった。

開口一番は二つ目春風亭朝枝さんの鈴ヶ森。面長の菊之丞さんに似た雰囲気。落語も端正で正統派。今後、期待です。

続いて登場したのは二つ目の桂伸べえさん。こちらは変化球系。演目は〈広末写真集〉という新作もの。まくらでは、滑舌がもう一つでハラハラさせられたが、本題に入ると、慣れた演目なのか、のびのびと話していた。広末涼子の写真集を買った中学生とその友人や家族とのやり取りが描かれる。私の好みとしては、微妙。

休憩挟んで、真打ちの歓之介師匠が登場。今年4月下席の浅草演芸ホールで主任を務めてらした時に聞いて以来。演目は〈竹の水仙〉。さすがの真打ちの貫禄で、二つ目さんたちとは、一味もふた味も違う安定した話芸を披露頂いた。

そしていよいよ喬太郎師匠の登場。どんなまくらから入るのかと思って、固唾を飲んで見守っていたら、着座と同時に本題が始まった。いきなりで面食らったが、そんな驚きもあっという間に置き去りにして、話の世界にぐぐっと引き込む師匠の迫力が凄い。

初めて聞くシリアスな駆け落ち逃避行の物語。登場人物毎に表情ががらっと変わる。小さなユーロスペース、それも前列3列目に座っていたので目をそらす間も与えてくれない。緊張感溢れる話に没入した30分だった。

話が終わり師匠から噺の一言紹介が。円朝師匠作の「品川発廿三時廿七分」で、前後にも話がついているようだ。期待とは違った展開ではあったが、喬太郎師匠の力を見せつけられた演目であった。

 

渋谷らくご3日目

10月13日(日)17:00-19:00
「渋谷らくご」

春風亭朝枝-鈴ヶ森
桂伸べえ-広末写真集
柳家勧之助-竹の水仙
柳家喬太郎-品川発廿三時廿七分

大入り満員 

 

(付録)

久し振りに〈やしま〉を訪問。昔はセンター街の外れにあったよね。

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春風亭昇太・桂宮治「二人会」(+桂小すみ) @調布グリーンホール

2024-09-13 07:30:41 | 落語

笑点〈大喜利〉の司会、レギュラーメンバーとして夫々活躍される春風亭昇太と桂宮地の「二人会」に足を運んだ。

ただ、今回の私のお目当ては、今年のゴールデンウイークに浅草演芸ホールで初実演に接した音曲担当の桂こすみ姐さん。その時は、初めて生で聴く姐さんの三味線と唄、そして越後獅子とともに、プッチーニ「蝶々夫人」での引用部分を歌ってくれたのが感激だった。

今回は後半、トリを務める昇太さんの前に登場。越後獅子も弾いてくれたが、「蝶々夫人」についてはほんの触りだけの歌の披露だったのは残念。

一方で、今回の目玉は七・七・七・五の音律で歌われる「隅田川さえ 竿さすのに・・・」の替え歌。隅田川をナイル川、ラプラタ河に置き換え、曲も思い切って編曲した「干乾しのピラニア」をご披露頂いた。「隅田川・・・」との違いや、現場を想像させる曲と歌が素晴らしい。

昇太さんの紹介によると(落語家のコメントではあるが)「東京学芸大学出身で、ウイーン音楽大学に国費留学もされているとのこと。もともとはリュート弾き」だそうである。歌も三味線も魅力的で素晴らしい上に、差し込まれる楽器や曲の小話も勉強になる。独演会とまでは行かなくても、どっかでもっと長い時間枠でやってもらえないかしら。今後もフォローしていきたい芸人さんである。

落語の方は、前半は前座さん(春風亭昇ちく)の「初天神」に続いて宮治さん。何度か実演聴いているが、いつもながら声の張りと勢いが素晴らしい。演目は「お見立て」。

トリは昇太さん。鉄板の「笑点」ネタの枕から入って、演目は「不動坊」。昇太さんの落語はいつも手軽で、素直に聴きやすい。

今回は最前列の席を確保していたので、ホール落語と言えども、演者さんの表情もしっかり確認できて嬉しかった。

一方で、会場が大きいと動作や声も自然大きくなるので、必ずしも近ければよいというものでもないのかな、という感想もよぎる。いずれにせよ、2時間10分、たっぷり笑って帰路に就いた。今週前半、仕事でストレス続いたので、良い発散になった。「笑い」はとっても大事。

演目
初天神   昇ちく
お見立て  宮治
 お仲入り
      小すみ
不動坊   昇太

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三人会 柳亭小痴楽、林家つる子、柳家わさび @有楽町よみうりホール

2024-08-14 07:27:19 | 落語

若手真打ちによる三人会。今回のお目当ては、今春抜擢で真打昇進を果たした林家つる子さん。つる子さん聞きたさに、週末の午前中から有楽町よみうりホールへ。

開口一番では二つ目の鈴々舎美馬さん。若い女性落語家さんで、小柄で可愛らしい雰囲気の方。落語界もどんどん多様化してて良いね。

続いて、小痴楽さん。この方、生は去年8月の<しぶらく>以来ですが、NHKラジオ第1の<小痴楽の楽屋ぞめき>がいろんな落語界の裏話が面白くよく聞いてます。切れの良いセリフ回しが好き。新作なのかと思いきや、演目は古典の「堪忍袋」。おかみさんの演技が色っぽかった。

休憩挟んで、つる子さんの登場。演目は季節にぴったりの「お菊の皿」。このお話し、お菊さんが主人に仕組まれて手討ちにされたのを恨んで幽霊として出る「皿屋敷」をもとに、その幽霊お菊と町の庶民との騒動を描いた滑稽話だが、今回のつる子さんの噺は「お菊の皿」部分もかなり詳しく演じてくれた。その「皿屋敷」部分の幽霊お菊さんの怖いこと。そして、楽しんだのは、「お菊の皿」での幽霊スターとなったお菊さんの緩んだお茶目ぶりとの落差。表情や仕草で、同じ人物の変化を、面白おかしく演じるつる子さんの芸を堪能した。

そして、トリはわさびさん。わさびさんも昨年の5月浅草、9月の<しぶらく>以来。てっきり古典かと思いきや、季節感たっぷりの新作「エアコン」。新作は、過去に聞いたことがあったり、ある程度予測がつく「古典」と違って話の展開がどうなるかが分からない。聴く方も「古典」とは違う緊張感がある。今回の「エアコン」もなかなか先が読めない展開を楽しんだ。

ベテランもベテランならではの味があるが、この日のような若手真打の芸は、勢いと芸の両方が楽しめ、とっても刺激的な2時間。

終演後は交通会館の地下へ。13時過ぎだというのに、どの店も混んでてで驚いたが、水沢うどんので鶏うどんを頂く。カラっと上がった鳥のてんぷらとさっぱりとしてるが出汁の効いたうどん汁が上品でとっても美味しく満足。

2024年8月4日

 

 

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立川吉笑 真打トライアル 2024 『古典モード』 @博品館劇場

2024-07-22 07:30:18 | 落語

真打への内定は受けたものの、実際の昇進時期が決まっておらず「真打トライアル公演」が続く立川吉笑さんの独演会に足を運びました。会場は、会社の近くの博品館劇場です。新作らくごで知られる吉笑さんですが、今回はタイトル通り古典の3本立て。

ただ、この日は自虐的なまくらが最高でした。笑った、笑った。エピソードの真偽をいちいち詮索するのは野暮だし、具体的ネタのご披露はマナー違反として差し控えますが、いや~真打になるって大変なんですね。

古典の3本はもちろん聴き応えたっぷり。吉笑さんの落語は勢いと登場人物たちの活き活き度が魅力です。それぞれ作風が異なり、登場人物たちのキャラ設定も大いに違いますが、吉笑さんがそれぞれを演じ分ける表現がお見事。この方の落語は、リラックスしながらも、自然にぐーっと高座に意識が集中していくんですね。当然ながら、眠くなることは一切ありません。結局、終演は予定時刻を15分以上オーバーして、終演は21時20分頃。十二分に楽しませて頂きました。

2つ目の吉笑さんの落語を聞くのはこれが最後になりそうです。次は昇進記念公演に顔を出したいと思います。

 

(以下、写真は撮影Okの時間帯撮影のものです)

2024年7月18日 19:00~

立川吉笑 真打トライアル 2024『古典モード』

十徳
三人旅·おしくら
仲入り
妲己のお百

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7月渋谷らくごで初めて浪曲を楽しむ @ユーロスペース 

2024-07-17 07:18:24 | 落語

2ヵ月ぶりの渋谷らくご。今回は2つの収穫があった。

一つは、初めて浪曲をしっかり聴けたこと。過去に寄席で聴いたことはあったものの、落語の間のリラックスタイムみたいに捉えていて、(失礼ながら)正対して聴いたとは言えなかった。今回、会場のユーロスペースのこじんまりとして、音響良き空間、しかも前列4列目と言うこともあって、初めてガチに聴いた。

浪曲師玉川太福さん、中川みね子さん三味線による演目は天保水滸伝から「笹川の花会」。浪曲の世界では代表的な作品のようだが、私自身は予備知識は殆ど無し(登場人物の国定忠治だけ知っていた)。それでも、緊張感溢れるストーリー展開、唸らせる顛末、痺れる太福さんの低音など、想定外の感動だった。三味線と合わせて、これは簡易版ミュージカルなのね、と理解。今の時代、愛好者は減っているのだろうけど、過去から人々に好まれてきただけのことはあるのだなと納得した。

二つ目の収穫は、夏落語の効用。今回の落語は夏にかかわる噺が3つ。勢いある三遊亭兼太郎さん、確実に笑わせてくれる春風亭昇昇師匠、端正で正統派の隅田川馬石師匠と、いずれの方も私にはお初で、三者三様の芸を楽しんだ。エアコン効いたユーロスペース内と言う身体的涼しさに加えて、花火と言った夏の風物詩や夏の蔵に保管されているみかんや鯉のあらい、冷酒と言ったネタを想像しながら話を聞いていると、心理的にも涼しくなる。外は蒸し暑さで不快指数100%。暑いときには落語で避暑という新しい楽しみを見つけてしまった。

 

2024年4月14日 14:00ー16:00

三遊亭兼太郎 たがや
玉川太福、中川みね子 天保水滸伝から「笹川の花会」
春風亭昇昇  千両ミカン
隅田川馬石師匠  青菜

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柳家三三 独演会

2024-05-23 22:30:28 | 落語

柳家三三の独演会。前座さん(柳亭市好)の〈寄合酒〉に続いて、〈明烏〉と〈大工調べ〉の2本。いつもながらのキレの良い語りっぷりで古典落語を堪能。〈大工調べ〉の棟梁の啖呵はさすが三三師匠の真骨頂。45分使って、たっぷりの古典は、寄席では味わえない奥深き芸。

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渋谷らくご 5月金曜夜の部 @ユーロスペース

2024-05-18 07:53:46 | 落語

久方ぶりの渋谷らくご参戦。夜の予定が空いて、サントリーへ日フィル/カーチュン・ウォンのマーラー9番を聴きに行くか、渋谷で落語を聞くか、両極端な選択肢で結構迷ったが、笑いを取って渋谷へ。

前半戦は2つ目さんによる新作、後半戦は真打による古典、と新旧合わせたバライティに富んだプログラムとなり、とっても充実の金曜の夜となった。

信楽さんは、「落語選手権」以来。あの時も聴いた「変身」も含 めて2本。本人も言っていたが、今一つ歯切れ良くなく、コンディションよくなかったよう。

談吉さんは初めて。これまた新作だが時代設定は不明な、鶴の恩返し的な蝦女性を巡る人情噺。動作を交えた話しっぷりぐっと惹きつけられる。

百栄さんは久しぶり。独特の、まったりした間だが、さすが真打ち。前半たっぷり15分使ったまくら(NHKアナウンサのインタビュー今・昔)と後半は道具屋。

トリの菊之丞さんは1年前に浅草で一度聴いて以来。改めて、柔らかく美しい話口と所作には見とれてしまう。洗練された名人芸を感じる。

終了は午後10時過ぎ。ちょっと遅いが、飲んで10時になるよりはずっと良い。良い週末の始まり方である。

 

5月10日(金)20:00-22:00

「渋谷らくご」

柳亭信楽-警察官/変身
立川談吉-太郎お伊勢
春風亭百栄-道具屋
古今亭菊之丞-鼠穴

来場者数 57名
#シブラク

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2024ゴールデンウイークの谷間:小すみ姐さんを初見 @浅草演芸ホール

2024-05-04 09:18:25 | 落語

ゴールデンウイークの谷間で、職場も仕事も落ち着いた1日であったので、仕事帰りに寄席へ立ち寄った。浅草演芸ホールは昨年のゴールデンウイークに訪れて以来1年ぶり。ここは、18時以降は夜間割引あって2500円で見れるのが嬉しい(19時以降は2000円)。

昨年の連休に昼の部に訪れた時は、超満員だったが、この日は平日夜とあってか、まばら。入ったときにはぱっと見30名強ぐらいのお客さんで、お席も超余裕だったので、前列3列目に陣取り芸人さんをがん見して鑑賞。時々目が合ったりして、楽しい楽しい。

真打さんたちの落語は夫々、芸分違って楽しめたが、今回の掘り出しは初実演鑑賞の桂小すみさん。三味線、唄、踊りを披露頂いたのだが、夫々素晴しかった。個人的に嬉しかったのは、冒頭に「越後獅子」を三味線に唄をつけてくれたのだが、その後にこの曲がプッチーニの〈蝶々夫人〉での引用されていることを、実演付き(本当のイタリア語の歌詞だったかどうかは分からなかったけど、それっぽかった)で解説。〈蝶々夫人〉にいくつも日本民謡が使われているのは知ってはいたし、聴いてもいたのだが、こうやってオリジナルと比較なんてなかなか聴けない。この方、歌声も本当に綺麗で、安定している。加えて、この日は〈奴さん、姐さん〉の舞つきで、いろんな芸を満喫させてもらった。ちょっと、これから追っかけてみたい。

トリは、初めて聞く春風亭柳之介さんの〈付き馬〉。通りの良い声に、歯切れのよい話しっぷりだ。男前の風貌で、こちらも十二分に楽しませてもらった。

良い、連休の中日であった。

 

2024年4月30日

 

(夜の部 途中から)
瞳ナナ マジック
昔昔亭桃太郎 結婚相談所
春風亭笑好 動物園
ねづっち 漫才
三遊亭遊馬 転失気
柳亭楽輔 風呂敷
桂小すみ 奴さん姐さん
春風亭柳之介 付き馬

 

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