来週の東響オペラシティ定期の第九が演奏会締めのはずだったのですが、出張が入ってしまい、本演奏会が今年最後となりました。ラフマニノフのピアノ協奏曲2番とドヴォルザーク交響曲第9番「新世界から」を揃えた名曲プログラムです。
初めて聴くグリンカ/歌劇「ルスランとリュドミーラ」序曲で、豪華で威勢の良く始まります。序曲に続いて演奏されたラフマニノフのピアノ協奏曲第2番のソリストは河村尚子さん。私には2017年6月のパーヴォ/N響との共演でのサンサーンス以来。5年ぶりに拝見する河村さんでしたが、落ち着いて堂々とし貫禄すら感じるステージ姿は、以前の記憶と異なった印象でした。
演奏については、私自身ステージ奥P席からのピアノ協奏曲の聴き方が未だ慣れず、どうしても間接的に音を追いかけている感じが抜けないので、何ともコメント難しいのですが、全般に重めのしっとりした演奏に聴こえました。近くにいるオケの演奏の方がダイレクトに聴こえてくるのですが、管弦楽の厚いハーモニーの素晴らしさが印象的で、逆にピアノとのバランスとかはちょっと判断つかずです。
後半のドヴォルザーク。交響曲を代表するような有名曲ですが、ルイージ、N響のコンビで聴くこの曲はまた一味違って聴こえます。各パートの聴かせるソロと美しく迫力の合奏が相まって、聞き惚れるというのが相応しい。第2楽章のコーラングレのソロが池田さんで無かったのは少々がっかりでしたが、十二分に美しい調べですし、至る所で現れる金管陣の勢いある咆哮はP席からも痺れます。改めて、良い曲だなと再認識した次第です。民族色は抑えて音楽性を前面に出したルイージさんの熱い指揮とそれに応えたN響奏者に「ブラボー」です。このところ仕事上で思うようにいかないことが連発し沈んでいたのですが、一杯の元気を貰いました。
今年最後の演奏会をしっかり〆て頂き感謝です。ルイージさんとN響、来年も大いに期待しましょう。
第1973回 定期公演 Bプログラム
2022年12月15日 (木) 開演 7:00pm
サントリーホール
グリンカ/歌劇「ルスランとリュドミーラ」序曲
ラフマニノフ/ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18
ドヴォルザーク/交響曲 第9番 ホ短調 作品95「新世界から」
指揮 : ファビオ・ルイージ
ピアノ : 河村尚子
Subscription Concerts 2022-2023Program B
No. 1973 Subscription (Program B)
Thursday, December 15, 2022 7:00pm [ 6:20pm ]
Suntory Hall
Program
Glinka / Ruslan and Lyudmila, opera – Overture
Rakhmaninov / Piano Concerto No. 2 C Minor Op. 18
Dvořák / Symphony No. 9 E Minor Op. 95, From the New World
Artists
Conductor:Fabio Luisi
Piano:Hisako Kawamura