ホテルで1時間ほど昼寝して、万全の体調でコンサートホールに向かう。
楽友協会大ホール。まさに世界のクラシック音楽の殿堂たるオーラが、建物の内外に満ち溢れている。いよいよ聖地に足を踏み入れるのだ。ホールに向かう階段や廊下を歩くときはは思わず、新入社員から5年間の現場仕事の経て、初めて本社に転勤となって本社ビルに足を踏み入れたときの緊張感を思い出した。幾何学模様の美しいのホワイエの天井が印象的。
中に入るとそこには西洋版金色堂があった。まさにピカピカ。天井にはギリシャ神話の神々だろうか?人間離れした人たちの絵が描かれ、壁には誰かはわからないが彫像が囲んでいる。これが楽友協会大ホールかと思うと感慨も一潮だ。やっと、ここに来れた。しかもウィーンフィルのコンサートだ。思わず、写真を撮りまくる。日本人老若男女のクラシックファンも相当数いた。みんな、うれしそうにシャッターを切っている。そりゃ、うれしいに決まっている。
演奏も素晴らしいものだった。開演前は私なりの不安があった。ラストのプロコフィエフを除いては、生どころかCDですらも聴いたことが無い曲ばかり。それも、比較的現代ものばかりの選曲はどうもウイーンフィルのイメージとも合わない。どうせなら、コテコテの古典派やロマン派のプログラムが良いのにと思った。ただ、指揮は日頃からLSOで聴いているゲルギー、そしてヴァイオリンはロンドン、ザルツブルグでも聴いたスナイダー。一番お気に入りのヴァイオリニストなのが救いだった。
一曲目はフランスの作曲家アンリ・デュティユー(Henri Dutilleux)の曲。結局3曲の中でも最も現代モンぽかった。耳に馴染むどころか、思わず耳をふさぎたくなるような不協和音の連続。でも、これだけ耳に馴染みにくい音楽を素晴らしい演奏に纏め上げるのはWPOの力と言わざる得ないだろう。バランス、ハーモニーいずれも巣晴らしかった。ただ、ちょっと観光の聴衆にはつらかったのか、拍手は1回きりのカーテンコールだった。
二曲目はエルガーのヴァイオリン協奏曲。ここでは、スナイダー君のヴァイオリンが炸裂。第1楽章の迫力、第2楽章の繊細さと優しさ、第3楽章は集大成。素晴らしい演奏でした。WPOとの呼吸もピタリでした。ただ、これは曲自体が長すぎた。初めて聴く人が多いと思われるこの曲で、40分クラスの演奏時間は正直、聴くほうは集中力が途切れます。第一楽章で終わりかと思って拍手した人も何人もいたし。ちょっと、疲れちゃうのが難点。
メインはプロコフィエフの交響曲第5番。これも素晴らしい演奏。揃った弦、自己主張しながらも全体の調和を決して乱さない金管が、合わさって素晴らしい迫力演奏。第2,4楽章のバレエ音楽風の音楽がとても気に入った。ゲルギーはLSOよりもかなりアクションが派手で、変幻な動きで音楽を作っていた。いつもと結構違うので、意外だった。
満足感一杯で会場を後にした。コンサートでの熱気で熱を発している頬に夜風がなんとも心地よい。夜のライトアップした楽友協会もまた美しい。
2010年5月28日
≪ウィーン旅行シリーズ≫
(1)ウィーン旅行(その1) 百像の街
Freitag, 28. May 2010
19:30 - Großer Saal
End: approx. 21:40
Artists:
Wiener Philharmoniker
Valery Gergiev, Dirigent
Nikolaj Znaider, Violine
Program:
Henri Dutilleux
"Mystere de l´instant"
Edward Elgar
Konzert für Violine und Orchester h - Moll, op. 61
-------- Break --------
Sergej Prokofjew
Symphonie Nr. 5 B - Dur, op. 100
楽友協会大ホール。まさに世界のクラシック音楽の殿堂たるオーラが、建物の内外に満ち溢れている。いよいよ聖地に足を踏み入れるのだ。ホールに向かう階段や廊下を歩くときはは思わず、新入社員から5年間の現場仕事の経て、初めて本社に転勤となって本社ビルに足を踏み入れたときの緊張感を思い出した。幾何学模様の美しいのホワイエの天井が印象的。
中に入るとそこには西洋版金色堂があった。まさにピカピカ。天井にはギリシャ神話の神々だろうか?人間離れした人たちの絵が描かれ、壁には誰かはわからないが彫像が囲んでいる。これが楽友協会大ホールかと思うと感慨も一潮だ。やっと、ここに来れた。しかもウィーンフィルのコンサートだ。思わず、写真を撮りまくる。日本人老若男女のクラシックファンも相当数いた。みんな、うれしそうにシャッターを切っている。そりゃ、うれしいに決まっている。
演奏も素晴らしいものだった。開演前は私なりの不安があった。ラストのプロコフィエフを除いては、生どころかCDですらも聴いたことが無い曲ばかり。それも、比較的現代ものばかりの選曲はどうもウイーンフィルのイメージとも合わない。どうせなら、コテコテの古典派やロマン派のプログラムが良いのにと思った。ただ、指揮は日頃からLSOで聴いているゲルギー、そしてヴァイオリンはロンドン、ザルツブルグでも聴いたスナイダー。一番お気に入りのヴァイオリニストなのが救いだった。
一曲目はフランスの作曲家アンリ・デュティユー(Henri Dutilleux)の曲。結局3曲の中でも最も現代モンぽかった。耳に馴染むどころか、思わず耳をふさぎたくなるような不協和音の連続。でも、これだけ耳に馴染みにくい音楽を素晴らしい演奏に纏め上げるのはWPOの力と言わざる得ないだろう。バランス、ハーモニーいずれも巣晴らしかった。ただ、ちょっと観光の聴衆にはつらかったのか、拍手は1回きりのカーテンコールだった。
二曲目はエルガーのヴァイオリン協奏曲。ここでは、スナイダー君のヴァイオリンが炸裂。第1楽章の迫力、第2楽章の繊細さと優しさ、第3楽章は集大成。素晴らしい演奏でした。WPOとの呼吸もピタリでした。ただ、これは曲自体が長すぎた。初めて聴く人が多いと思われるこの曲で、40分クラスの演奏時間は正直、聴くほうは集中力が途切れます。第一楽章で終わりかと思って拍手した人も何人もいたし。ちょっと、疲れちゃうのが難点。
メインはプロコフィエフの交響曲第5番。これも素晴らしい演奏。揃った弦、自己主張しながらも全体の調和を決して乱さない金管が、合わさって素晴らしい迫力演奏。第2,4楽章のバレエ音楽風の音楽がとても気に入った。ゲルギーはLSOよりもかなりアクションが派手で、変幻な動きで音楽を作っていた。いつもと結構違うので、意外だった。
満足感一杯で会場を後にした。コンサートでの熱気で熱を発している頬に夜風がなんとも心地よい。夜のライトアップした楽友協会もまた美しい。
2010年5月28日
≪ウィーン旅行シリーズ≫
(1)ウィーン旅行(その1) 百像の街
Freitag, 28. May 2010
19:30 - Großer Saal
End: approx. 21:40
Artists:
Wiener Philharmoniker
Valery Gergiev, Dirigent
Nikolaj Znaider, Violine
Program:
Henri Dutilleux
"Mystere de l´instant"
Edward Elgar
Konzert für Violine und Orchester h - Moll, op. 61
-------- Break --------
Sergej Prokofjew
Symphonie Nr. 5 B - Dur, op. 100