その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

コンサート関連写真 エディンバラ・インターナショナル・フェスティバル BBCSSO/マーラー交響曲第2番 

2011-08-29 21:35:39 | 旅行 海外
 昨夜のドナルド・ラニクルズ指揮BBCスコティッシュ交響楽団(BBCSSO)演奏によるマーラー交響曲第2番のコンサートの関連写真をアップします。

 ※コンサートの感想はこちら→

 会場のアッシャー・ホール外観。1914年竣工の歴史的建物。オペラハウスのようです。


 アッシャー・ホール内。白を基調にした壁、ステージ後ろのオルガンが、重厚な雰囲気を醸し出します。




 コンサート終了後。凄い拍手でした。


 前列は左からMeagan Miller(ソプラノ)、Karen Cargill(メゾ・ソプラノ)、Donald Runnicles(指揮)、Christopher Bell(合唱指揮)。


 Donald Runniclesもまずまずといった表情。


 夜のホールも昼間とは違った美しさがありました。


 2011年8月28日公演
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BBCスコティッシュ交響楽団/ マーラー交響曲第2番 (エディンバラ インターナショナル フェスティバル)

2011-08-28 23:49:43 | コンサート (in 欧州)
クリスマス前最後の連休を利用して、フリンジ・フェスティバルとインターナショナル・フェスティバルの2つが開催中のエディンバラへ来ている。今夜は、そのインターナショナル・フェスティバルのプログラムである、ドナルド・ラニクルズ指揮BBCスコティッシュ交響楽団(BBCSSO)演奏によるマーラー交響曲第2番を聴きに出かけた。

素晴らしい熱演だった。この曲は、今月、プロムスでドゥダメル指揮、シモン・ボリバル交響楽団で聞いたばかりなのだが、シモン・ボルバル響が若者らしい真摯な情熱に溢れた演奏だったのに対して、今夜は対照的に、成熟した大人の情熱が感じられる演奏だった。

全曲を通じてドナルド・ラニクルズの強烈なリーダーシップが印象的だった。剛と柔、明と暗を明確に浮き上がらせた指揮ぶりで、劇的な音楽つくりだった。特に盛り上げどころでの体全体を使った炸裂の指揮ぶりはすさまじく、狂気すら感じるほど。楽団もよく応え、情熱的な演奏を聴かせてくれた。失礼ながら、知名度ではロンドンのオーケストラに遥かに劣るスコットランドのオーケストラからこんな演奏が聴けるとは思いもしなかった。

独唱、合唱も素晴らしかった。特にMeagan Miller (ミーガン・ミラー)のソプラノはホールを貫く美声。メゾのKaren Cargill (カレン・カーギル)も良かったが、ちょっとこのロールには声が太すぎやしないかと思った。コーラスは、かなり平均年齢が高そうな合唱団だが、ホール一杯に響く音は天からの声だった。

また、アッシャーホールの音響の良さには驚かされた。1914年完成のこのホールは、ロンドンにある現代型ホールと違い、アムステルダムのコセントへボウに少し似た、歴史的香りがするホールである。舞台正面後方にオルガンが備えられ、独特の風格を感じさせるが、音響の方も素晴らしかった。オケの音、コーラスの声がバランスよく反響する。

残念だったのは、僕でもわかる金管のミスが数回、それも大事なところ(例えば第4楽章の合唱が復活の賛美を歌う直前のファンファーレのパート)で出てこと。気合を入れて聴く、聴き所であるだけに、聴く方もかなりずっこけた。正直、きっと指揮者的には切腹を申し渡したくなるミスが幾つかあったに違いない。

しかし、そうした個人のミスを十分補って余りある全体として充実した演奏だった。わざわざエジンバラまで来た甲斐があったと心底思った。会場も凄い拍手だった。

写真は戻りしだいアップします。

29 August 2011, 20:00
Usher Hall

BBC Scottish Symphony Orchestra
Donald Runnicles Conductor

Meagan Miller Soprano
Karen Cargill Mezzo soprano

Edinburgh Festival Chorus
Christopher Bell Chorus Master
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セント・オールバンズ(セント・オルバンズ?)街歩き

2011-08-27 00:44:38 | 旅行 海外
 いろんな人から勧められたロンドン近郊の町セント・オールバンズ(St Albans)を訪ねました。今年1月に10マイルロードレース参加の際に(こちら→)、行ってはみたものの、散策する時間は取れなかったので、もう一度行きたいと思っていたところです。ロンドンの真北に位置し、ロンドン中心部から40キロ程度、電車ならセント・パンクラス駅から20-30分で着きます。私は自宅から車で30分弱かけて行きました。

【Verulamium Park(ヴェルラミアム公園)】
 セント・オールバンズの市民の憩いの場ヴェルラミアム公園の駐車場に車を停めたのでそこから観光スタート。日曜日の朝だったこともあり、犬の散歩に来た市民の人をちらほらと見かけるだけで、広大な緑の敷地を池に沿って歩くのは、なんとも贅沢かつ爽快な気分です。人の少ない緑が一杯の大きな公園を歩く時というのは、イギリスを一杯感じる一ときです。



セント・オールバンズは、ローマ支配の時はローマ人の町であったのですが、この公園内には、わずかにその際の市壁が残っています。さすがに、ハドリアヌスの壁(→こちら)と比べるとおもちゃのようですが、それでもローマ時代の壁が残っているのを見るのは、想像力を刺激してくれます。



【公園〜街の中心部へ】
公園から街の中心部に向けた街並みが雰囲気があって、素敵です。

例えば、公園の出入り口付近にひっそりと佇むパブ。気をつけていないと取り過ぎてしまいそうな古家ですが、イングランドの中でも一番古いパブの一つだそうです。なんてたって、あのオリバー・クロムエルが1泊したパブですから。

(表から見るとそれなりに大きいのですが・・・)


(パブの云われ)


町に向かう路地には、こじんまりとしているものの、綺麗に手入れがしていある家が立ち並び、コッツウオルズと言われれば、そのまま通りそうな道があります。連れが、高く伸びたひまわりに可愛い飾りを見つけました。

 

そして、その先には街一番の教会、セント・オルバンズ・カセドラル。日曜日の午前中でミサ中でしたので、中には入ってませが、外観だけでも壮観です。





(教会沿いの道)


【街中心部】
公園から街の中心部の入り口にはクロックタワーがそびえています。上まで上れるそうです。そして、メインストリートには、おしゃれなCafeやパブ、お店が軒を並べています。まだ開店前の店が多かったですが、歩いているだけでも楽しいです。喫茶店で、朝刊を広げる地元の老夫婦や若い人に交じって、紅茶を一杯頂きました。



【ワッフル・ハウス】
そして、最後は名物ワッフル・ハウスで。これは、公園の西側の外れにあります。何故か、ここだけ人で一杯でした。日曜日のお昼時ということもあってか、教会帰りの家族連れや観光客風の人たちが、席に着くのに行列を作っている程です。天気もよかったので、ガーデンテラスでの食事が楽しそう。ただ、我々は、早く着席できる屋内のテーブルに着きました。ワッフルはデザートしても、食事としてのメニューがあります。私は、その日のお薦めメニューである、スモークサーモンにワッフルという品を頂きました。食感の軽い、食べやすいワッフルでした。







多くの人が、「ちょっと手軽にイングランドの街を楽しみたいならセント・アルバンズがお勧め」というのが、よく分かりました。落ち着いていて、ちょっとお洒落で、雰囲気いい街です。まだの方は、是非、一度訪ねてみてください。


ワッフルハウスのHP→
2011年8月14日 訪問
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突入 バッキンガム宮殿

2011-08-26 00:07:31 | ロンドン日記(イベント、観光、スポーツ)
 毎年、夏の間だけ公開されるイギリスの君主エリザベス女王の仕事場でもあり家でもあるバッキンガム宮殿。今年は7月23日から10月3日までが公開期間です。全部で600程もある部屋のうち、ごく一部の20前後の部屋の見学ではあるのですが、ロンドンに居るからには一度は行っておきたいということで、クイーンズギャラリー訪問の後、訪れました。



 外見はそれほど派手ではないですが、中はさすが大英帝国の君主のお住まい。フランスの宮殿のような、キラキラ、ゴテゴテ感はなくとも、格式ある豪華壮麗さには圧倒させられます。(残念ながら、撮影禁止)

 特にギャラリールームにあるすばらしい絵画や、音楽の間の天井の装飾の美しさには目を奪われました。ギャラリールームにはクイーンズギャラリーには置いてなかったフェルメールも発見し、うれしさ倍増。

 更に、今年の目玉は、5月のロイヤルウエディングの品々を飾った特別展。ウエディングケーキや靴、そしてケイトさんのウエディングドレスも展示してありました。ドレスはとっても腰廻りが細く、びっくり。シューズの方は予想通り大きかったけど。。。

 もうひとつ、Royal Fortegeという特別展を実施していたのですがこれも凄いの一言。ここには、ロシアの宝石商カール・ファベルジェから集めたロイヤル・コレクションが暗室の中に展示してあります。暗い展示室の中でスポットライトがあたった宝石の美しいこと。宝石には何の興味・関心がない私のような人でも、思わず見入ってしまうほどです。これらがすべて、皇室コレクションということに、ため息が出ざるえません。日本の皇室にどれだけのコレクションがあるのか知りませんが、こんなものをこんなに持っている国と戦争したって、負けるわけだわなあと改めて納得です。

 入場券の中に含まれる音声ガイドと一緒に回っていると、あっという間に2時間近く経ってしまいます。屋外に出ると、また美しい庭園があります。こんなロンドンのど真ん中にこんな別世界があるとは、全然知りませんでした。





 「今更、バッキンガム宮殿?」と言わず、おのぼりさん気分で、ぜひ、見に行きましょう!

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バッキンガム宮殿 クイーンズ・ギャラリー訪問

2011-08-23 22:02:12 | ロンドン日記(イベント、観光、スポーツ)
 今年の夏は特に長期の旅行予定はなく、単発でロンドンやロンドン近郊の町を訪れるようにしています。 先日は、バッキンガム宮殿のクイーンズギャラリーとエリザベス女王が不在になる夏季のみオープンするステート・ルーム(State Rooms)に行ってきました。

【チケット】
 宮殿入口のチケット売り場でも購入可能なようですが、並ぶのを避けるためには事前にネットで購入したほうが時間の節約になると思います。クイーンズ・ギャラリーやバッキンガム宮殿それぞれの単独チケットのほかに、クイーンズ・ギャラリー、バッキンガム宮殿、Royal MEWS(皇室の厩)がセットになったチケットもあります。私は、ギャラリーと宮殿に行きたかったのですが、それぞれを個別に買うより、Royal MEWSとのセット券のほうが割安だったので、セットチケットを購入しました。

 ※チケットはこちらから→

【クイーンズギャラリー】

 なんていったて王室コレクションですから、ものすごい貴重なコレクションが並んでいます。時期によって企画が変わり、展示作品は都度大きく変わるようです。

 今年の夏季シーズンはオランダ風景画の企画展を実施中です。残念ながら、個人的にオランダ風景画には特段興味があるわけではないので、スーッと通して軽く鑑賞。オランダの風景画ばかりを2部屋に渡って何十枚と見せられても、私にはどれもが似たように見えてしまいます。

 もうひとつの企画は「神話と摂政時代(Mythology and Regency)」というテーマで、ロイヤルコレクションの中から神話を扱った絵画と収集家でもあったリージェント皇太子(後のGeorge4世)のコレクションが展示されていました。レンブラント、デューラーなどの有名どころの絵が並んでいます。

(撮影禁止のはずなのですが、結構皆ばしばし撮ってました。係りの人も注意せず。私も1枚だけ)


 絵画のほかにも、眩いほどのダイヤモンドがちばめられた装身具や金ぴかの皿、精巧な陶器なども並んでいました。一つ一つの展示品が、正真正銘の一級のものであることは、素人が見てもよく分かります。イギリス王室のすばらしいコレクションとその後ろにある富にため息が出るばかりです。

 ただ、ギャラリーそのものは期待したほど大きくありませんでした。そしてその半分近くが、企画展のオランダ風景画で占められていたのは少し残念でした。また、目当てのひとつであったフェルメールの絵も無かったので、これにはかなりがっかりでした(ただし、これはこの後、バッキンガム宮殿内で発見)。というわけで、展示品そのものの素晴らしさは痛いほど分かったものの、今回の展示は、私としては多少欲求不満が残った中での退室となりました。
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スコットランド ハイランド旅行 (最終回) 魔の谷 グレンコー

2011-08-20 10:36:39 | 旅行 海外
 ジョコバイト号でフォート・ウイリアムに戻ると、復路便の出るグラスゴー国際空港まで再びルートA82に沿った100マイルのドライブになります。その途中に、予期しなかった素晴らしいスポットがありました。フォート・ウイリアムの南端にあるグレンコーと言う峡谷です。

 A82沿いにグレンコー・ビジター・センタに立ち寄ると、センタの裏手が見晴らし台になっていて、目前に峡谷が迫ってきます。生憎、お昼前後から雨が降り出した天気でしたが、靄のかかった山々の頂きや尾根は岩がむき出しとなっていて、長い年月をかけて水に削り取られたと思われる山筋が、荒々しく迫ってきます。映画「ブレーブハート」のロケに使われたというのも良く分かります。時間があれば、ビジターセンターの周辺にもFoot Pathが整備されているので、ハイキングが楽しめるようですが、今回は時間もないのでパス。A82のドライブに戻りました。

(ビジターセンター入り口)


(見晴らし台からの風景)






 それから数10キロはこのグレンコーの素晴らしい景観のど真ん中のドライブになります。こんな地球むき出しの風景は学生時代グレイハウンドバスで米国横断旅行をした際に、アリゾナ州、ニューメキシコ州、ネバタ州の砂漠や峡谷を見て以来で、ただただ感嘆するばかりです。所々に、見学用の駐車エリアがあるので、何度か車を停めてはその風景を堪能しました。

(疾走するオートバイが格好いい)


(天気が良ければ車のCMに使えそう)




 そして、この峡谷を抜けるとまた予期せぬ風景が飛び込んできました。山々はないのですが、見渡す限り、荒野とも呼べないような、岩と土と水だけがそこにある、地球という星の表面なのです。雨も降っていて見晴らしが良くないのが、かえってこの生命感のない、無機質な風景に不気味さを加えます。車の中の3名揃って、ただただ感嘆するばかりでした。

(車の中からの助手席の友人が撮ってくれた風景)








 フォート・ウイリアムを出て、3時間弱のドライブでグラスゴー国際空港へ到着。2日間にしては盛りだくさんに詰め込んだハイランドツアーでしたが、満足度120%の旅行となりました。

 2011年7月31日


※グレンコーのビジターセンターのHP→
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スコットランド ハイランド旅行 (3) ウエスト・ハイランド鉄道ジャコバイト号に乗る

2011-08-18 17:37:02 | 旅行 海外
 2日目は、私としてはこの旅行のハイライトであるウエスト・ハイランド鉄道ジョコバイト号への乗車です。ウエスト・ハイランド鉄道は、フォート・ウイリアムとマレイグ間の68Kmの路線ですが、その山間や湖の風景の素晴らしさで有名です。そして風景だけでなく、ジャコバイト号と言う蒸気機関車が今でも走っており、鉄道ファンには憧れの列車として知られているそうです(「地球の歩き方 スコットランド」)。昨年、ロンドン近郊でのブルーベル鉄道の蒸気機関車体験ですっかり蒸気機関車の魅力にハマった私(こちら→)は、このイギリス一有名と言ってもいいこの機関車路線を経験してみたいと思っていました。



(入線したJacobite号)


(路線絵地図。1ポンド)


 夏の観光シーズンでもあり、列車は満員でした。蒸気機関車なので、スタートはゆっくり、ゆっくり、そして段々と加速していきます。車窓からは、如何にもハイランドというような山々が近づいて来るのが見えます。

(車内の様子)


(山々が近づいてきます)


 発車40分後ぐらいだったでしょうか、本路線の最大の山場のグレンフィナン高架橋(Glenfinnan Viaduct)に差し掛かります。この高架橋は高さ30m、長さ381mに及ぶ弧を描いており、映画「ハリーポッターと秘密の部屋」にも登場したそうです。橋が近づくと、その姿を写そうと観光客は一様に、座席やデッキの窓から頭とカメラを出して、待ち受けます。381mとは言ってもあっという間に通過してしまいますが、機関車の吐く白い蒸気、歴史を感じさせる橋、そしてバックの緑に彩られた山々が組み合わさった美しい風景は、網膜に焼きつくものでした。

(絵になる風景とはこのことだろう)




 橋を渡った後も、しばらく山間の風景が続き、そしてその後海(大西洋?)が見えてきます。マレイグまでは2時間弱かかりますが、風景を楽しんでいる間にあっという間に、到着します。

(山の間を潜り抜けるように走ります)




(トンネルに入ると車内は煙だらけ)


(海が見えてくると、終着駅はもうすぐです)






 マレイグはスカイ島へのフェリーが出る小さな港町です。町自体は10分も歩けば隅から隅まで歩けてしまうような規模です。なので、ここでは2時間後に折り返す汽車に乗るために、昼食休憩のみ。ただ、ここで入ったフィッシュ・マーケットと言うレストランは、とっても家族的な雰囲気のする感じの良いレストランで、頼んだクラムチャウダーのスープはホント美味しかったです。

(港の風景)


(これは美味しかった)


 そして、フォート・ウイリアムに戻るジャコバイト号に再び乗車。復路は往路ほどの興奮はありませんが、今一度、午前中の興奮を自分で確かめるように、車窓の風景をぼんやり眺めていました。

(復路は機関車は逆向きに走ります)


 2011年7月31日

 ※Jacobite号のホームページ
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スコットランド ハイランド旅行 (2)A82ドライブとネヴィス・レインジ ウォーキング

2011-08-16 19:09:57 | 旅行 海外
 インヴァネスからネス湖を経由してフォート・ウイリアムまでは、A82という国道に沿って約100キロの道程ですが、このドライブコースの爽快さは素晴らしいです。まず、南北に渡って38キロの長さを持つネス湖畔のドライブすると、ネス湖南端の山あいの美しい町フォート・オーガスタスに到着します。更に進むと、今度はLoch Lochy(ロッチー湖?)が現れ、その湖畔をイングランドでは決して見ることのないような山脈を背景にドライブが楽しめます。

(Loch Lochy沿いのドライブ風景)


  Loch Lochyを通過し、フォート・ウイリアムまであとちょっとというところに、Spean Bridgeという絶景スポットがあり、一休み。高台になった展望台は、スコットランドの名峰ベン・ネヴィス(たぶん)が南方向に見渡せます。世界大戦の戦没者を祀った無名戦士の碑も立っていますが、こんないいところで祀ってもらえれば、今は亡き戦士たちも満足に違いありません。

(Spean Bridge展望台から)


(無名戦士記念碑)


 そして、フォート・ウイリアムの主ベン・ネヴィス山の見物へ。ベン・ネヴィスはイギリスで最も高い山。とは言っても、1334mですが・・・。今回の旅程では、登山の時間は無いので、隣のAonachMor山のスキー場ネヴィス・レインジのウオーキングコースでベン・ネヴィスを眺めることにしました。ゴンドラで山頂付近(650m)まで10分ちょっとで運んでくれます。

(イギリスには数少ないスキー場)


(高速ゴンドラです)


 ゴンドラから見るハイランドの山脈の風景は日本を思い起こさせるものでした。日本の北アルプスや南アルプスの急峻に較べれば、むしろまだ緩いかも。でも、この初めてだけど、見慣れた風景は、とっても懐かしい。ゴンドラを降りて、Finnisg-aigのウォーキングパスを歩くと20分程度で、ベン・ネヴィスが間近に迫り、フォート・ウイリアムの町も一望できる絶景スポットへ。手を大きく伸ばすと、体の毒素がいっぺんに吹き飛ぶような感覚に浸れます。

(手前の出っ張り部分まで歩きます)


(ウォーキングパス)




(展望エリアからフォート・ウイリアムの町を見下ろす)


(写真だと感じが分かりにくいですが、奥の山がベン ネヴィス)



 山を下りて、フォート・ウイリアムのホテルへチェックイン。近くのパブで食事をし、ホテルに戻ってバーで地元のベン・ネイヴィス蒸留所で製造されたシングルモルト ベン・ネヴィスを頂きました。至福の時間でした。

2011年7月30日
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スコットランド ハイランド旅行 (1) ネス湖(Loch Ness)でネッシーを探す

2011-08-15 15:35:33 | 旅行 海外
 7月最後の週末にスコットランドのハイランド地方を旅行しました。私には珍しく、同僚2名と一緒の旅行です。ハイランド地方の都インバネスから、ネス湖、フォートウイリアムを経由して、グラスゴーまでを車で縦断する1泊2日の旅程を組みました。

 まずは、ヒースローから飛行機に1時間40分乗ってインバネスへ。空港で車を借りて、スタート。インバネスはハイランドの都で、マクベスのコーダー城とか立ち寄りたいスポットがあるのですが、スケジュールの都合上、ここは車の中から眺めるのみ。まっすぐ、ネス湖に向かいます。

(インバネス空港)


 ネス湖はインバネスから30分もかかりません。この日は、抜けるような青空で、気持ちのよいスタートです。まずは、ネス湖エキジビジョンセンターへ。ネス湖は小学生の時に、ネッシーの図鑑を見ては、伝説の怪獣の夢を膨らませていた自分にとっても一度は行きたい場所でした。このエキジビジョンセンターでは、ネス湖との形成から、ネッシー伝説の歩み、そして最新のネッシー研究成果などが、6つの各部屋で放映されるフィルムで紹介されます。残念ながら、科学的にはネッシーの存在の証明は難しいようです(あの有名な写真も偽物だったらしい)が、ネッシーは西暦565年にセント・コロンバの怪物退治から始まって、現代に至るまで様々な探検、探求が行われたことにロマンを感じます。

(マナーハウスを改造した建物です)


 エキジビジョンセンターの後は、ネス湖畔の廃城アーカート城へ。1230年の築城で、1296年にエドワード1世率いるイングランド軍に破壊されたとのことです。青空とネス湖を取り囲む山の木々の緑、そしてネス湖水の濃いグレーのコントラストが鮮やかです。タワーに上って、ネス湖を眺めると、静かな水面が彼方まで広がっています。持参した双眼鏡でネス湖探し。ただ、この日はあまりにも天気が良すぎて、どう見てみてそんな怪獣の気配はありませんでした。

(アーカート場とネス湖)




 





 湖畔まで降りると、思いのほか風が強く、小さい波が寄せては引いていきます。水はびっくりするような冷たさではありませんでしたが、ひんやり。ここでも双眼鏡で水面を追いましたが、残念ながらネッシーは発見できず。石をひっくり返すと、川かにのような小さな微生物が動いていましたが、全般的は、生命感の溢れるというようよりは、孤独、厳しさが似合う湖でした。



 アーカード城内も、草地の緑、城のグレー、空の青が美しいコントラストで、歩いていて楽しいです。当時の様子に思いを馳せると、まさに「夏草や 兵どもが 夢の跡」という句が場所こそ違え、ぴったりです。

 アーカード城を出て、次はネス湖畔沿いに車を走らせ、この日の目的地フォート・ウイリアムスへ向かいます。

(湖畔のドロムナドロケットで昼食)
 

(つづく)
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ロンドン チャイニーズ レストラン Loon Tao (龍島 粥麺小菜館)

2011-08-12 21:02:31 | レストラン・パブ (in 欧州)
 同僚5人で出かけたチャイナタウンの中華料理屋Loon Tao (龍島 粥麺小菜館)。特段調べて行ったわけではなく、なりゆきで入ったお店です。チャイナタウンの目抜き通りをピカデリーサーカス側から入ってすぐの右手にあります。

 この日は手軽なコース料理を頼んだのですが、まずまず美味しかったです。ただ、注意は北京ダック。コースの中に入っていたのですが、出てきたのは北京ダックどころかクリスピーダック。「舐めんじゃねぞ~」ということで抗議をすると、その皿が引っ込んで10分後に出てきたのは、本当の北京ダック。中国人とのビジネスは要注意です。

 その他の料理が美味しかっただけに、この1件はとっても残念。こういうことをするお店には2度と来ません。

 ※お店のレビューページはこちら→
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プロムス ギャラリー席へ突撃

2011-08-12 20:32:13 | コンサート (in 欧州)
7月にプロムスの同日券アリーナを経験した(こちら→)ので、次回は同日券のギヤラリー席を試したいと思っていたのですが、仕事が早めにケリがついたこの日、ギャラリーにチャレンジしました。

この日の前売り券は完売だったためか、私が開演15分ぐらいまえに会場に到着した時は、当日券を求める長い列がまだ出来ていました。列が長かったので、開演に間に合わないのではないかとハラハラしたのですが、ギリギリ5分前にようやく列の先頭にたどり着き、5ポンド払って、入場。今回のチケット番号は391番でした。

急いで5階分の階段を駆け上ってギャラリーへ到着。最上階から見下ろすアルバートホールは壮観です。既に先行入場者組みが、手すり寄りのいいところは抑えられています。グループでビール宴会中のグループ、床に座って本を読む人、寝ている人などなど、いろんな人がいるのが興味をそそりました。私は、舞台の正面左側で、床に座ったままで聞こうとしている雰囲気のお姉さんたちの後ろに陣取りました。

(ギャラリーからの眺め。椅子席は満員)


(ギャラリーで開演を待つ人たち)




(このお姉さんの後ろに陣取り)


この日はフランスもののプログラム。最初のドビッシーの「牧神の午後への前奏曲」が美しい音楽が始まると、予想以上に音が良く聴こえるので驚きました。3曲目の「ボレロ」、最後の「ダフニスとクロエ」ともに、管楽器(特にフルート)の響きが美しかったし、また「ダフニスとクロエ」は(平均年齢は高そうだったけど、)美しいコーラスで、映像が目に浮かぶような合唱とオーケストラの共演でした。

しかし、難儀したのは暑さ。ホールの最上部のためか、会場の熱気がすべて上昇してきたのかと思うほど蒸し暑い。サウナにいるのかと思ったほど。ただ、この点を除いては、5ポンドと言う素晴らしいコストパフォーマンスに大満足。当日券のアリーナとギャラリーどっちがいいかと言うと、私は気楽に思い思いに楽しめるギャラリーかな?

(拍手に応えるDonald Runnicles)





Prom 26: Debussy, Dutilleux & Ravel

Wednesday 3 August
7.30pm – c. 9.55pm
Royal Albert Hall

Debussy: Prélude à L'après-midi d'un faune (8 mins)
Henri Dutilleux: 'Tout un monde lointain...' (27 mins)
J. S. Bach: Suite for Solo Cello No. 3 in C major, BWV 1009 - No. 5 Bourées 1 & 2 (3 mins) (encore)
Ravel: Boléro (15 mins)
INTERVAL
Ravel: Daphnis and Chloë (50 mins)

Lynn Harrell cello
Edinburgh Festival Chorus
BBC Scottish Symphony Orchestra
Donald Runnicles conductor
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シェイクスピア・グローブ座 『お気に召すまま』

2011-08-11 01:45:57 | ミュージカル、演劇
 シェイクスピア・グローブ座へ「お気に召すまま」を見に行きました。「お気に召すまま」は、一度は見てみたいと思っていた作品です。

 脚本を読んだ時から(日本語ですが・・・)、舞台では、男装役で活躍する追放された公爵の娘ロザリンドがどんな人がどんな演技をしてくれるのかが楽しみで一杯でした。

 夏休み真っ盛りのグローブ座は観光客を中心に今日も満員で、いつもながらですが、観客の期待感が劇場から溢れるばかりに満ちていて、自然と気持ちが高揚します。この劇場の持つ魔力にはいつも驚かせられます。

 

 そして、期待のロザリンドですが、Jo Herbertという女優さんでしたが、美眉秀麗な美男女優さんでした。演技のほうも、ちょっとやりすぎではと思うほど男っぽくて力強い演技でした。個人的にはちょっと力強すぎて、もう少し繊細なところがあってもいいのではとも思いましたが、こちらの方が原作に忠実なのかもしれません。仲の良い従姉妹(?)で現公爵の娘シーリア役のBeth Parkとのコンビも非常に息があっていて、見ていてとても楽しいものでした。

(目の前に柱があってみにくい席でしたが、奥の山高帽を被ったのがJo Herbert)


(中央がJo HerbertとBeth Park)


 後半、陽が落ちると、劇場はグーッと冷えてきて、毛布がないと寒いぐらいですが、ハッピーエンドの結末は心を暖かくするのに十分でした。





18:30, 7th August 2011
As You Like It

Written by William Shakespeare

Creatives
Director: James Dacre
Designer: Hannah Clark
Composer: Olly Fox

Cast
Gunnar Cauthery: Orlando
Gregory Gudgeon: Touchstone
Jo Herbert: Rosalind
Ben Lamb: Silvius/Charles
John O'Mahony : Duke Frederick/Duke Senior
William Oxborrow: Oliver/Corin
Emma Pallant: Phebe/Jacques
Beth Park: Celia
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ロンドン暴動

2011-08-09 18:53:18 | ロンドン日記 (日常)
(写真はMetroのHPから)

 日本にいる方もテレビ等でごらんになった方もいるかと思いますが、6日夜から始まったロンドン各地での暴動はかなりひどいことになっています。パトカーが炎上し、お店の窓ガラスが割られ、これはどこの映像なのか?と思うような情景がテレビで放映されています。もともとは、ロンドン北部のトッテナムで地元の黒人男性が警察官によって射殺されたことから、警察に対する抗議の群衆が一部暴徒化したようですが、段々と抗議というよりただの暴徒による略奪といった様子になってきています。

 ロンドン各地で起こってますから、結構、暴動発生箇所に近いところに住んでいる社員もいたりして、今日、職場では一応、情報共有とBCP(事業継続プログラム)を発動させるかどうかかの、ショートミーティング。実際に業務に影響は出ていないこと、突発的に発生するので予測も困難なことから、とりあえずは静観し、社員に安全行動を第一とする注意喚起をするに留める事としました。

 職場の中はいたって平穏ですが、仕事中の小話では、電車で暴徒思わしき若者が大量に居て怖かったとか、家から徒歩10分のところの店が荒らされたなどと、結構、人ごとでない人も居て、盛り上がります。普段あまり暴力的な雰囲気は感じないロンドンですが、数ヶ月前の大学授業料値上げ反対のデモをきっかけとした暴動や今回の暴動を見ると、彼らの行動に何ら共感するところはありませんが、イギリスでも社会の不満というのは結構いろんなところで蓄積しているのだなあと再認識させられます。オリンピックとか大丈夫かちょっと心配になります。
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とあるロンドンジョギング風景

2011-08-07 23:48:00 | ロンドン日記 (日常)
 最近、全然走れてないのですが、今朝は久しぶりに定番ハイドパーク界隈コースを走りました。もう盛りの夏は過ぎたという感じで、フラットを出ると結構葉っぱも散ってるし、まだ秋の気配こそ感じないものの、それもきっともうすぐという予感はあります。

 今週は雨も少し降ったせいか、緑は綺麗でした。
 

 ハイドパークではトライアスロンの大会が開かれていて、自分のいつものコースが、レース用のコースとして立ち入り禁止。なので、大周りを強いられ、いつもより10分程度長く走ることになりました。



 まあ、真冬ではないので、泳ぐこと自体は驚きませんが、私は絶対この水では泳ぎたくない。


 2011年8月6日 8:00頃
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昨日の公演をTVで復習 (ドゥダメル指揮シモン・ボリバル交響楽団、マーラー交響曲第2番)

2011-08-06 23:22:01 | コンサート (in 欧州)
 夕食を終えてTVをつけたら、何とBBCで昨夜のプロムス感動公演(ドゥダメル指揮シモン・ボリバル交響楽団 マーラー交響曲第2番)の放送が始まったところだった。TVで見ることで、「生はこんなんじゃなかった」と昨日の感動が覚めたらかえって興ざめなので、見続けるか、どうか一瞬迷ったが、そのまま最後まで見た。そして、今、昨夜の感動を更に膨らませている自分がここに居る。(昨夜の公演の感想はこちら→)

 昨夜は分からなかった幾つかの発見があった。第2,3楽章の前半は、スローテンポで危うく居眠りそうだったのだが、きっと昨夜の自分は寝ぼけていたに違いない。今日、TVで聴いたら、素晴らしく豊潤かつ繊細な演奏だった。ぐーっと惹きこまれるようにTVにかぶりついてしまった。いったい、昨日の自分は何を聴いていたのだろう?

 また、「メゾのアンナ・ラーションはちょっと声量がパワー不足」などと思ったのも、自分がボケていたに違いない。もともと声量を張りあげるようなパートでもないし、その歌声はまさに天上から天使が呼びかけているような歌声だった。TVでもこんなに感動するものだと自分で自分のことを驚いた。

(メゾソプラノ アンナ・ラーション)


 それにしても、今の撮影技術や音響技術は素晴らしいものだ。第5楽章で、天井桟敷のギャラリー席から届いた金管群の響きは、まさにホール全体を宇宙として静かにこだまする音を、BBCの絶妙のカメラワークと合わさり見事に再現していた。



 逆に、TVの限界として思ったところもある。私が夜空に響く尺玉花火のあとの余韻を思い起こさせた第1楽章、第3楽章後半等のパーカッション軍を中心とした爆発的な響きの余韻は、流石に再現されていなかった。

(昨日も今日もこのパーカッションの一撃、一撃にしびれた)


 また、オーケストラメンバーの演奏姿が、自分が感じた以上に大人の整然とした演奏姿に映っていたのが意外だった。実際は、弦にしても、同じところを演奏しているのか?と思うほど、人によって演奏姿勢やアクションが違っていた。そして、それが各々凄まじい熱意と迫力の身体表現であり、一つの塊としてまとまって目に入ってくると、欧州のメジャーオーケストラの整然とした演奏姿とは全く異なる迫力を生んでいたのである。だが、TVで見ると恐らく画面が一部しか映せないためだと思うのだが、どうもおとなしく映ってしまう。ちょっと、残念だった。

(オケの若者たち)








 まあ、いずれにせよ、昨夜自分はこんな凄いコンサートの場に居合わすことができたのだということを再確認できたのは幸運だった。昨日のナマも凄かったが、今日のテレビも凄かった。

(若大将ドゥダメル)


(ソプラノのミア・パーソン)


(イギリス・ナショナル・ユース合唱団の人たち)


(全体風景)




 2011年8月6日
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