先週に引き続きN響定演。今日の東京は20℃を超える陽気で、風が強かったもののコート不要はもちろんのこと、ジャケットを羽織るのも暑いぐらいでした。どうなってんだろ、最近の天気は。
今日はジャニーヌ・ヤンセン嬢(?)お目当てなのか、チケットは完売。やっぱり、完売の演奏会は良いですね。外の陽気以上に、ホール内も熱気でむんむんしてました。
冒頭からブラームスのヴァイオリン協奏曲という大型プログラム。ヴァイオリン独奏のヤンセンさんはN響とは何度も共演しているようです。私は5年前にロンドンでダニエル・ハーディング/LSOとの共演で、同じブラームスのヴァイオリン協奏曲を聴いて以来です。指揮台にのぼったハーディングよりも背の丈が大きかったのが強く印象に残ってましたが、久しぶりに目にした彼女はやっぱり長身でした(KLMのフライトアテンドさん達が、皆飛行機の天井に頭がぶつかるんではないかと思うほど長身揃いだったのを何故か思い出した)。ただ、幅は当時よりも相当スマートになった感じ。
演奏は安定感に溢れ、かつ情熱さと冷静さを併せ呑むようなバランスの良さを強く感じました。大きな音ではなりませんが、芯が強く、軸がしっかりしていて、音が3階席にもクリアに響いてきます。前回はどちらかというとパワフルさが印象に残ったのですが、芸風が変わったのでしょうか?音もスマートになった気がしました。N響の演奏はスケール大きく鳴らしてましたが、ヤンセンさんとの調和もしっかりとれていて、均整のとれたレベルの高い演奏でした。
休憩後は、ニルセンの交響曲第5番。私は全くの初めてで、前日にユーチューブで1回聞いただけ。なので、あまり語る言葉を持たないのですが、すさまじい爆演でした。曲自体も、いろんな仕掛けが施されていて奥が深そうですが、クライマックスの弦のうねった演奏には鳥肌たちまくり。全編通して、木管、金管、打楽器の見せ場も多く、ダイナミックにまとめるパーヴォさんの捌きを堪能しました。爽快。終演後は、ものすごい拍手。明らかに先週のブルックナーより大きかった。
余談ですが、カーテンコールの中、いつも私の横に座っている老婦人から初めて声をかけられました。「お兄さんはこの音楽お好き?毎回、来てるけど、この曲は全くわかりませんでしたわ。」とのことで、そそくさと帰られました。まあ、いろんな感じ方があるのでしょうね。
パーヴォさんにも慣れましたが、どの演奏会もプログラムの趣向が違うのも面白いですね。それにしっかりついて行っているN響も大したものだと思います。春シーズンはパーヴォさんの登壇は無いようですが、次回の9月定演にますます期待が膨らみます。
《風は強いがポカポカ陽気》
《ヤンセンさんのアンコール曲》
第1830回 定期公演 Cプログラム
2016年2月13日(土) 開場 2:00pm 開演 3:00pm
NHKホール
ブラームス/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
ニルセン/交響曲 第5番 作品50
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
ヴァイオリン:ジャニーヌ・ヤンセン
No.1830 Subscription (Program C)
Saturday, February 13, 2016 3:00p.m. (doors open at 2:00p.m.)
NHK Hall Access Seating chart
Brahms / Violin Concerto D major op.77
Nielsen / Symphony No.5 op.50
Paavo Järvi, conductor
Janine Jansen, violin