その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

山本康正『テックジャイアントと地政学 山本康正のテクノロジー教養講座 2023-2024』 (日経プレミアシリーズ、2023)

2023-06-27 09:23:44 | 

ITを巡る様々なトピックについて、専門家としての筆者の見立てを伝える一冊。日経のWeb連載の記事をベースに編集したものなので、深く掘り下げるというよりは、幅広く扱うという内容で、手軽に読める。加えて、この業界に通じた筆者ならではの考察が示され、その論点や切り口は勉強になった。

私自身、数年前にグローバル市場を対象とした仕事から離れたこともあり、海外のテックジャイアントの動向をレポートした本書には刺激を受けた。同時に、普段の自分の情報源が国内メディアに偏っており、思考も内向きになっていることに気づかされ、いかんなあと感じた。

特に気づきになったのは、PART4「メタバース&Web3、先端技術ブームの実態」。

筆者は、Web3、メタバース、NFT、仮想通貨等のはやり言葉は、マーケティング活動として広まっているのか、ビジネスや実務で使える地殻変動が起こっているのかを一歩引いて考えることが重要と言います。「本質的には変わらないものをあたかも新しい概念のように見せることが仕事になっている批評家やビジネスマンがいる」からです。「実務上で重要なのは、『技術進歩によって既存の体験のうち、どれが近未来に直接的にも、間接的(ユーザの時間や目的など)にも置き換えられるだろうか』という問い。」なのです。(p128~p131)

確かにその通りである。ただ、素人には、この問いに答えるためには、一度手を出してみたり、踊らされてみないと、なかなか考えているだけでは、肌感覚としてわからないというのがジレンマかと思った。そういった意味でも、「用語は分解して考えることで、本質を考える。」筆者のアドバイスも大切にしたい。

これ以外にも、「Web3は米国では既に下火」、「日本と同様に保守的であったフランスのデジタル化に向けた取り組み」なども、なかなか日本のメディア情報に頼っているとわからないところであり、興味深かった。

本書自身が2022年の記事をもとにしているので、技術や市場の状況は1年もすれば大きく変わってくるはずだ。この業界、エキサイティングと言えば聞こえはいいが、ホント疲れる。

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5年ぶりの紗矢香さんとシーズン締めに相応しいノセダ祭りのフィナーレ: ノセダ/N響6月定期Bプロ ラフマニノフ交響曲 第1番ほか

2023-06-23 07:30:32 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)

6月のB定期、事情により水曜日に振替。ステージ裏のP席は変わらないが、いつもよりセンター寄り。これって、もしかして正面テレビカメラの射程範囲ではないか?と思うと緊張度が高まる。今回は好きな庄司紗矢香さんが出演するので、相当気合を入れて来てるのだが、ますます寝落ちできない・・・。

公演としては、ノセダ・シリーズ並びに22-23シーズンの最終幕にふさわしい充実のプログラムと演奏だった。

冒頭のレスピーギは、私が馴染んでいるバッハと似て非なる音楽のように聞こえた。純粋で崇高であるのは同じだが、よりエレガント。あまりの心地よさに、意識が遠のき始めたが何とか踏ん張った。1曲目から相当の満足感。

そして、紗矢香さんの登場。2018年のN響との共演以来なので5年ぶりだ。舞台に現れたピンクのシャツを着た紗矢香さん、相変わらず本当に細身で華奢なかたである(P席なので後ろ姿でそのスリムさがよくわかる)。ただ、醸し出す雰囲気は、これまでの印象と違っていた。(当たり前かもしれないが、)より落ち着いて、大人の余裕のようなものを感じた。

曲のレスピーギのグレゴリオ風協奏曲は初めて実演に接する音楽。オーケストラとの掛け合い、ヴァイオリンの独奏、オケの見せ場、それぞれが織り込まれていて、しかも初めての人にも比較的聴きやすい楽曲だ。紗矢香さんのヴァイオリンは、以前と変わらず、シャープで安定している。グレゴリオ風ということだが、音楽的なことはわからない私には、むしろ第1、2楽章では北欧的な寂寥感を覚え、シベリウスのヴァイオリン協奏曲を思い起こさせるところもあった。紗矢香さんの音色は、以前よりも洗練され深みあるものに感じたのは、決して、外見に惑わされたわけではないと思う。色香を感じるといったら怒られるかもしれないが、そういう感じである。

第3楽章ではフィナーレに向けてノセダさんの気合や唸りが凄まじい。ただでさえ大柄な上に、腕の長さも最大限活用するのでさらに大きく見える。そして鬼のようなご面相で、ぐいぐい迫ってくるから、30mは離れているはずなのだが、正面に坐した私には怖いぐらい。その横で二回りも、三回りも小柄な紗矢香さんがヴァイオリンを弾いている絵柄はなんとも対照的である。だが、紗矢香さんから沸き立つオーラというか、感じる気迫は全然、ノセダさんに負けてなく、リング上の格闘にも見えた。ナマ演奏会体験ならではである。

アンコールはバッハ、無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調ー第3曲サラバンド。内省的な染み入るような音色を満喫した。

そして、後半のラフマニノフの交響曲第一番。これも初めて聞く曲だと思うのだが、シーズンとノセダ・シリーズの2つを締めくくるのに相応しい超絶演奏だった。ノセダさんの全身全霊をこめた指揮にN響メンバーが必死で応えるなかから、音圧で体が浮くか、押しつぶされるではないかと思うほどの、パワフルでダイナミックな音が生まれていた。生でオーケストラを聴く醍醐味と言っていい。

音楽自体は、私自身、ラフマニノフの交響曲といえば交響的舞曲(これは交響曲というのかは?)ぐらいなので、何ともコメントできないのだが、民族的な香りやロマンティックな調べが織り込まれ、ラフマニノフっぽさを至る所で感じ、聴きごたえある音楽だった。初演が大失敗だったというのが信じられない。

弦陣の厚く深みあるアンサンブルも良かったのだが、個人的にしんみりきたのは第3楽章のクラリネットの松本さんの調べ。柔らかく、優しい音色に耳をそばだてた。

当然のごとく、終演後は大きな拍手が寄せられた。私も充足感一杯になりながら、ノセダさんや奏者の皆さんに拍手を送った。

また、来シーズンも期待しています。

 

2022-2023シーズンBプログラム
第1988回 定期公演 Bプログラム
2023年6月21日(水) 開演 7:00pm [ 開場 6:20pm ]

サントリーホール

バッハ(レスピーギ編)/3つのコラール
レスピーギ/グレゴリオ風協奏曲*
ラフマニノフ/交響曲 第1番 ニ短調 作品13

指揮:ジャナンドレア・ノセダ
ヴァイオリン:庄司紗矢香*

No. 1988 Subscription (Program B)

Wednesday, June 21, 2023 7:00pm [ Doors Open 6:20pm ]

Suntory Hall

 

Program
Bach / Respighi / Three Chorales
Respighi / Concerto gregoriano*
Rakhmaninov / Symphony No. 1 D Minor Op. 13

Artists
Conductor:Gianandrea Noseda
Violin:Sayaka Shoji*

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駒場キャンパスでホガースと学生気分を満喫:「東京大学経済学図書館蔵ウィリアムホガース版画(大河内コレクション)のすべて」

2023-06-22 07:19:31 | 美術展(2012.8~)

東大駒場キャンパスで開催中のウイリアム・ホガースの銅版画展を訪れた。フォローしてるブロガーさんの記事で知ったのだが、自称ホガース好きの私にはたまらない企画だった。

東大駒場キャンパスは人生2度目の訪問。本郷キャンパスのような広大さはないが、緑いっぱいで若い学生さんが行き会う環境は青春映画の一幕のようである。土曜の午後とあって、キャンパスにはクラブ活動の学生さんたちが行き来したり、図書館帰りのような学生さんが本を歩きながら読んでいた。その場に居るだけで、数十年、時間が戻った感覚になったり、急に勉強したくなる。学校は不思議な力を持っている。

今回のホガース展は、展覧会ホームページによると東大経済学部で「長く教鞭をとられた大河内一男・暁男両教授が、親子二代にわたって収集されたもの」で、「経済学図書館・経済学部資料室の貴重なコレクションの一つ」ということだ。(大河内一男先生ってどっかで聞いたことあるなあと記憶を辿ったら、学部時代の「社会政策」の授業テキストの著者であったことを思い出した)


<駒場博物館前>

入館して、充実の展示に驚いた。展示目録がない(たまたま品切れ?)のが残念だったが、優に50は超える版画が展示されていた。想像以上に多くの作品、それも有名どころが展示してあって一枚一枚じっくりと鑑賞した。ホガースの絵は当時のイギリス風俗を風刺的に描いているので、その読み解きが楽しい。≪ジン横丁≫・≪ビール街≫、≪放蕩息子一代記≫、≪娼婦一代記≫などなど、著名な作品群だ。

興味深かったのは、各作品について、見学者(きっと多くは学生さん)のコメントや疑問を付箋紙で作品の下にペタペタと張り付けている。その付箋コメントを見ては、「こんな見方もあるのね。」「ここは気づかなかった。」とコメント読み比べも楽しかった。所々、先生が書いているのだろうか。色の違う付箋紙で質問付箋紙に回答しているようなメモも張り付けてあった。様々な見方が、作品と同時に楽しめる、大学美術館ならではのやり方で感心した。


<絵の下の付箋紙に感想や質問が>

博物館自体はさほど広いものではない(高校の小体育館ぐらいかな?)が、キャンパスの中にこんな博物館があって、無料で見学できるなんで、なんと羨ましい。確かに、以前訪れたハーバード大やオックスフォード大、ケンブリッジ大なんかのキャンパスには、信じられないような素晴らしい美術館・博物館があった。大学は「知」の拠点であるはずなのだから、「知」の継承の場としての博物館や美術館はその大学の歴史や風格が現われるのだろう。

博物館を出ると、キャンパス内にあるカフェテリア(イタ・トマ!)で、読書したり、勉強してたり、だべったりしている学生さんたちに交じって、コーヒゼリーを頂いた。昔の時間がフラッシュバックする。

とっても贅沢な時間だった。

6月25日までです。

2023年6月3日訪問

 

東京大学経済学図書館蔵ウィリアムホガース版画(大河内コレクション)のすべて
 「近代ロンドンの繁栄と混沌(カオス)」

 

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ノセダ、N響/ショスタコーヴィチ交響曲第8番

2023-06-18 07:39:31 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)

湿度低く爽やかだが夏の太陽を感じる暑い夏日。

Aプロに続くノセダさん指揮のCプロは、ショスタコーヴィチの交響曲第8番の1本勝負のプラグラム。私には全く初めて聴く楽曲。

作曲の時代背景から第2次世界大戦を色濃く反映した作品のようだが、質量ともに重く暗い。

ノセダさんとN響の演奏は感情的になりすぎず、機能的なところを磨き上げることで、この楽曲の重みを自ら語らせるという印象だった。それでいて、私にはプログラムノートの影響からか、戦争シーンが常に瞼に浮かんだ。戦争と言っても、戦闘ではなく、(随分前に観た映画なので記憶頼りだが、)カール・ポランニーの「戦場のピアニスト」で描かれたモノトーンな廃墟の世界だ。

ノセダの強いWillを感じる指揮の下、N響のアンサンブルやイングリッシュ・ホルン、ファゴット、ヴァイオリン、チェロ等の個人技も素晴らしく、聴きごたえ抜群。NHKホールの大きさを感じさせない迫力の演奏だった。

物悲しく消え入るように終わるフィナーレでは、聴衆も固唾をのんでステージを見守り、ステージと聴衆席が息を合わせて演奏を終えた。終わりが見えない今のロシア・ウクライナ戦争の最中、指揮者、プレイヤー、聴衆、夫々にどんな思いの中、音楽の終わりを感じたか、聞いてみたかった。そして、今の戦争を背景にどんな音楽が生まれうるのだろうかという思いも生まれる。

大きな拍手の中、チェロの首席藤森さんが花束・プレゼントの贈呈を受けていた。御定年のようである。藤森さんの熱い気持ちの入った演奏には何度となく感動させられたので、驚きと感謝と残念な気持ちを交じえて、私も強く拍手を送った。

第1987回 定期公演 Cプログラム
2023年6月17日(土) 開演 2:00pm(休憩なし) [ 開場 1:00pm ]

NHKホール

PROGRAM
曲目:ショスタコーヴィチ/交響曲 第8番 ハ短調 作品65
ARTISTS
指揮:ジャナンドレア・ノセダ

No. 1987 Subscription (Program C)
Saturday, June 17, 2023 2:00pm [ Doors Open 1:00pm ]
NHK Hall

Program
Shostakovich / Symphony No. 8 C Minor Op. 65
Conductor: Gianandrea Noseda

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お腹一杯!: 楊 双子 (著), 三浦 裕子 (翻訳)『台湾漫遊鉄道のふたり』 (中央公論新社、2023)

2023-06-14 07:35:37 | 

家人の紹介で手に取った。台湾の作家の物語を読むのは初めてな気がする。

作者の「日本版あとがき」にあるように「鉄道、美食、百合を愛する歴史小説家として、これらの要素を組み合わせてひとつの迷宮を造り上げ、読む人を台湾という島の昭和時代の旅へと誘おうと試みた」小説。百合を除いて、私の好きな要素である鉄道、食、歴史が織り込まれていて、お腹がなりながら、楽しく、時にドキドキして読んだ。

ストーリーは、昭和初期に取材旅行で台湾を訪れた日本の女流作家と通訳についた若い台湾人女性との交流で展開する。

各章立てが料理名になって構成されている(炒米粉、魯肉飯、冬瓜茶・・・)のだが、調理、料理、食事の表現からその素材、外見、味について想像力が刺激される。平易な文章なのでスラスラ読めるのだが、料理を想像しているとお腹一杯になってしまって、おかわり出来ない(次の章に進めない)。

旅の描写も旅心がそそられる。台湾には過去3回出かけているが、台北とその近辺しか知らない。台湾の友人からは、「台北だけではもったいない。違った良いところが台中、台南にある。案内したい。」とずーっと言われているだけに、旅の虫が騒ぎ始めた。

更に、後半は、人の持つ良心的な無意識の「差別」意識が明らかにされる。丁度、2月前に観た平田オリザさん脚本の青年団の演劇「ソウル市民」にも通じるところがあって、人の価値観、認知のフレームワークについても考えさせられる。

最後の最後に、劇中劇ならぬ小説内小説のような物語の構造を知り、これも驚かされた。まんまと引っかかっていた。

ちょっとライトノベルっぽい軽さもあって、そこは好みでなかったが、それを補う十分な質面の充実度だと感じた。今年4月に訳本として発刊(原本は2020年)されたばかりなので、本書がこれから日本でどんな評価を受けるのかとっても楽しみである。

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ノセダ、N響6月Aプロ、カゼッラ「歌劇「蛇女」からの交響的断章」ほか

2023-06-12 07:29:00 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)

定演ならではの充実のプログラムと演奏。会員でなければ1回券は買わなかった可能性大。

ノセダさん指揮のN響の演奏は、普段以上に厚みと切れを感じるもので、会員冥利に尽きる充実の演奏会でした。

前半の愁眉はプロコフィエフ/ピアノ協奏曲第2番の独奏アブドゥライモフさん。2013年6月にラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を聴いて以来です。あれから10年を経て、アブドゥライモフさんのピアノは更に凄みを増してました。ピアノの音色は、クリアで実に堂々としてます。その迫力ある音楽に圧倒された。

後半のカゼッラ「歌劇「蛇女」からの交響的断章」はステージ一杯を埋めつくしたN響メンバーから多彩な音楽が発せられました。ソロも秀逸で。吉村さんのオーボエソロはしみじみ聴きました。クライマックスは、スピルバーグの映画が身に浮かぶような勢いと明るさを感じるもの。

会場の入りは決して良いとは言えない状態だったけど、終演後は熱く大きな拍手が寄せられた。ノセダさん、まだ2回の演奏会あるのでとっても楽しみです。

 


(吉村さんへの拍手)

 

 

定期公演 2022-2023シーズンAプログラム
第1986回 定期公演 Aプログラム
2023年6月11日(日) 開演 2:00pm
NHKホール

曲目
プロコフィエフ/交響組曲「3つのオレンジへの恋」作品33bis
プロコフィエフ/ピアノ協奏曲 第2番 ト短調 作品16
カゼッラ/歌劇「蛇女」からの交響的断章(日本初演)

指揮:ジャナンドレア・ノセダ
ピアノ:ベフゾド・アブドゥライモフ

Subscription Concerts 2022-2023Program A

No. 1986 Subscription (Program A)
Sunday, June 11, 2023 2:00pm [ Doors Open 1:00pm ]
NHK Hall

Program
Prokofiev / The Love for Three Oranges Op. 33bis, symphonic suite
Prokofiev / Piano Concerto No. 2 G Minor Op. 16
Casella / Symphonic Fragments from La donna serpente [Japan Première]

Artists
Gianandrea Noseda:Conductor
Behzod Abduraimov:Piano

 

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蒸し暑さの中、「第66回ベジタブルマラソン in 立川(ハーフ)」に出走!

2023-06-11 09:29:02 | ロードレース参戦 (in 欧州、日本)

今年は2月の大阪マラソンを走ったので、秋のフルマラソンまでちょっと間が空いています。細々と練習は続けているものの今一つモチベーション上がらず、アクセントとして夏前のレースにエントリー。

ベジタブルマラソンは随分前に埼玉の彩湖でのレースに参加したことがあります。参加賞がお野菜の詰め合わせ。持って帰るには重いが、家族には喜ばれる品々です。

天気は梅雨入り目前の東京としては、幸運の曇り空で、気温も最高気温25度予想。晴れても暑さにやられそうだし、雨では楽しくない。蒸し暑さはあるものの、この時期としてはベストの天気といって良いでしょう。

ハーフの部のスタートエリアに並んだのは200名ぐらいかな?黄色と黒の色柄のTシャツのいかにも早そうな若者グループが目に入りましたが、箱根にも名を連ねる東京国際大学の陸上部メンバーとのことでした。

この日の個人的目標は3つ。1つ、ハーフとは言え25度前後の気温なので、無理はしないで完走第一。2つ、できればタイム1時間55分以内を目指す。3つ、前半スローで入って、ピッチを上げるネガティブスプリットで走る。

12時5分にスタート。最近、練習では、基本に返って腕をしっかり振って、肩と腰の回転で自然と脚が前に出るようなフォームを意識してます。レースでもしっかり実践しようと思い、走り始めました。

小規模とは言え、やっぱりレースは練習とは全然違います。周りのランナーにつられていきなり最初の1キロが5分12秒。明らかに早すぎます。「いかん、いかん」と思いつつも、ペースを下げようにも下げられない。早々にネガティブスプリット戦術は断念しました。

コースは園内を外縁に沿って1周5キロを4周します。小さいですが、所々アップダウンがあって、適度なアクセントになります。先日のNHKのBS番組「ランスマ」でトレイルランの練習で、坂道は腿上げの要領でとアドバイスされていたのを思い出し、(トレイルランからすれば単なる平地ですが、)坂では腿を上げることを意識。結構、楽に走れたので一つ収穫。

コースは木々の緑の深まりが感じられる美しいものでした。ところどころ、紫陽花が満開でこれも風雅で、蒸し暑さの中のランに彩りを添えてくれました。


(走りながらのスマフォ撮影なので綺麗に撮れませんが、雰囲気だけ)

2周めの途中で、3周目の東京国際大の若者たちに追い越されます。フォームやストライドなど走りが全然違いますね。思わず見とれてしまいますが、あっという間に姿が見えなくなりました。

気温こそ25度を超えることは無かったようですが、やはり蒸し暑さは辛かった。1周途中で2箇所給水エリアと水をかけてくれるところがあって助かりました。ただ、水のぶっかけコーナーでは、お酌で水を頭からぶっかけてくれるお姉さんと私のタイミングが合わず、左から半分がずぶ濡れになっただけ。却って走りにくくなるは、シャツが変に体にへばり付いて気持ち悪いはで閉口しました。これもレースならではのトラブルです。

もう一つ、トラブルと言えば、トイレマネジメント。フルマラソンの時はレース前から相当気を遣うのですが、今回はハーフということで完全に舐めてましたね。詳細は省きますが、2周めぐらいから違和感が発生し、その後最後まで心身に影響ありでした。

結局、ネガティブスプリットどころか、16キロまでは1キロ5分10~20秒ペース、17キロ以降キロ5分20~30秒ペースというありがちなペース展開。ただ、汗びっしょりでのゴールしたタイム(ネット)は1時間52分台。3つの目標のうち2つは達成でした。まあ、よく頑張った。

これで、夏は体力落とさない程度に練習し、秋からの新シーズンに気持ちを向けていきます。いいタイミングでのいい練習レースでした。

2023年6月10日

PS:久しぶりに訪れた国立昭和記念公園ですが、雄大で緑一杯で良い公園ですね。西立川駅からの入口を入って、すぐに大きな池がありプレジャーボートが出ていたりしてます。私の間週末のランニングコースであったロンドンのハイドパークの趣も感じられ、なんかとっても懐かしくもありました。ビールと文庫本で1日いたいぐらいです。


(とっても長閑)

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春風亭一之輔のドッサリまわるぜ2023 @調布くすのきホール

2023-06-10 07:58:59 | 落語

今年で11年目を迎えるという一之輔さんの全国ツアー。東京西部では6月調布、8月に立川で公演があるとのことで、早速、調布公演に行ってきました。

笑点はほぼ毎週拝見していますが、ナマ一之輔さんは2回目。開演時間になると、ツアーのオリジナルTシャツ姿で登場し、まずは会場とのトークで、場を和ませます。

続いては妹弟子の春風亭一花。演目は「お菊の皿」。二つ目の方ですが、歯切れの良い話っぷり。幽霊お菊の表情もとっても豊か。楽しめました。

一之輔さんは、前半は「つる」と「くしゃみ講釈」、そして仲入後は「茶の湯」。発声の切れはもちろんのこと、古典に適度の現代時事ネタも交えた話の展開や想像力を刺激する動作や表情が抜群です。

とりわけ、くしゃみをこらえながら芸を続けるの講釈師や隠居の茶と羊羹を味わう隠居さんのお友達の表情が芸の極み。笑い涙が目に沁みて目が痛い。

あっという間に2時間が過ぎてしまいました。独演会には、寄席や3人会とは違った、その噺家さんの個性が出ますね。こんなに笑ったのはゴールデンウィーク時に行った寄席以来。笑っているだけなのですが、終わってみると結構笑い疲れてます。

まだ落語入門者なので、なるべく機会を見つけて、色々聞こうと思っています。

2023年6月9日

春風亭一之輔 トーク

春風亭一花 お菊の皿

春風亭一之輔 つる

春風亭一之輔 くしゃみ講釈

春風亭一之輔 茶の湯

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べたノウハウ本だが即戦力: 原田将嗣 『最高のチームはみんな使っている 心理的安全性をつくる言葉55』(飛鳥新社、2022)

2023-06-07 07:33:02 | 

今の流行りのバズワード「心理的安全性」についてのベタなビジネスハウツー本です。「心理的安全性」の重要性は経営学者さんの間ではずいぶん前から認識されていたようですが、10年ぐらい前にグーグルが成果や生産性につながる重要な因子であることを着目し、注目を集めるようになったコンセプトです。本書は、その「安全性」を高めるのに役立つ、職場の会話での55のフレーズがNGグレーズと併せて紹介されてます。

「心理的安全性?給料もらって仕事してんのに、そこまで気を遣わねばならんのか~」と反射的に反応してしまう私のような昭和サラリーマンの残党(私自身は平成サラリーマン)には、このぐらいベタである方が、返って割り切れて良いです。

監修者による頭書きでやられました。「使っていませんか?こんな「NG言葉」」として最初に紹介されたのは、「相談されたら本人のことを思い「まずは自分で考えて!」と言っている」。わが身を振り返ると、確かに頻繁に使っています。

「心理的安全性とは「誰もが率直に、思ったことを言い合える」状態のことで、「心理的安全性性が確保されていると、ミスの報告のように話しにくいことでも素早く情報共有ができたり、新しいことへの挑戦が増えたり、働くことで満足感や充足感に満たされるようになる」。そして「個々人の仕事の質が上がり、チームとしての学習が促進され、結果的にチーム全体の成果も向上していく」ものなのです。それには、ちょっとした言葉遣いから大切になるわけです。

本書はNGワードが、どういう言葉を使えば「心理的安全性」が維持・向上される言葉になるかについて具体例で紹介されているのが役に立ちます。例えば、「なんでできなかったの?」→「やってみてわかったことを、一緒に振り返ってみよう」「話したい事、何でも話していいよ。何かある?」→「最近のグッドニュースとバッドニュースを教えてください」などなど。

もちろん表層的なテクニックとしての言葉だけを使っても、すぐメッキははがれるでしょう。ただ、こうしたメッキから入るアプローチも十分にありだと思いますし、本書はしっかりと「なぜ」こうした言葉が有用なのかを解説してくれているので、その考え方、アプローチ手法が理解できれば、いろんな応用も効くと思います。

職場の皆が使ったら、それはそれで気持ち悪いですが、そうした言葉が自然に出てくるチームはきっととても働きやすいと思います。単なる言い方のハウツーで終わらせることなく、どうしたら組織と個人がWin-Winの関係になるのか考えるきっかけとしたい一冊です。

 

【目次】
第1章 毎日使いたい! チームの土壌をつくる言葉
第2章 会議を活性化させる言葉
第3章 1on1が楽しみになる言葉
第4章 チャレンジフルなチームをつくる言葉
第5章 お客さまと取引先を「パートナー」に変える言葉
第6章 ピンチをチャンスに変える言葉

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普通に良い公演: 新国オペラ、R.シュトラウス<サロメ>

2023-06-05 07:20:18 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)

日頃、Twitterの音楽愛好家の皆さんのコメントを拝見していると激賛コメントに目に留まり勝ち(かくいう自分もポジティブに書きがちなので、気持ちはわかる)なのですが、「普通に良い公演」というのも多いかと思う。今回のサロメは、このプロダクションで相当長い間やっていて私も幾度も観ていることもあるかもしれないが、まさに「普通に良い公演」だった。

ただ「普通に良い」と言ってもサロメなので、終盤に向けての緊迫感や緊張感は胸をつぶされるようで、この作品の凄さを再認識させられる。毎度味わうこのドキドキ感は麻薬的だ。

今回、そのドキドキ感を特に引き立ててくれたのはコンスタンティン・トリンクスの指揮と東フィルの演奏。事前に「管弦楽が三管編成に縮小」とのアナウンスをHPで目にしていたので、小ぶりの演奏になるのではと不安だったのだが、全く見当違い。時折、歌手陣の歌をかき消すほどのパワーと緊迫感あふれる演奏だった。トリンクスの指揮は、細かくコントロールされたというよりは、おおらかに東フィルを鳴らさせるリードに取れたのだが、どうだろう。東フィルの書くプレイヤーの健闘が光った。

歌手陣は、このところ「エレクトラ」や「リゴレット」でかなり際立った歌い手を聴いていることもあってか、今回は全般的に小ぶりにまとまった感があった。題名役のアレックス・ペンダは尻上がりに狂気が増し迫力出てきたが、全体的にサロメとしてはキャラが立ってない気がした。特に、演技に表現の幅を感じることが少なく、サロメの成長感ももう一歩で、そこはちょっと残念。

ヨナハーン役のトマス・トマソンは、昨年のノット/東響のサロメでも同名役で出ていた際に、その威厳ある姿と迫力ある低音に魅せられた。今回もしっかりした低音は健在だったが、あの時の迫力と比べると声の通りも普通であった。演奏会方式と劇場の違いというのもあるのかなあ。

演技の点では、ヘロデ役のイアン・ストーレイのエロおやじぶりやヘロディアス役のジェニファー・ラーモアのはつらつとした悪親ぶりは舞台に躍動感を与えていた。

もう何度も観ている演出だが、アラビアンナイトのようなテントを王宮にみたた舞台は、特に色彩が淫靡で、作品の雰囲気にマッチしていて、私的にも好み。

今回唯一のソワレということもあってか会場は満員で、終演後は大きな拍手が寄せられた。学生さんも多かったように見え、劇場にはフレッシュな雰囲気も漂ってように感じられた。帰路に「全然わかんなかったよ~」という声も聞かれたが、まあ、そりゃそうだと思う。でも、オペラを若い人が体験するってとっても良いことで、いろんな意見で劇場全体が多様化、進化しながら、次の世代・時代に引き継がれるのだと思う。私がよく良く行くオーケストラとかは、明らかに年齢層が偏っていて、将来がとっても心配だ。若者割など、いろんなマーケティング施策が行われているが、とっても大事なことだと思う。

(2023年6月1日観劇)

 

2022/2023シーズン
リヒャルト・シュトラウス
サロメ
Salome / Richard Strauss
全1幕〈ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付〉
公演期間:2023年5月27日(土)~6月4日(日)
予定上演時間:約1時間40分(休憩なし)

スタッフ
【指揮】コンスタンティン・トリンクス
【演出】アウグスト・エファーディング
【美術・衣裳】ヨルク・ツィンマーマン

キャスト
【サロメ】アレックス・ペンダ
【ヘロデ】イアン・ストーレイ
【ヘロディアス】ジェニファー・ラーモア
【ヨハナーン】トマス・トマソン
【ナラボート】鈴木 准
【ヘロディアスの小姓】加納悦子
【5人のユダヤ人1】与儀 巧
【5人のユダヤ人2】青地英幸
【5人のユダヤ人3】加茂下 稔
【5人のユダヤ人4】糸賀修平
【5人のユダヤ人5】畠山 茂
【2人のナザレ人1】北川辰彦
【2人のナザレ人2】秋谷直之
【2人の兵士1】金子慧一
【2人の兵士2】大塚博章
【カッパドキア人】大久保光哉
【奴隷】花房英里子

【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

 

2022/2023 SEASON
Music by Richard STRAUSS
Opera in 1 Act
Sung in German with English and Japanese surtitles
OPERA PALACE
27 May - 4 Jun, 2023 ( 4 Performances )

CREATIVE TEAM & CAST

CREATIVE TEAM
Conductor: Constantin TRINKS
Production: August EVERDING
Set and Costume Design: Jörg ZIMMERMANN

CAST
Salome: Alex PENDA
Herodes: Ian STOREY
Herodias: Jennifer LARMORE
Jochanaan: Tómas TÓMASSON
Narraboth: SUZUKI Jun
Ein Page der Herodias: KANOH Etsuko
5 Juden 1: YOGI Takumi
5 Juden 2: AOCHI Hideyuki
5 Juden 3: KAMOSHITA Minoru
5 Juden 4: ITOGA Shuhei
5 Juden 5: HATAKEYAMA Shigeru
2 Nazarener 1: KITAGAWA Tatsuhiko
2 Nazarener 2: AKITANI Naoyuki
2 Soldaten 1: KANEKO Keiichi
2 Soldaten 2: OTSUKA Hiroaki
Ein Cappadocier: OKUBO Mitsuya
Ein Sklave: HANAFUSA Eriko

Orchestra: Tokyo Philharmonic Orchestra

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素晴らしい歌手陣とオケ:新国オペラ ヴェルディ〈リゴレット〉 @新国立劇場 

2023-06-01 07:35:06 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)
私にとっては11年ぶりのリゴレットです。新国では初めて。
 
歌手、オケの出来が素晴らしく、ハイレベルなパフォーマンスを満喫しました。
 
まずは、主要役を演じた3名の外国人歌手陣が出色でした。特に題名役のロベルト・フロンターリ。押し出し強く、迫力満点のバリトンです。加えて、演技も抜きんでています。リゴレットの持つ哀しみ、誇り、卑しさがにじみ出ていた名演でした。
 
ジルダ役のハスミック・トロシャンのソプラノも伸びやかで抒情的。声の張りもあって、聴かせます。一途な演技も役柄にはまり、純真な乙女役がぴったりでした。
 
放蕩者のマント―ヴァ侯爵役のイヴァン・アヨン・リヴァスは第1幕前半はちょっと声量が足りない印象がありましたが、ドラマが進むにつれて本領発揮。伸びやかで濁りのないテノールが心地よいです。
 
妻屋さんら日本人脇役陣もしっかりした仕事ぶりでしたし、コーラスは相変わらず美しいです。
 
歌手陣と並んで、マウリツィオ・ベニーニが振る東フィルの演奏も素晴らしかったです。ベリーニは東フィルからドラマティックな音を引き出しつつも、各登場人物の心情に沿ったデリーケトな表現も交えます。とっても雄弁な東フィルの演奏でした。この作品、物語は救いようないですが、音楽の魅力がそれを補ってあまりある。美しく、多彩でしかも耳に優しい。よくできたオペラだといつも感心します。
 
新制作の演出は、オーソドックスな演出に現代っぽい味付けを施したものです。舞台装置の余計な主張は無いので、音楽に集中できるのは嬉しかった。一方で、演出の意図するところまではわからずじまいで、私には可もなく不可もなくと言った印象でした。
 
カーテンコールでは、ほぼ満員の聴衆から多くのBravoが寄せられました。十分その値打ちがある満足感一杯の公演でした。
 
ジュゼッペ・ヴェルディ
リゴレット<新制作>
Rigoletto / Giuseppe Verdi
全3幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕あり
公演期間:
2023年5月18日(木)~6月3日(土)
予定上演時間:
約2時間40分(第1幕60分 休憩30分 第2・3幕70分)
 
スタッフ
【指 揮】マウリツィオ・ベニーニ
【演 出】エミリオ・サージ
【美 術】リカルド・サンチェス・クエルダ
【衣 裳】ミゲル・クレスピ
【照 明】エドゥアルド・ブラーボ
【振 付】ヌリア・カステホン
【舞台監督】髙橋尚史
 
キャスト
【リゴレット】ロベルト・フロンターリ
【ジルダ】ハスミック・トロシャン
【マントヴァ公爵】イヴァン・アヨン・リヴァス
【スパラフチーレ】妻屋秀和
【マッダレーナ】清水華澄
【モンテローネ伯爵】須藤慎吾
【ジョヴァンナ】森山京子
【マルッロ】友清 崇
【ボルサ】升島唯博
【チェプラーノ伯爵】吉川健一
【チェプラーノ伯爵夫人】佐藤路子
【小姓】前川依子
【牢番】高橋正尚
【合唱指揮】三澤洋史
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
 
Rigoletto
2022/2023 SEASON
New Production
 
Music by Giuseppe VERDI
Opera in 3 Acts
Sung in Italian with English and Japanese surtitles
OPERA PALACE
 
Production of ABAO Bilbao Opera
 
18 May - 3 Jun, 2023 ( 6 Performances )
 
CREATIVE TEAM
Conductor: Maurizio BENINI
Production: Emilio SAGI
Set Design: Ricardo SÁNCHEZ CUERDA
Costume Design: Miguel CRESPÍ
Choreographer: Nuria CASTEJÓN
Lighting Design: Eduardo BRAVO
 
CAST
Rigoletto: Roberto FRONTALI
Gilda: Hasmik TOROSYAN
Il duca di Mantova: Iván AYÓN RIVAS
Sparafucile: TSUMAYA Hidekazu
Maddalena: SHIMIZU Kasumi
Il conte di Monterone: SUDO Shingo
Giovanna: MORIYAMA Kyoko
Marullo: TOMOKIYO Takashi
Borsa: MASUJIMA Tadahiro
Il conte di Ceprano: YOSHIKAWA Kenichi
La Contessa di Ceprano: SATO Michiko
 
Chorus: New National Theatre Chorus
Orchestra: Tokyo Philharmonic Orchestra
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