その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

Prom 15: BBC Symphony Orchestra/ Knussen

2010-07-30 19:46:43 | コンサート (in 欧州)
 今年初めてのProm出撃。

 しかし、この日のチケットを持っていると気付いたのは実は前日。プログラムを見ても、何故この日のチケットを買ったのか、よく思い出せない。曲も最後のシューマンの交響曲第3番を除いては、知らない曲ばかりだし、何か間違えちゃったのかなあ。まあ、いっか。

 それにしても、この日のPromはとっても空いていたのでびっくり。正直、半分も埋まってない。これでは、お祭り気分が盛り上がらないし、何か演奏者も可哀想だ。昨年は4つほど足を運んだけど、こんなに空いているのは初めて。きっと、現代曲中心のプログラムが敬遠されたのだろう。

(少し寂しいロイヤル・アルバート・ホール)


 しかし、コンサートが始まってみると、どの楽曲も面白く、演奏も良く、会場の雰囲気はとても暖かいものだった。プログラムは2回の休憩を挟み、全部で6曲もやってくれる。殆どが英国作曲家による現代曲で、聞き慣れない音楽。思ったのは、現代曲って共通して、音の無いところに意味を求めるみたいなところがあるなあということ。音の組み合わせを脱却して、音の無いところに音楽を感じさせるようなところがある。とても独特の空間が形成され、面白かった。

(Colin Matthewsのヴィオリン協奏曲を演奏したColin Matthews)


 逆に、最後のシューマンはこれぞロマン派とも言える美しいメロディの連続。ただ、演奏自体は、特に特色の無い無難な演奏に聞こえた。ホルンの響きが美しいが、ホールがでかいせいか、音が拡散してホンワリして聞こえる気がする。

(演奏者は白のジャケットを着て、夏らしい雰囲気)


 指揮者のKunussenはとっても存在感抜群。背も幅も大きい。ジャケットを着てる姿は、服というより蒲団を体に巻いているような感じである。指揮ぶりも堂々たる物だったが、見ているだけで絵になる人である。

(でかいです)


 聴衆は少なかったが、聴衆は皆、今日のプログラムを積極的に楽しもうという姿勢にあふれた人だった。拍手がとても暖かく、反応もプロアクティブなものだった。きっと、こうした現代曲を聞きたくて、足を運んできた人たちに違いない。

 期せずして購入したチケットだったが、とってもいい気分で会場を後にできた。

 

Prom 15: BBC Symphony Orchestra
Date Wednesday 28 July 2010
Time 7.30pm–c10.05pm
Venue Royal Albert Hall

Stockhausen Jubilee (16 mins)
interval
Sir Harrison Birtwistle Sonance Severance 2000 (3 mins)
Colin Matthews Violin Concerto (20 mins)
(London premiere)
Luke Bedford Outblaze the Sky (6 mins)
interval
Zimmermann Rheinische Kirmestänze (6 mins)
Schumann Symphony No. 3 in E flat major, 'Rhenish' (33 mins)

Leila Josefowicz violin
BBC Symphony Orchestra
Oliver Knussen conductor
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ロンドン 大先輩との再会

2010-07-29 23:06:52 | ロンドン日記 (日常)
 今日は、日本でメンバーだった、地元の土曜英語サークルの「友達」がロンドンに来たので、中華街に繰り出し、食事とパブをご一緒した。「友達」と言っても、72歳の人生の大先輩である。

 父親により近い年齢であるものの、とにかく若い。失礼を承知で、その年齢になっても、とある企業で週5日から6日働き、人と会って話すことを楽しみ、いろんなことに興味を持ち、勉強し、そして世界を広げている。

 昨夏にも訪ねてくれたので1年ぶりの再会であるが、サークルメンバーの近況、お互いの近況、日本の状況などなど、話していて実に楽しいし、元気が出る。

 私もこんな風に歳を重ねていきたい。

(今日のチャイナタウン)



 2010年7月29日
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ミュージカル オペラ座の怪人

2010-07-28 23:42:14 | ミュージカル、演劇
 日本から訪れてくれた会社の先輩を「オペラ座の怪人」にご案内しました。私は昨年の5月に初めて見て以来の2回目です。

 改めて、このミュージカルはとっても良く出来ていると思いました。オペラ座の地下に潜む怪人のラブストーリーと言うちょっと神秘的なストーリー、メリハリがありかつ馴染みやすいウェバーの音楽、2時間ちょっとの間に20も場が変わるテンポ良い舞台・演出(これはオペラにはありません)、2回目で飽きるどころか、ますますその魅力に引き込まれます。ミュージカルならではのライブ感、迫力も十分に伝わってきます。

 1986年にこのHer Majesty Theatreで初演されたこの作品。「レ・ミゼラブル」と並んでロングラン中のロングラン作品ですが、確かにリピートしたくなる作品です。1897年建設と言うHer Majesty Theatreも素晴らしい。歴史を感じさせる内装と、2階席からでもホントに手が届くようなところに舞台があって、訪れる人を別世界に連れ込む魅力に溢れています。

 案内役が楽しんでしまったわけですが、先輩もとっても喜んでくれて「ロンドンに来て良かった」と感動してくれました。「レ・ミゼラブル」と並んでおススメオペラです。

 2010年7月27日 Her Majesty Theatreにて
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ロンドン夏 千客万来

2010-07-27 23:59:58 | ロンドン日記 (日常)
 ホリデーの季節がいよいよ本格化し、オフィスもだんだん寂しくなってきた。

 ポンド安のお陰もあってか、今年の夏は日本からの来訪者が多い。今日から8月一杯まで、会社の前の上司、会社の先輩、大学時代の親友、東京の地元サークルの大先輩たちが次々とプライベートで訪ねてきてくれる。勿論、私に会うためだけに来てくれるわけではないが、連絡を頂いて、外国で再会する楽しさは格別である。「この人とは何処に行こうか」と考えるのも楽しい。

 今日は第一号で、日本の会社の先輩とアフター6を楽しんだ。ミュージカルにご案内し、その後、パブで一杯。東京で一緒に何度も飲みに行っているが、ロンドンではまた違った感覚の気安さがある。

 この8月はアフターで忙しいが、楽しい月になりそうだ。
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業績目標評価フィードバック

2010-07-26 23:37:39 | ロンドン日記 (日常)
 年に2回実施する評価のフィードバック。今回で3回目になるが、これはとってもストレス。良い話ばかりするわけではないから、特に良くない点数をつけなくてはいけない人に対してはとっても神経を使う。

 日本の親会社では、まあ良くも悪くも、評価の理想と現実というのが、評価するほうも、されるほうも予定調和的なところが多少ある (若い人へのフィードバックはこの調和が通用しないので、結構もめるが、所詮は日本語なので。。。) が、こっちのフィードバックは、ガチンコ勝負である。農耕民族の私が鍬持って、狩猟民族の騎馬隊に立ち向かうような感覚だ。

 いつもこのフィードバックのやり方は悩むので、今回は、ビジネスコーチの人に相談した。すると、とっても役立つ資料を見せてくれた。

 著作権もあるので、一部だけ、さわりを紹介すると・・・


『日本人と欧米人との間の会話を観察すると、間違った表現を使うことで問題が起きるより、何かを言えば良いのに何も言わなかったことで起きる問題の方がはるかに多い。欧米人は完ぺきな英語文法を期待しているわけではない。 欧米人はコミュニケーションしようとする努力を評価する。』

『フィードバックの目的は、相手がどの点を成功しているか、どこを改善したらいいか、を分かってもらうことである。 欧米人はフィードバックを多く受けることに慣れている。特に上司から。』

『フィードバックを提供することによって、その人を気に掛けていること、そして成功するように援助したいと思う気持ちを伝えられる。』

『ネガティブフィードバックの方法

1. 問題行動を指摘する
  問題がどこにあるかを分かりやすく指摘する。できるだけ具体例を示す。

2. 望ましくない行動の良くない結果を指摘する
  具体的な情報を提供する必要がある。行動の結果を指摘することは、
  今後同じような事を起こさないように努力させる動機となる

3. 今後どんな行動をとって欲しいのか
  指導することが目的なので、期待する行動をできるだけ具体的に述べる
  必要がある。』

 実践はこれよりはるかに難しいが、やるしかないのである。
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ロンドン レストラン LE PONT DE LA TOUR

2010-07-25 18:52:02 | レストラン・パブ (in 欧州)
※写真はレストランガイドHPから拝借。

 先日、フランス系企業英国法人のマネジメントの方からビジネスディナーのご招待を頂いて訪れたレストラン。場所は、タワーブリッヂを南側に渡って、東側に入ったテムズ川沿いにあります。

 イギリス流フランス料理店とでも言うのでしょうか。とても、洗練された店内の雰囲気と店員たちの訓練されたサービスが、高級感を引き立てます。

 私はアスパラガスのサラダを前菜に、メインは鱸のグリルを頂きましたが、味付けもさっぱりしていて、素材の美味しさを引き立てようとするものでした。

 返ってホームページをチェックしましたが、Dinnerの3コース(前菜、メイン、デザート)で£42.50ですから、ビックリするほど高いわけではありません。

 デート用にお薦めです。

 ※お店のHPはこちら

 テラス席もあります。
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ロイヤル・オペラ・ハウス 『フィガロの結婚』 & 後日談

2010-07-24 20:11:47 | オペラ、バレエ (in 欧州)
 ※もう2か月近くも前の公演なので、完全に賞味期限切れですが、後日談も含め、記録まで。

 「フィガロの結婚」はもともと大好きなオペラである上に、ロイヤルオペラの若手声楽家のプログラムに参加している日本人の中村絵里さんがスザンナ役をやるということで、とても楽しみにしていた舞台です。

 そして、歌手、演奏、演出、全てが上手くまとまっていて、期待通りの楽しい舞台でした。

 歌手陣のレベルが高いの印象的でした。フィガロのErwin Schrott、伯爵のMariusz Kwiecienの男性の2名の歌唱が光っていました。伯爵夫人のAnnette Daschは、声質はやや太めなのが気になりましたが、綺麗な声で中村さんとの重唱はこの日の中でも最秀逸でうっとり、会場全員が耳をたてて聴いていました。いずれも実力派ならではの高いレベルの歌唱で堪能しました。
 中村さんも負けてはいませんでした。正直、体格や容姿の派手さ具合では西洋人にはかないませんが、スザンナ役を活き活きのびのびと演じてるように見えました。そして、歌唱の方も高音の伸びや、声の曇りのなさという点で、清らかで美しく、存在感はバッチリだったと思います。
 歌手の中で少し期待はずれはケルビーノ役。私はこの舞台では、かなりケルビーノ役が好きなのですが、Jurgita Adamonyteは歌は良いのですが、体が大きすぎて小姓役とはイメージ違うし、演技でもう一つイキイキさが足りない気がしました。

 セットがセピア色っぽい落ち着いた色調と分かりやすい舞台構成で、演出もとっても気に入りました。昨年の夏、ザルツブルク音楽祭で観たセット、演出よりもずーっと好きです。
 
 デイビス大先生の音楽はまさに正統派でした。序曲はもっと軽快な感じの演奏が個人的には好みなのですが、全体を通じてモーツアルトの美しい音楽を堪能させていただきました。

 やっぱり「フィガロの結婚」は楽しい。

 写真は碌なものがないので、雰囲気だけ1枚。


 舞台の写真はこちらのサイトが充実してます(こちら→)


(後日談)
 
 この公演の1か月後ほど後、とあるROHの公演の際、同じ観客として観にきていた中村絵里さんを発見。来シーズンからはミュンヘン活動の場を移すと聞いていたので、こんな機会は2度とあるまいと思い、思い切って声をかけてみた。

「失礼ですが、中村絵里さんですよね?」
「ええ・・・・・」
「フィガロの結婚、大役、お疲れ様でした。素晴らしかったですね。とっても良かっと思いました。」
「そうですか・・・・、ありがとうございます」
「秋からミュンヘンに行かれるんですよね。頑張ってください」
「ええ、そうです・・・ありがとうございます」

まあ、当たり前の話だが、突然、こんな変な日本人のおじさんから声をかけられても迷惑だろうが、本当に迷惑そうだったので、申し訳ないと思い、早々に切り上げた。やっぱり、こういうOFFの場ではエチケットとして声をかけたりすべきでないのだろう。

(でも、昨年エジンバラで会ったJazzPianistの小曽根真さんは随分、愛想がよかったけどなあ~。こちら→)

でも、ずうずうしい私は、最後にサインだけお願いした。こちら↓





Le nozze di Figaro

Saturday, June 12 6:30 PM
Credits
Composer Wolfgang Amadeus Mozart
Director David McVicar
Designer Tanya McCallin
Lighting Paule Constable
Movement Director Leah Hausman

Performers

Conductor Colin Davis

Figaro Erwin Schrott
Susanna Eri Nakamura
Count Almaviva Mariusz Kwiecien
Countess Almaviva Annette Dasch
Cherubino Jurgita Adamonyte
Bartolo Robert Lloyd
Basilio Peter Hoare
Don Curzio Christopher Gillett
Marcellina Marie McLaughlin
Barbarina Amanda Forsythe
Antonio Nicholas Folwell


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ロンドン タワーブリッジ

2010-07-23 23:50:38 | ロンドン日記 (日常)
 ロンドンで一番好きな風景は何処ですか?

 私は迷うことなく「タワー・ブリッジ」と答えます。ガイドブックによると「世界で一番美しい橋」とも言われているそうですが、本当にそう思います。

 職場と取引先の間にあるので、この橋は良く通るのですが、季節、天気、時間、観る場所によって見せる表情が全く異なります。そして、いつも印象的なのは、この橋を訪れる観光客の、その楽しそうで、幸せそうな顔、顔。一つの建造物がこれほどまでに、人の心を楽しませ、嬉しくさせるなんて、なんてすばらしいのでしょう。

 写真は昨日と一昨日と昨日の朝のタワーブリッジです。

 2010年7月21日


 2010年7月22日


2009年9月14日



 2010年7月23日 記
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とあるロンドン地下鉄の風景 日本のポップカルチャー

2010-07-22 22:48:55 | ロンドン日記 (日常)
 今朝の通勤地下鉄の風景を激写(古くて、申し訳ないです)!!

 What are they doing?


They are solving SUDOKU.

 私、こちらに来るまで全然知りませんでしたが、「数独」って、かなりイギリスでは普及してます。朝の新聞には、SUDOKUコ‐ナがありますし、地下鉄に乗ると5名に一人ぐらいは必ずと言っていいほど、新聞に掲載されている「数独」を解いてます。この間、TV NEWSを観ていたら、SUDOKUは全英選手権大会まであるのです。

 日本のポップカルチャーと言うと、漫画が一番先に来るでしょうが、「数独」も負けてません。

 2010年7月21日
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ロンドン とある夕方

2010-07-20 22:03:35 | ロンドン日記 (日常)
 この夏の天気の良さは一体どうしたかことか(と言っても2回目の夏ですが)?いつかはこの反動が来るに違いないと思いつつ、少しでもこうした日は有効に楽しまねばと思う。そうすると必然的に、時には同僚と、時には一人でもパブに足が向き、9時過ぎまで明るいパブの軒先でチビチビやってしまう。

 先日、短期間ではあるが、かなり重要なプロジェクトが首尾よく終了した。今晩は、その特別プロジェクトチームのメンバー5名で簡単な打ち上げをパブで実施。今回は、柄にもなく自分がプロジェクト・リーダーだったので、ほんと肩の荷が下りた感じ。「今日は俺のおごりだ。みんな、飲んでくれ~」と値打ちこいて、ちょっと気張った。

 他の国で働いたことがないので比較はできないが、イギリス人の良いところは、打ち上げとか、皆で一杯飲んで帰ろう、というメンタリティを持ち合わせていることである。フランスやドイツでは、ONとOFFはより明確に分かれていて、そういう感じではないとの話を聞いた。その点、イギリス人は、誘えば大抵乗ってくれるし、おごりとなれば誘ってない人も匂いを嗅ぎつけやって来る(こともある)。

 それにしても、こうして皆で一仕事を終えて、一緒にけじめを着けるというのは何と気持ちの良いことだろう。このプチ達成感は、古今東西同じなのではないかと思う。

 ワイシャツ一枚で、軒先の椅子に座って、心地よいそよ風に当たって、バカ話をしながら仕事仲間と飲むビール。最高だ。

 2010年7月20日
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ロンドン とある結婚式

2010-07-19 22:06:36 | ロンドン日記 (日常)
 同僚のインド系イギリス人の結婚式に招待いただき、日曜日に朝から出かけてきた。招待状には、朝9時半のモーニングティから始まり、式典、そしてランチディナーと夕方6時までの予定が書き込まれており、一日がかりのお祝いのようである。

 今日の新郎はインド系イギリス人、新婦もインド人で社内結婚である。そのためか、今日の式典には社員からも10名ぐらい、その家族等も含めると20名近くがご招待頂いていた。

 会場はロンドン北部の結婚式場。ロンドンともなると、インド人専用の結婚式場があるのには驚いた。会場に足を踏み入れると同時にカレーの匂いがする。会場の感じは、日本の結婚式場と似て、一種の大規模パーティー会場のようだ。

 午前中の式典は、とても興味深いものだった。ヒンズー教に従った式典。ゲスト用の各椅子には、儀式の手順を示す解説ペーパーが置かれていたが、花嫁の誓い等、全部で20近くの儀式がある。全てを終了するのに1時間半以上もかかった。導師さんを除いては、誰も、この儀式には詳しくないようで、一つ一つ確かめながら前に進んでいくのも微笑ましかった。

(新郎の入場後、ベールに隠された新婦が入場)


(火の儀式に臨む新郎新婦)


(お供え物)


 式典は12時近くに終わったが、次の披露宴は予定の時間を1時間以上も遅れ、2時前に始まった。途中、待合室のようなホールで、いろんな招待客の方と歓談をしていたのだが、正直1時間半以上も立ち話をしているのも少々疲れる。インド式の結婚式はこれで3度目だというイギリス人の同僚は、式典が終わるとサッサと近くのパブに飲みに行き、丁度、披露宴の始まる前に、顔を赤くして戻ってきた。「インド式の式典で時間通りのものが進むわけないでしょう」としたり顔で言っていたが、それなら「俺も誘え」と思うのと「お前らイギリス人が人のことと言えるか」と思ったが、祝いの場なので、”I see.”で誤魔化した。

 披露宴は凄い人数だった。10人まで座れる円卓が25個置いてあったから、250名近くが招待されていた計算になる。こんな結婚式に出たのは、日本ではファミリービジネスを営む高校時代の友達の披露宴以来だ。もっとも、インド出身の同僚によると、「インドでは参加者1000名を超える披露宴も珍しくない」らしいので、これでも少ないぐらいなのかもしれない。

(凄い数の招待客です)


 披露宴の形式は日本と似ていると言えば似ている。親や本人たち、そして友達のスピーチがあって、それに芸が加わる。ウエディングケーこのカットもある。違うのは、招待客も交えたダンスタイムがあることぐらいか?ヒンズー?(インドの)モダン音楽に合わせて、私も踊らせてもらった。とっても楽しいである。

(インドの音楽に合わせて老若男女踊らなソンソン!)


 デザートも含め一通りインド料理(もちらんカレー中心)の食事が終わった段階で5時半ぐらい。招待状には6時に終わるようなことが書いてあったが、6時半になってもとても終わりそうな雰囲気はない。むしろ、踊りの方がますます白熱する一方で、これからどうなるのだろうかと思った。しかし、廻りを見渡すと、三々五々に皆さん失礼している人もいて、踊り狂っている同僚を除いては、会社の同僚はいつの間にか、ほぼ引き上げていることが判明した。「こういうものか」と合点が行き、しばらく踊った後、新郎新婦に別れを告げ、帰途に着いた。(今日、その踊り狂っていた同僚に「何時までいたのか」と聞いたら、「9時までは居たがその後は良く覚えていない」とのことだった。帰って正解だった。)

 まあ、いろいろ興味深い結婚式、披露宴であったが、なにはともあれ職場の誰もから愛されているベストカップルとも言える新郎・新婦らしい、素晴らしい式だった。心から祝泊するとともに、「結婚式には新郎新婦のこれまでの人生全てが現れる」という私のつたない持論が、イギリスでもまったくもって当てはまることを確認した結婚式だった。

 ※余談だが、招待状は夫婦、カップル等の単位で配られているらしく、社内の私が今まで気づかないカップルが数組もいることに気づかされたのは、えらく衝撃的だった。「ええ、この人にこの人だったのか~」ってなかんじで。

 2010年7月18日
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祭 セントジェームス (Matsuri St. Jame's)

2010-07-18 19:52:03 | レストラン・パブ (in 欧州)
※写真はイメージです。
 
 取引先の方のご招待で、ロンドン中心部メイフェア地区にある日本食レストラン 祭 セントジェームス にでかけました。

 入り口を入って階段を下ると大きなねぶたが壁に飾ってあり、そういえば、もうすぐねぶた祭りの季節だなあと思いだしました。店は照明を落としたシックで落ち着いた感じで、高級感が漂います。

 コース料理で、突き出しから始まって、刺身、天ぷら、そしてメインの鉄板焼き。私は、フィレステーキとエビを頼みましたが、厚さ2センチ以上もあると思われるスコットランド牛を、目の前で焼いてくれます。料理人の方は、中東系の方に御見受けしましたが、さばき方は堂にはいったものです。手際良く、如何にも美味しそうに調理してくれますから、見ているだけで、食欲がそそられます。

 デザートでアイスクリームを乗せるクレープを焼くときに、照明を落として、青い炎が舞いあがる中アイスクリームをあぶるパフォーマンスがありますが、それ以外は淡々としているので、サーカスみたいな鉄板焼きパフォーマンスはあまり好きでない私には好感が持てました。味付けの方も、グッドです。一緒に行った英国人もとっても喜んでいました。

 あとで、ホームページを見ましたが、きっと太鼓というコースだと思います。ちょっとお値段が個人で気楽に行くには安くはないですが、お仕事や観光のお客様をお連れするには良いかと思います。

※ホームぺーじはこちら→
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ハムステッド シアター 『サロメ』 ("Salome" at Hamptead Theatre)

2010-07-17 20:15:35 | ミュージカル、演劇
 家から比較的近いところにHampstead Theatreというミニシアターがあります。一度、どんなところか行ってみたいと思っていたのですが、6月下旬から「サロメ」をやっているということで、オペラはこの間見たので、演劇ではどうなるのか興味深く、行ってみることにしました。


 中は、丁度、150名から200名位定員の、とてもこじんまり劇場です。ただ、設備はとても新しく、椅子もとてもクッションが効いていて快適な劇場。そして、なにより、舞台が手の届くようなところにあり、俳優さんの表情や演技の迫力が直に伝わってくるのが嬉しいです。その昔、友人の劇団が下北沢のミニシアターで行った芝居を見に行ったのを思い出しました。

 さて、「サロメ」は、なんともエロチックでグロテスクな演出でした。サロメや王の性的錯乱ぶりを強調しており、いささか趣味が悪いと言えば悪い。原作からしてエキセントリックなので、それほど驚く程ではないですが、オペラのように音楽が無い分、演出の印象がより強くなる。舞台設定は現代、もしくは未来?を感じさせるもので、無機質な効果音と合わさって、SF映画(マトリックスみたいな)を観るようでしたが、それなりに楽しめるものでした。

 俳優さんはいずれも熱演。ミニシアターならではの俳優さんの息遣い、体温までを感じる舞台だった。あえて、難を言えば、サロメはちょっと軽すぎるんじゃないかなあ。プリンスと言うより、ヤンキー姉ちゃんという感じでちょっと自分のイメージと違った。王も中年狂気オヤジだったので、これもイマイチ。

 やっぱり、音楽があるオペラの方が好きかも。

 しかし、こんなに気軽に、近くで演劇が楽しめるのは嬉しいです。また、時間のある時に、ふらっと立ち寄ってみたいと思います。

(カーテンコール)



Headlong and Curve Theatre, Leicester present

Salome

by Oscar Wild

22 June - 17 July 2010

Cast: Zawe Ashton, Richard Cant, Vyelle Croom, Sam Donovan, Jaye Griffiths, Con O’Neill, Nitzan Sharron, Tom Byam Shaw, Seun Shote, Tim Steed.

Director: Jamie Lloyd
Set and Costume Designer: Soutra Gilmour
Lighting Designer: Jon Clark
Composer and Sound Designers: Max and Ben Ringham
Movement Director: Ann Yee

at Hampstead theatre

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とある職場の会話 夏休み

2010-07-17 08:27:05 | ロンドン日記 (日常)
先日のバルセロナでの会議後の会食での会話。仕事や職場の話題、ワールドカップなど話題はいろいろだが、やはり季節柄、夏休みの話題ははずせない。

一緒のテーブルだったメンバーの夏休みのさわりを紹介すると・・・

オランダ人マーケティングマネジャー: 昨年買ったスペイン北部の別荘にて3週間ゆっくり
フランス人支店長: フランス南部のリゾート(名前は忘れました)で2週間。自宅でバカンスの前後3日づつお休みで計3週間。
アイルランド人(イギリス勤務)プロダクト部長: 家族でアイルランド帰郷及び友人家族とキャンプで3週間
スペイン人営業部長: スペイン南部のリゾートで2週間。自宅で一週間で計3週間。
私: とりあえず1週間のお休みの予定。旅行はスコットランドへ3日ほど。

同僚達も、日本人があまり休暇を取らないのは知っているので、驚かれると言うより、改めて、呆れられているという感じです。

おかしいな〜、同じ会社に勤めているもの同士なのに何でこんなに違うんだろう。

日本人も休むようになってきたとはいえ、欧州人にはかなわない。もちろん個人としては、欧州人並みの休暇がとれればうれしいけどるにこしたことはないけど、周りへの迷惑とかどうしても考えちゃうし、日本の会社ってみんなで一生懸命労働することに価値を置いてきたからこそ、成長してきたみたいなところもあると思っていて、日本人が欧州人みたいに休みを取ることが普通になったら、日本人の競争力ってなんだろうと真剣に思っちゃう。生産性を上げるべきだという議論もあるのもわかるし、これまでの日本みたいに滅私奉公で、休みも取らずただがむしゃらに働くのが良いとも思わない。要は、オンとオフをしっかり切り分けて、生産性上げて、メリハリつけて仕事をして、成果を上げればいいのだろうが、卵と鶏の議論みたいなところもあって、ただただ休みを取ることを奨励したり、時間外を削ることに一生懸命になっている今の日本の風潮もにも疑問が残る。

自分の考えがまとまっていないので、わけのわからない文章になっているが、休みを取ることを奨励してがゆえに会社の業績が落ちたという話は聞いたことがないから、日本企業の会社員はよっぽど無駄な仕事をしているということなのだろう。

思い切って、今年は2週間ぐらいとってみようかな〜

2010.7.16
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Open Air Theatre "The Comedy of Errors" (リージェント・パーク 野外劇場 『間違いの喜劇』)

2010-07-15 21:52:55 | ミュージカル、演劇
※先週末の土曜日の記録です。

 5月下旬から8月まで夏の間、リージェントパークの野外劇場で、シェイクスピア劇をはじめとした芝居をやっています。昨年の夏、初めて出かけ、そののどかな雰囲気に魅了され、今年も1回は行きたいとと思っていました(昨年の観劇記はこちら→)。ここ数週間、ロンドンは夏日が続き、まさに野外劇にはこれ以上はないという感じの気候が続いています。

 鳥が舞い、遠くから公園で遊ぶ子供たちの歓声が届く野外劇場。劇場の周囲を取り巻く木々の深い緑と夕焼けの空が美しいです。会場はほぼ満員。皆夏休みらしいリラックスした服装で気軽に見に来ている感じです。

(開演前の様子)




 この日の演目はシェクスピアの『間違いの喜劇 (The Comdedy of Errors)』。シェクスピアの初期の喜劇で、もっとも短いものですが、2組の双子を巡る取り違いによるドタバタといえばドタバタ劇。でも、何よりも、微笑ましいストーリ展開(「こんな間違いありえねえだろう」という間違いばかり)が、のどかな野外劇場の雰囲気にぴったりあっています。



 そよ風に当たり、段々と夕闇に包まれていく舞台を観ながら、シェイクスピアの英語のリズムを聞いているのは、音を聞いているだけで心地よいです。イタリアオペラの英語訳を聞くとやっぱり原語上演がいいなと思うのと同じで、シェイクスピアの英語の音は格別な響きがあると思います。



 ロンドンの夏にぴったりの娯楽であることは間違いないです。結構、くせになりそうです。

(カーテンのないカーテンコール)





 ※ Open Air Theatre のホームページはこちら

10 July 2010, Saturday 20:00

The Comedy of Errors

Creative Team:
Director Philip Franks

Installation, Set & Costume Designer Gideon Davey
Music Matthew Scott
Movement Director Quinny Sacks
Lighting Designer Zerlina Hughes
Sound Designer Fergus O'Hare
Casting Director Joyce Nettles
Fight Director Paul Benzing
Voice Coach Barbara Houseman

Cast:
Alister Cameron : Solinus, Duke of Ephesus
Anna-Jane Casey : The Courtesan, a singer
Josh Cohen : Dromio of Ephesus
Tim Freeman : 2nd Merchant
Richie Hart : A soldier
Jo Herbert : Adriana
Joseph Kloska : Dromio of Syracuse
Daniel Llewelyn-Williams : Antipholus of Ephesus
Christopher Logan : An officer
Christopher Ravenscroft : Egeon, a merchant of Syracuse
Sophie Roberts : Luciana, Adriana's sister
Veronica Roberts : Emilia, an Abbess
David Shaw-Parker : Balthasar, a priest
Tom Silburn : 1st Merchant
Richard Warrick : Angelo, a goldsmith
Daniel Weyman : Antipholus of Syracuse
Faye Winter : Luce, a maid
Alan Brown : The Porpentine band
Paul Frankish : The Porpentine band
Richie Hart : The Porpentine band
Tom Silburn : The Porpentine band
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