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期待し過ぎた私が悪い?

2015年06月09日 | ブックレビュー

 先日書店で見かけた本。浅田次郎先生の「日本の『運命』について語ろう」というの。私は幕末オタクであり、なおかつ浅田先生の幕末維新あたりの本は大好きです。この本のオビでは<近現代史に疎い現代人必読の書> <私たちは、幸せになれるのか。衆より個の利益を、未来より現在を大切にする今の日本。150年で起きたこの国の「変容」を、知の巨人が深い洞察力と明快な論理で解き明かす。> <驚きと発見に満ちた、白眉の日本人論。> などと、「これでもか!」というくらい魅力的な言葉が並んでます。

 私は幕末維新あたりの本は相当読んだのですが、その後明治大正と来て現代にどう繋がってきたのかとか、なぜあの戦争に突入したかとか、今のいろいろな仕組みができた流れは、とか知りたいと思いつつ、どうにも維新よりあとには進めず。

 そんな私がこの本を手にとってパラパラっと見たところ、「これだ!」と思って買ってきたのですが…。案外内容が軽いというか踏み込んでないというか掘り下げてないというかサラッとしてるというか、まぁそこまでくどく言いたくなるくらいの感じです。面白くないわけではないのですが、やはり浅田先生の本は小説で読むのがいいと。

 で、あとがきを見たらこれが講演録だというのがわかりました。どおりで…という感じですが、まぁ浅田先生がどうのというよりは不満を言いたくなるのは幻冬舎の方ですね。とはいえ最後まで読んだので、いろんな意味で勉強になりました。人生日々勉強です。