編曲家大村雅朗さんの足跡をたどったテレビ番組「風の譜~福岡が生んだ伝説の編曲家 大村雅朗~」が、BS日テレで放送されます。昨年九州ローカルで放送されたものですが、ファンの熱意と関係者の努力が実ったのでしょう。
大村雅朗さんについては名前を知らなくても、その編曲した曲を聞いたことない人はいません。有名なところだけでも、八神純子「みずいろの雨」「パープルタウン」、吉川晃司「モニカ」、大沢誉志幸「そして僕は途方に暮れる」、渡辺美里「My Revolution」、河合奈保子「スマイル・フォー・ミー」、佐野元春「アンジェリーナ」、ばんばひろふみ「SACHIKO」、渡辺徹「約束」などなど。
特に目立つところでは一連の松田聖子作品「青い珊瑚礁」「チェリーブラッサム」「夏の扉」「白いパラソル」「SWEET MEMORIES」「時間の国のアリス」「ハートのイヤリング」「天使のウインク」「ボーイの季節」があって、「SWEET MEMORIES」は作曲も手掛けています。この曲ではその年のレコード大賞編曲賞を受賞しました。
この番組の内容は「共に時代を歩んだアーティスト達のインタビューやスタジオ・ライブ、数々の映像資料や再現ドラマなどで、大村さんの功績や音楽への情熱、知られざる人間性を描いた」もので、八神純子さんと渡辺美里さんの対談、八神純子さん、中島愛さんが大村さんの実際のレコーディングに数多く参加した豪華なミュージシャンを迎えてのスタジオライブまであるとか。
そして大村さんと多くの作品で組んでいた作詞家の松本隆さんが、大村さんの地元の福岡まで行って実家や母校を訪ねるという内容もあるそうで、そもそもなぜこれがローカルでしか放送されなかったのだろうと。
私が大村さんを強く意識したのは、1978年に発売された石川ひとみさんのアルバム「くるみ割り人形」で、全10曲中8曲が大村さんの編曲でした。そもそもシングルの「くるみ割り人形」もそうだったのですが、このアルバムの「サムシング・フォーリン・ダウン」という曲が衝撃で「ひえっ、新人アイドル歌手がこんな曲やるの?」と驚いたものです。
その後は上記の通り、担当した楽曲が次々大ヒットし、アイドルやニューミュージックだけではなく甲斐バンドの「REPEAT & FADE」というアルバムで田中一郎さんと組んでたりしたので、「へぇ~こんなのもやるんだ。」と思ったりしました。あれはもしや福岡繋がりだったのでしょうか。
なので、私としては一番好きな編曲家であることは間違いありません。亡くなったのは23年前で46歳だったとか。なんと若かったことか…。
放送はBS日テレで6月28日(日) 18:30~19:54。番組サイトはこちらです。これは録画せねば! そして次は是非地上波でも!