宇江佐真理
『恋いちもんめ』★★★+
雪予報の週末読書に宇江佐さん
誰の邪魔も入らずにお江戸の世界へ。
(こういう日もあるのね)
--------(抜粋)
年頃を迎えた水茶屋の娘・お初の前に、前触れもなく現れた若い男
青物屋の跡取り息子で栄蔵と名乗る青年は、 彼女の見合い相手だった。
その清廉な人柄に、戸惑いながらもしだいに惹かれてゆくお初
だが、ある事件を契機に二人の関係は思わぬ方向へ進み始める…。
運命のいたずらに翻弄される純愛の行き着く先は?
感涙止まぬ、傑作時代小説
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残念ながら主人公に感情移入が出来なかった。
最後が何とか纏まって少々ホロリ
それじゃなきゃ人生は厳しいって感じかな。
ホント江戸時代の恋愛って大変!
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「そうだね。でも、あの人、 栄蔵さんのことを訊くかも知れないよ」
おしょうは上目遣いでお初を見る。
「知らないって応えるよ。品川で落ちぶれていましたなんて、 とても言えないもの」
そう言うと、おしょうは俯いた。それから洟を啜り出した。
「おしょうちゃん、泣かないで。あたし、平気だから」
「平気なものか。あたしにはわかる。 お初ちゃんは人前では気丈に振る舞っているけれど、きっと毎晩、 蒲団の中で泣いてるんだ」
おしょうの言葉にお初は、ぐっと詰まった。
それは図星だった。
「もう、何でもお見通しなんだから」
お初は悪戯っぽい顔でおしょうの太い腕を叩いた。
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こういう友情場面がよきね。
わたしにも泣いてくれる友達がいる。うるる