新田次郎
『孤高の人㊤』★★★★
さくさく年明け読書
読ませる長編登場!って感じ。
新田次郎ですよ浅田さんじゃないですよ~
(先日も勘違いされた)
--------(抜粋)
昭和初期、ヒマラヤ征服の夢を秘め、 限られた裕福な人々だけのものであった登山界に、 社会人登山家としての道を開拓しながら日本アルプスの山々を、 ひとり疾風のように踏破していった"単独行の加藤文太郎"
その強烈な意志と個性により、 仕事においても独力で道を切り開き、 高等小学校卒業の学歴で造船技師にまで昇格した加藤文太郎の、 交錯する愛と孤独の青春を描く長編
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加藤文太郎
名前を「ふみたろう」だと読み進めて、下巻で「ぶんたろう」 だと知る。
いつの時代にもいる「嫌な奴」
屈せず我が道をゆく文太郎にエールを!
端から見たら何を考えているのか分からない、
ある意味薄気味悪さを漂わせている「変わった奴」だけどね。
その真っ直ぐ過ぎる一本気な性格がどういう経過で死を迎えるのか?
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「なあ、加藤、お前地図遊びってことを知っているか」
新納友明がある夜加藤にいった。
「五万分の一の地図を八つに折ってな、 その地図を片手に持って歩き廻るんだ。帰って来たら、 その地図の上に歩いた道を赤鉛筆で引くんだ。毎週日曜日には、 出かけて行くとして、一カ月で真赤になるところもあるし、 中には、二つきかかっても三つきかかっても、 いっこうに赤線が入らないところもできる。 山なんかそう簡単ではないからな」
「おれは孤独に勝って見せる」
加藤は震えながらそうつぶやいていた。
山はいう。
「加藤よ、お前は生涯の単独行を誓うことができるか」
「誓います」
「では、山はお前の生命を保証する。だが、加藤よ。もし、 この契約を破った場合は、 山はお前の生命について責任が持てない:
加藤は、そんなばかばかしいことを考えながら、 いったい登山とはなんであろうか、 なんのために山に来るのだろうかという、 あの難解な問題にふとつき当たるのである。
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さて下巻へと続きます。
(現時点で1/3 勢いよく終わっちゃいそう)
緊急事態宣言発令
(何も変わらず・・感染者よどこにいる?)
三連休は何読もう?
山が呼んでいる。
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