大学1年の時、毎週金曜日と土曜日の夜に、友達とふたりで映画館の売店でオールナイトのアルバイトをしていました。映画の休憩時間に混み合う程度で、あとは至って暇でラクチンな仕事でした。
始発電車が出る前の午前5時には仕事から解放され、私たちは近くのオールナイト喫茶店で、夜明けのモーニングを食べるのが習慣になっていました。
その喫茶店にはジュークボックスがあり、それで洋楽の新譜をチェックしていました。新しくセットした曲は、レコードジャケットが掲示されていて、捜しやすくなっていました。
カーリー・サイモンの「うつろな愛」も、そこで初めて聴きました。
原題の「You're So Vain」が、友達の徹夜明けの青白い顔にマッチしていたので、選曲してみました。
大口カーリーの、ねっとりとした声が、哀愁を含んだ旋律に見事に調和して、切ないような、懐かしいような気分になりました。途中のコーラスの部分で聴こえるミック・ジャガーの声も、曲に不安の彩りを添えるスパイスになっていました。
いまでもこの曲を聴くと、冬の夜明け時の、遺跡のような街並を思い出します。
始発電車が出る前の午前5時には仕事から解放され、私たちは近くのオールナイト喫茶店で、夜明けのモーニングを食べるのが習慣になっていました。
その喫茶店にはジュークボックスがあり、それで洋楽の新譜をチェックしていました。新しくセットした曲は、レコードジャケットが掲示されていて、捜しやすくなっていました。
カーリー・サイモンの「うつろな愛」も、そこで初めて聴きました。
原題の「You're So Vain」が、友達の徹夜明けの青白い顔にマッチしていたので、選曲してみました。
大口カーリーの、ねっとりとした声が、哀愁を含んだ旋律に見事に調和して、切ないような、懐かしいような気分になりました。途中のコーラスの部分で聴こえるミック・ジャガーの声も、曲に不安の彩りを添えるスパイスになっていました。
いまでもこの曲を聴くと、冬の夜明け時の、遺跡のような街並を思い出します。