1973年、大学に入学した私はフォークソング同好会に入会した。
フォークソング同好会と銘打っていたものの、厳密なフォーク縛りはなく、ポップスやロック、果てはカントリーやブルーグラスも混在していた。
そんな中で、突出していたのが、先輩のビートルズのコピーバンドだった。
結構なテクニシャン揃いで、学内のコンサートはもちろん、女子大のコンサートやビアガーデンのアルバイトにも出演していた。
当時はギターを弾けるというだけで羨望の的だったし、ビートルズのコピーバンドともなると、もはや学内の一部ではアイドル並みの人気だった。
バンドのメンバーはそれぞれに個性的だった。
ジョン役は、茶髪のロン毛で、レノン風メガネをかけ、歌い方もジョンの完コピだった。
また、ビートルズ関連の雑誌や新聞記事を丹念にスクラップしていた。
ポール役はビートルズの全アルバム、シングルを所有していた。愛器は国産のヘフナーのコピーモデルのバイオリンベースだった。
彼にはビートルズ・ナンバーのウンチクやトリビアを聞かされ、大いにビートルズに関する視野が広がったものだ。
ジョージ役は、デビューアルバムの『プリーズ・プリーズ・ミー』とラストアルバムの『アビイ・ロード』しか持っていなかった。
メジャーデビュー間もない頃の、溢れる上昇志向と、解散寸前の奇跡の完成形を聴き比べるのが、真のビートルマニアだと自称していた。
リンゴ役は金持ちの御曹司で、自宅にコンサート用のドラムセットと、部室に練習用のドラムセットを置いていた。
彼は1回生の時に、イギリスに旅行して、ビートルズの聖地巡りをしたのが自慢だった。キャパーン・クラブの前やアビイ・ロードの横断歩道で、現地の人間と撮った写真を見せてくれたものだ。
私も大学に入学したら、ビートルズ・バンドを組もうと漠然と考えていたけど、そんなことを見たり聞いたりして、その考えは霧散した。
まあ、それ以前にエレキギターを買う金もなかったし、メンバーも揃わなかった。
仕方なく、二人組のバンドを組んで、アコギでビートルズのアコギ曲やサイモン&ガーファンクルをシコシコとやっていた。
あれから半世紀以上の時が流れ、フェイスブックのビートルズ関連の投稿を見るにつけ、あのコピーバンドのメンバーを懐かしく思い出す今日この頃だ。
フォークソング同好会と銘打っていたものの、厳密なフォーク縛りはなく、ポップスやロック、果てはカントリーやブルーグラスも混在していた。
そんな中で、突出していたのが、先輩のビートルズのコピーバンドだった。
結構なテクニシャン揃いで、学内のコンサートはもちろん、女子大のコンサートやビアガーデンのアルバイトにも出演していた。
当時はギターを弾けるというだけで羨望の的だったし、ビートルズのコピーバンドともなると、もはや学内の一部ではアイドル並みの人気だった。
バンドのメンバーはそれぞれに個性的だった。
ジョン役は、茶髪のロン毛で、レノン風メガネをかけ、歌い方もジョンの完コピだった。
また、ビートルズ関連の雑誌や新聞記事を丹念にスクラップしていた。
ポール役はビートルズの全アルバム、シングルを所有していた。愛器は国産のヘフナーのコピーモデルのバイオリンベースだった。
彼にはビートルズ・ナンバーのウンチクやトリビアを聞かされ、大いにビートルズに関する視野が広がったものだ。
ジョージ役は、デビューアルバムの『プリーズ・プリーズ・ミー』とラストアルバムの『アビイ・ロード』しか持っていなかった。
メジャーデビュー間もない頃の、溢れる上昇志向と、解散寸前の奇跡の完成形を聴き比べるのが、真のビートルマニアだと自称していた。
リンゴ役は金持ちの御曹司で、自宅にコンサート用のドラムセットと、部室に練習用のドラムセットを置いていた。
彼は1回生の時に、イギリスに旅行して、ビートルズの聖地巡りをしたのが自慢だった。キャパーン・クラブの前やアビイ・ロードの横断歩道で、現地の人間と撮った写真を見せてくれたものだ。
私も大学に入学したら、ビートルズ・バンドを組もうと漠然と考えていたけど、そんなことを見たり聞いたりして、その考えは霧散した。
まあ、それ以前にエレキギターを買う金もなかったし、メンバーも揃わなかった。
仕方なく、二人組のバンドを組んで、アコギでビートルズのアコギ曲やサイモン&ガーファンクルをシコシコとやっていた。
あれから半世紀以上の時が流れ、フェイスブックのビートルズ関連の投稿を見るにつけ、あのコピーバンドのメンバーを懐かしく思い出す今日この頃だ。
ビートルズのジョージ、ストーンズのキース。どちらもヘタウマギタリストだ。キースに至っては、歳をとってその素人顔負けのヘタさに、磨きがかかってきた気もする。でも、そのサウンドには、他のギタリストには出せない独特な味わいがあるんだよね。 そんな味わいの小説を、Amazon Kindle Storeに30数冊アップしています。★★ 拙著電子書籍ラインナップ・ここから、またはプロフィールのQRコードから買えます。
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