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お皿の欠けを繕う 金繕い

2011-01-11 23:55:39 | 暮らし



先日、お皿を欠いてしまいました。

漆を使って「金繕い」という技法で修繕します。

このブログを始める頃に一度ご紹介したことがあったと思います。

昨日に引き続き、漆です。


漆は優秀な接着剤です。

ただ私は肌が弱いため

本物の漆だとかぶれてしまいます。

山で漆の葉に触れただけで

次の日に怖ろしく顔がかぶれてしまった経験があります。





漆はちょっと変わっていて湿度が無ければ乾燥しません。

そのため室(むろ)に入れます。

室のなかで温度が25度前後、湿度が80%以上保たれていないと

漆は固まらないのです。


一般のお家では室なんて無理なので

お稽古ではこの漆を使っていました。

室に入れなくても3日ほどで固まります。


赤漆、黒漆、透き漆があります。

今回は透き漆を使ってみます。

時間が経って色がすっかり琥珀色になってしまいました。





欠けの部分に漆を塗ります。

一気に塗ってしまうのではなく

少し塗っては乾燥させ塗っては乾燥。

層を作りながら欠けを埋めていきます。

数日かかります。





最後に塗った漆の上から銀泥をのせます。

こういうのを銀を蒔く(まく)と言います。




完成です。

洋食器だけど銀を使ったので問題なさそうです。





修繕したものをお客様にお出しするのは失礼ではなく

金銀の繕いのあるものは逆で、

最高のおもてなしになるのです。


金繕いのあるものは時代によっては高値で取引されます。

特に時代が古いもので銀で蒔かれたものは高値です。

昔は金よりも銀の方が高価とされていました。


金や銀で欠けを修繕するなんて

昔は、お金持ちしかできなかったですしね。


京都の業者さんで小さな欠けをお願いすると

2万円ほどするらしいです。


室に入れて何日もかかりますからね。

日本の伝統工芸を代々受け継ぎ、守る職人さんの技術は

大切に受け継がれていくといいですね。


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