カプチーノノート cappuccino note

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岩波少年文庫「シロクマ号となぞの鳥」読了

2016-07-25 | 本を読む

ンサムサーガもこの本でおしまいです。

しかし、以前読んだはずなのに内容がまったく記憶に残っていなかったのがびっくりです。

鳥のことにあまり興味がなかったからか、この本ではあまり航海していなかったからなのか、とにかく印象が薄いんでしょう。

それに食べ物ネタも少ないし、子どもたちが食べ物に夢中になるほど子どもでなくなり、大人になりかかってしまったということなのでしょうか。

解説で佐々木さんという方が、子どもたちの中の最年長者であるナンシイの置かれた立場について言及しています。

彼女は子どもから大人になる境目にあり、二度と戻れない子ども時代を惜しんで、シロクマ号の航海をした休暇を終わらせたくないのだそうです。

まさに女性の視点から見たランサムサーガ評論です。

私はそこまで感じることはありませんでした。

たぶん、ランサムの筆力の衰えがナンシイの気持ちに反映しているのかもしれません。

お話も唐突に終わっています。

登場人物が成長する物語において、子どもが大人になるとき物語は終わります。

そして、ランサムが愛しすぎたキャラクター「ナンシイ」や「ジョン」を外して、新たな登場人部や物語を創造するエネルギーはもうランサムには残っていなかったのでしょう。

コメント
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