いろいろ「悪魔が来りて笛を吹く」を見てきた果てに再び1992年版を見ました。
西村知美ちゃんの美禰子はよいです。金田一と一緒に須磨に行くなんて映画版みたいでした。
このドラマの最大の設定変更は、三島東太郎を椿東太郎として初めから美禰子の兄として設定したところです。
なんでもそうですが、ちょっとした工夫でうまくいったつもりが、どんどん矛盾を生んでしまいます。
このドラマでの東太郎の両親は原作どおりですが、そうなると東太郎と椿英輔の関係がおかしくなってしまいます。
戸籍上一応、東太郎の父は英輔なのです。東太郎は父英輔が好きなのに、父と引き離されて英国留学させられてしまいます。
東太郎の指のケガは戦争によるものでなく犬にかまれた結果です。
英輔の性格から見て、こんな東太郎を悪魔の子呼ばわりするでしょうか?
だいたい英輔が須磨に行ったのは原作だと東太郎に脅迫されたからなのです。
このドラマで英輔が、東太郎が自分の子でないと知ったのは何がきっかけだったのでしょう。東太郎が英輔に言うわけなさそうです。
そもそも、こんな坊ちゃん育ちの東太郎が飯尾豊三郎なんて犯罪者を操れそうもありません。
このドラマで好きなのは鷲尾真知子さんの松月のおかみです。金田一との絡みが秀逸です。
「悪魔が来りて笛を吹く」のフルート曲を吹いて金田一が謎を解く手助けをしてくれます。