第220話 サーファー(出産は波に乗れ)

2009年07月12日 00時13分40秒 | 子育て・「おママごと」

来たな。実家にいたが、一人になりたくて、
私ん家(独身時代に過ごしていた一人暮らしの家。今は弟が暮らしている)に向かった。
出産は「人間が耐えうる限界の痛み」ときいた。
果たしてどれほどの痛みなのか・・・
親に苦しむ姿を見られたくなくて産卵場所に向かう海亀のように、深夜。
立ち会い出産を望んでいたので、主人にだけ連絡をした。

こ、これはなかなかに痛い。
ぐ~っとくる痛みにおトイレの側で倒れていた。
到着した主人が笑っている。
玄関から見ると、つきだしたお腹で私の顔が見えず、ラッコのようだと笑ってる!
来るの、遅いよぉと訴える私に、連絡を受けお風呂に入ってから来たという!!
笑うは、この緊急事態にこざっぱりしてるは、文句をいいたいところだが、
そんな余裕はない。病院に向かう。

病院につくとすぐLDR(分娩室)へ直行。助産師さんが主人にきく。
バスタオルはどこですか? 母子手帳はどこですか?
主人がバスタオル地のパジャマを差し出し、これではありませんと言われている・・・
しまった!
入院の準備を一人でしていたから・・・痛みの中、私が母子手帳他の場所を説明する。
入院セットの中に用意していたうちわ(あったら便利グッズ)など出てくるはずがない。
助産師さんが気をきかせて病院にあるうちわを貸してくれた。
せっかく可愛いうちわを用意していたのに・・・しかも、なまぬるい風しか来ないのは?
それは主人が自分をあおいでいるから!
主人からうちわを奪い取り、激しく自分であおぐ。
食事が出てきた。食欲などない。
ほんとに食べていいのかい?ときく主人に、どうぞと目をむく。
今、こうして綴っていてもあぁあの日の怒りがよみがえる。
私に話せる元気があったら絶対夫婦喧嘩勃発である(笑)

出だしは順調だったのだが、なかなかの長丁場となってきた。
後半、心の中で我が子にひたすら「出てきてください」と丁寧語で懇願。
そのうちに、あれ? 陣痛が来ない??
助産師さんが「後は自分のタイミングでいきんでください」という。
えー! 陣痛って期間限定なの?! そんなの知らない。きいてない。
あの痛みの波は、出てくる赤ちゃんと息をあわせるタイミングを知らせるものだったのだ。
あの波がなきゃ どこでどうのっていいのやら。自分で波をおこせって・・・
そりゃ大変。カムバック陣痛。必要な痛み。

産前、ずっとどこかに出産への不安、恐怖があった。
産後、人間が耐えうる限界の痛みは産声と共に過去のもの。
すぐに忘れてしまうものなのだと。
陣痛も痛かったが、その後の乳腺炎も痛かった。おっぱいが痛かった時、
陣痛の方が痛かったから耐えれるなんて振り返る起点にもなりゃしない。
痛いものは痛い。だが、過ぎ去ればけろっと忘れるもの。
痛みは更新しては消えていく。
出産を控えている方へ。 大丈夫! 

ビックウェーブを待って、波に乗れ!!

アドバイスというか自身への教訓である。
あ、後、入院の準備はぜひだんな様とご一緒に♪
出産エピソード1、「サーファー」終わり。エピソード2に、つづく。

コメント
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