第603話 アイツはどこへ行った?

2013年07月03日 04時04分51秒 | Weblog
木内昇さんの「みちくさ道中」(株式会社平凡社・エッセイ)を読む。
今日は読書感想文。

まっすぐ働く の中の 先延ばし という話 (以下、引用)

年始より年末のほうが好きである。有り体に言えば、「新たな一年をはじめるぞ」と意気込むよりも、
「ここらで一旦リセットしよう」と息を抜くほうが、据わりがいいのだ。

気がつけば、一年のおへそ。
折り返し地点でなんだが、今年もまた目標達成できないことが確定する。
年末は「すべてなかったこと」にできる、新年への期待渦巻くカウントダウン。
それは「リセット」できる心地よさだったのか!
この出だしの共感からこの先の話へ期待が膨らむ。

四十を過ぎて、あれ? こんなはずではなかった・・・と思うシーン多々。
ひっそり暮らす の中の 乗っとられる という話 (以下、引用抜粋)

衰え、というのは、徐々に訪れるものではない。ある朝起きたら別の体になっていた、というような唐突さで
それはやって来る。先日も、少し前まで余裕で行き来していた坂道を上ったら、見事に膝が笑った。
変調に気づくたび私は蒼白になり、自らの体に問いかける。「アイツはどこへ行った?」と。

あの腑に落ちない感じを「アイツはどこへ行った?」と表現できるすばらしさに震え、
プロ(書籍化される著者)とアマ(ブログで自由更新レベルの私)の違いを思い知らされる。
私も著者のように自分を押し出さずして、そこはかとなく人柄香る文章を書きたいものである。
コメント
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