冬の風物詩、大学入試センター試験。
毎年この時期、センター試験(に向かう受験生の映像等)がニュースとして流れ、
あの美しき受験生のことを思い出す。
その昔、試験監督(のアルバイト)をする。
仕事としては問題の配布や解答用紙の回収などあるが、
監督という名のごとく不正防止の目的もあり、試験中の巡視も重要な任務だ。
受験生の背中を見ながら、人によって問題の解き方は様々だなと思ったが、
その人は何から何まで美しかった。
まず、「解答始め」で他の人と違う雰囲気を醸し出す。
他の人が問題を解き始める(制限時間内にという前傾姿勢になりがち)のであれば、
その方はゆったりとすべての問題に目を通す。(すぐに取り掛からず、全体像の確認から)
決して彼ばかりを見ていた訳でない。
数科目の繰り返しの中、巡視のカット映像をつなぎあわせて見えてきた彼のリズム。
儀式のような彼の解き方には独特のオーラがあった。
試験終了後、なぜか彼が最後まで部屋に残っている。
我々監督者は忘れ物のチェックや会場の片づけもある。
退室をお願いするため、一声かけなければいけないのかなと思う頃会いに
ようやく立ちあがり、一礼をした。
「本日はお世話になりました。ありがとうございました」
そんな気持ちが伝わる試験監督を含めた会場への一礼。
その所作の美しさに・・・忘れられない光景である。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます