第259話 ぼちぼちホテルジャンキー

2009年11月29日 01時56分07秒 | 泊まる(ホテル・旅館)

営業職である主人は高級ホテルにサービスを学びに行く。
またある時は、汚い我が家に耐え切れず、ホテルへ避難する。
すべてが整えられ、水滴一つ落ちていない。生活臭のない完璧な空間。
できる限り高層階の、できる限り広い部屋で、となると、
一泊でこのお値段ですか?! となる。
衣、食、住。どこに一番重きを置くかと問われたら、私はやはり、食。
寝るところなんてどこでもいいじゃないか!
でも、あなたが行くと言うなら、私も行く。

ということで、交通費のすべてを宿泊費にかけ、
私も近畿一円の一流ホテルというものを体験させていただいた。
もちろん我々は裕福ではない。
育児休暇を利用しての平日泊の最安値狙い、3年もの月日を費やし、
やっとこさ ここに感想を綴ることとなった。
見るからに裕福ではない我々、自身でも背伸びをしている客であることは承知。
おのぼり度満点のうえ、乳幼児連れとくれば、態度にこそあらわさなくとも、
迷惑指数の高い客。そこが、またそのホテルの本音(本質)の出やすいところ。
こんな我々に対しても感じのいい接客をしてくださる方もいれば、
ホテル名というブランドを自身の格としてふるまう方もいる。
後者にあたっては一流といわれても、私には「人」を感じないホテルだった。
ふと、これは、たった1人のイメージだと。
ホテルマンの日常が、お客側にとっては一期一会。
そう考えると、職場は決して単調な毎日の連続ではなく、
働く側にとっても一期一会の真剣勝負か・・・
たった1人が、その企業の印象を左右する。なんとおそろしい。

私も私なりにサービスを考える。
心地よいサービスとは? ほどよさとは? あたたかさとは?
部屋に向かう期待感の中で、
ビジネスホテルの匂い、あれは一体なんだろう・・・どこが? 何が? 違うのか。
行き届いた手入れを感じながら、部屋をあけた瞬間の、「洗練」への感嘆。
空気のたたずまいに癒されていく。美というのは圧倒的だなと。

いいホテルには、また泊まりたくなる(主人が)
しょっちゅういけるわけではないから、貯まってから行く(笑)
すると、以前宿泊した時よりタオルやティッシュの数が減っているではないか。
コースターが薄くなっている! アメニティーも変わってしまってる。
こんな高層階にも経費削減の波が押し寄せていることが、嬉しいような。
余分にあるという贅沢さ失くさねばならないことが、悲しいような。

経費ついでに、もうひとつ。
チェックインの丁重なおもてなしとチェックアウトの事務的なお見送り。
すごくはっきりしていて? 面白いなぁと思う。
チェックアウトの時の方が荷物は重くなる場合が多いし、フロントに人が並ぶ。
チェックアウト時に、荷物を下に置くと汚れますのでとフォローしてくれた方が。
ほほぉ~。まだまだサービスを創造提供できる余地は残されているんだと興味深い。
帰りに、(希望により)荷物を運んでくださる方がいたら嬉しいなとか。
大浴場前(旅館)に置いてある一口サイズのアイスクリームは感動した。
あったらいいなやあって嬉しかったをあわせて、究極のお宿を考えている。


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