学童に迎えにいくと、「今日、カマキリつかまえてん」と嬉しそうに言う。
珍しく「今日の出来事」を話してくれる息子の手に見たこともない箱が。
ふたに無数の穴が開いている。 ヤな予感・・・「見て」 (現物)
「え~、飼えないよ~。逃がそう」
怒ったわけでも深刻に言ったわけでもなく、笑いも交えて何気なく言ったのだが、
振り向くと、息子が下を向き、ポロポロ涙を流しているではないか。 へ?
「僕な、何回も、何回も、捕まえようとしたけど、捕まらんくて、やっと捕まえられたのに・・・」
そっか・・・そんな幾度もチャレンジの末の捕獲だったとは・・・
「ごめん。ママ、知らなかったから・・・飼おう」 息子、泣き止む。
「で、カマキリって何食べるの?」
「バッタとか、コウロギとか」
それは、本当の餌だよね・・・カブトムシのゼリーみたいな餌があるのでは?
パパに「帰りにカマキリの餌を買ってきて」メールを送ると、
「カマキリは生きたものしか食べない肉食だ」と返ってくる。
「え~、やっぱり飼えないよ。逃がそう」 再び、息子が泣く。
家で飼うことで、亡くなってしまうことを説く。 「明日、学校で 逃がそう」
学童に迎えに行った時、息子が言う。
「僕な、カマキリに『頑張って生きや』って言って逃がしてん。 右目から涙がポタッて流れた」
そっかぁ・・・晴れたり、曇ったり、幼心と秋の空。
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