広ーい、よく刈られた雑草交じりの芝生で、2羽のカラスが仲良く
ミミズ取りをしていた。
多分つがいに違いない。1メートルぐらいの距離をずっと保っている。
獲物は、かなり大きいドバミミズで、大量にいるようだ。
バカなカラスはと言うと・すみません、私の主観です。何しろ2羽し
かいないのだから、もしかしたら、こっちが普通なのかもしれません。
ミミズをくわえたら、めいっぱい背伸びをして引っこ抜こうとする。
でも抜けない。くちばしの先端までは、地面から30㎝はある。
そこでいったん溜めて、3秒ほど踏ん張る。たぶんプッツンとちょん
切れるか、スッポンと引っこ抜けるのをイメージしているんだろう。
でもびくともしない。
そこで考えた。やっぱりバカじゃないんだよ。普通なんだと思う。
サッとくちばしを素早く地面まで降ろした。真ん中あたりをくわえな
おせばいいんだよ、と思ったようだ。
残念。ミミズが同じ速さで縮んでしまったようだ。
もう一度トライした。更に2度。やっぱり駄目だった。
5度目のしょうじき、うまくいった。ミミズが疲労してしまったよう
だ。
では、利口な方のカラスはどうしたのか。実に簡単なので、あまり面
白くない。
最初は隣のカラスと同じようにつまんで、くちばしを天高く持上げた。
そして次も同じく3秒間溜めた。この3秒間でバカと利口とはっきり分
かれてしまうようだ。
彼(彼女かな)は、そのまま後ろに下がったではないか。
おみごと、いとも簡単にスッポンと、引っこ抜いてしまったではない
か。すかさず2匹目に取り掛かる。
隣のカラスは、5回目でひっこねけると学習したので、忙しく上下を繰
り返している。
私は不謹慎にも、ラーメン屋で頭上高々とお箸を上下していた人を思い
出した。何故、そのまま麺を口に入れないのか。それは、彼には心に決
めたルールがあるのだ。
「麺のもう一方は、必ずレンゲに載せなければならない」、というルー
ルなのだ。
やはり先ほどのカラスのように、2回ほど上下させた。「なんて長い麵
なんだ。ばかやろー」なんて思っているに違いない。
麺の端っこをつまんでしまったことに、気が付いていないようだ。
今度彼に会ったら教えてあげよう。「後ろに下がればいいんだよ」「どん
ぶり持って下がっちゃだめだよ。同じじゃん」「レンゲだけ持ってけよ」
やっぱり、殴られるかな。
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