昨日のつづき。
これから開発する新車は、10年後に中古車になった時、エントリーユーザーが、気
軽に楽しめる物でなければならない。OHVエンジンが理想だ。
でもOHVと言うと、「馬鹿の一つ覚え」のように、おとなしい実用車のエンジン、と決
めつけてしまうやからが多いが、間違いだ。充分に高性能エンジンが作れる。
なーんて、言っている余裕はないのだ。10年なんて待っている余裕はないのだ。
1年以内にやらなければならない。いい方法があるのだ。
それは現行の原付2種中古車のオプションパーツを作ればいいのだ。
今私はハスラーのキャリヤを作るのに、四苦八苦しているが、この作業はエントリー
ユーザーには無理だ。私でさえ、ギブアップしそうなのだから。
サンプル車をベンリーCD125としよう。これを旅仕様、キャンプ仕様、釣り仕様にし
てみればいいのだ。まずは大きなキャリヤだが、必要ない。カブの業務用キャリヤが
簡単につけられる。なんと、これだけで全てクリアーしてしまった。
では面白くないでしょ。もっとスマートに、リヤキャリヤを外してしまって、フェンダーを
スッポリ覆ってしまうようなコンテナ、またはトランクを作ってほしい。50ℓで充分だ。
そしてこのトランクは、釣具用品メーカーと組んだ方が断然いい。「レイン用カバー」
付き、なんて絶対に言わないから。不要なのがあたりまえの業界だから。
つぎは、このトランクに入れる用品の開発だ。
私の希望はテントだ。いま、ありそうでないのがツーリングテントなのだ。テントメーカー
は、2輪でキャンプツーリングをしたことがない人が、開発しているようだ。
どしゃ降りの日の設営に、困ってしまったことがある人は多いはずだ。
理想のテントとはこうだ。
まず、フライシートから先に張って、それから本体をセットする。こうすれば室内が濡れ
ないで済む。設営が完了したら、前室の中でカッパを脱いで、ブーツをサンダルに履き
替えて全て終了となる。あとはサンダルと、こうもり傘で行動すれば意外と快適なはず
だ。と、まーこんな感じのテントだ。3キロ以下で仕舞い込み寸法の短い物がいい。
こんな簡単に出来そうなテントが無いんだから、2輪用品は、すき間商品の宝庫だね。
追加 スポーツ用品メーカーさんだって、見逃しちゃだめだよ。
ツーリング用蒸れずに歩ける防水ブーツ。ジャンバーの上から着られる超コンパクトウ
インドブレーカー。薄でのゴアテックス靴下。バイク用撥水防風スラックス。ポケットに
入るETC。
今のところゼロだよ、多分。
あとは釣竿用キャリヤがあれば私は充分だ。
2輪の場合は、マーケティングなどしている場合ではない。
まずは反省をしなければならない。それは、ポップ吉村さんが言っていたように、「若者に
禁断の木の実を売ってしまった」ことについてだ。
「レーサーを売ってしまっては、もうなにもやることがなくなってしまうだろう」と言うような
ことを言っていた。
予言は的中した。と私は思っている。ここまでバイク離れが、ひどくなってしまった以上は、
新車よりも、まずは「バイク好き少年の再生産」をしなければならない。
フルバンクしなくても、バイクは楽しい乗り物であることや、もっといろいろな楽しみ方があ
ることを、そして全くステータスから開放されたバイクがあることなどを、提案していく必要
がある。
メディアも同罪だ。よそ見している場合ではない。
キーワードは、「原付2種実用車の中古車」だ。高校生や、大学生が、アルバイトをして
気軽に買えるのは、5万円~10万円ぐらいの中古車になるだろう。
この値段で充分楽しめるバイクライフを教えてあげる必要がある。そしてこれくらいなら、
ご両親も安心して見ていられる範囲のはずだ。 つづく
こんにち、各メーカーとも新車開発のために、いろいろ統計を取って、ユーザーのニーズを
まとめる作業をする。
そして、たまーにユーザーがまだ気づいていない潜在需要などを発見したりすると、この上
なく喜ぶ。
学問上は実に素晴らしい作業である。でも我が推測学ではこれは間違いとする。
理由は、現在は車が必要な人達をターゲットにした企画開発を行っているからだ。大切なこ
とを忘れているのだ。
それは車好きの少年達のニーズである。早く18歳にならないかな。そしたら免許を取って
就職して、ぜったいに「エスハチ」の中古車を買って乗るんだ。45年前のニーズである。
こんにち、このようなニーズを気にしている余裕が無いのか、消去してしまっている。
でもその結果、フィットやプリウスのようなヒット商品を生み出した。企業としては大成功と
いえる。
今、若者の車離れがいちじるしい。業界は深刻な状況にある。と言うことは全くないので、い
っさい心配ではない。のかな?。
我が偉大なる4歳の孫は、映画カーズの全員のせりふを全て暗記している。台本一冊全て
と言うことだ。(すごいでしょ!)
ミニカーのコレクションもすごいものだ。(私が買ったのは、ほんの一部分だからね)
でも彼は、カーマニアにはならないはずだ。ちまたにエスハチやトヨタ800Sが走っていない
んだもの。
デジカメを持って、プリウスやフィットを追いかける少年がいたら、本当に気の毒だが彼は
変態だ。
これら、少年達の憧れを、大人になるまで大切に育てていくことを、推測学では「カーマニア
の再生産」という。
それには、今消去している、車好きのための車をドンドンちまたで走らせなければならない
のだ。(スーパーカーはだめだよ。あまりにも現実離れしているから)
そうしないとレンタカーやカーシェアリングの時代になってしまうよ。