歩く・見る・食べる・そして少し考える・・・

近所を歩く、遠くの町を歩く、見たこと食べたこと、感じたことを思いつくままに・・・。おじさんのひとりごと

髪を切る“ハサミの音色”と和服に“白い割烹着”の遠い日の想い

2007年12月20日 | 昔の思い出

シリーズは本日お休みします。

今日は何となく雑談などしたい気分なのです。

昨日は床屋さんに行って来ました。10時頃に突然!思い立ったのでした。普段は「そろそろ、床屋にでも?」と、2~3日前からそれなりに考えて床屋にいくのです。

昨日は、何故か突然、その気になったのです。すぐに自転車に跨り床屋に向かいました。それまでは、このまま来年まで床屋に行かなくても「問題ナイ」と思っていたのです。

今年の夏に、生まれて始めて「頭を丸め」ました。7月と8月に坊主に近い短髪に刈り上げ、それからずっと昨日まで床屋には行っていません。

4ヶ月ぶりの床屋です。1回千八百円ですからこの間、五千四百円が浮いた訳です。焼酎にして4リットル入りが3本も買える額です。かなりの節約です。


久ぶりの床屋さん、ハサミの音を聞きながら、昔の事を思い出しました。
以前、こちらに引っ越す前、東京の赤羽にいた頃です。

これまでの店よりも近く、歩いて3分ほどのところに、新しい床屋さんが開店したのです。

早速、行って見る事にしました。お米屋さんとラーメン屋さんの間にに挟まれた、小さなお店です。

店内に入ると「散髪イス?」が2脚、40代後半の夫婦と思われる二人でやっていました。

旦那が理容師で、奥さんと思われ女性は、和服に真っ白な「割烹着」を着て洗髪とマッサージが専門でした。

それで、その女性なのですが、髪を後ろに丸めて簪を刺し、妙に「艶っぽい」のです。和服を着た「身のこなし」が、最近まで「左褄」を取っていた匂いがするのです。

二人は余り会話をせず、眼や動作で相手に意志を伝え合っていました。それが、とても自然でした。

二人が向き合ったときの、微妙な表情の変化、離れた時の視線の送り方は、長年連れ添った、と云う感じではなく、とても新鮮な感じがしました。

訳ありの過去と決別して、二人だけで、新しい土地で、新しい暮らしを始めたのかも・・・・・・、そんな様子に見えました。

それで、髪結いの亭主ではなく、理容師の旦那の仕事ぶりなのですが、とても丁寧なのです。

耳の後ろから、襟首の生え際にそって、ハサミで髪を切り揃える時の、「ハサミ使い」が何とも云えずイイのでした。

耳に入る、ハサミの「音」と、云うよりも、「音色」と表現したくなるような、ハサミの刃先が「上下に擦り合」時の音、それに加えて、指の入る部分が、上下して「叩かれる」時の、堅く、高く、軽い、金属音。

リズミカルで、「音楽」を聞いているようでした。あまりの気持ち良さに瞼が自然に閉じてきました。

旦那も、ここが職人の「腕の」見せ所と、「かなり」意識してやっている「節」がありました。


昨日は、床屋でハサミの「音」を聞きながら、そんな昔の事を想い出したのです。

あの「ハサミ」の「音色」と、「真っ白い割烹着」が、とても懐かしいのです。今から20年ほど前の話しです。


それで、3年前のことですが、以前住んでいた辺りを歩き廻った際に、床屋のあった場所に行って見たことがあるのです。


米屋の隣に、その店は未だありました。通りすがりに店を覗いたのですが、30代の男性理容師が一人、客待ちでソファーに座り新聞を読んでいました。


写真を見ていて、いろいろ思い出しました。


来年、暖かくなった頃、また歩いてみようと思います。


それでは、また明日。




コメント
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