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映画“人間失格 太宰治と3人の女たち”を見て

先週末、映画“人間失格 太宰治と3人の女たち”が公開となった。監督の蜷川実花氏は高名な演出家・蜷川幸雄氏の長女で、著名カメラマン。どんな優美な映像で描き切るのか見てみたいと、急遽週末の映画館に予約した。とは言え、この歳になるまで実は太宰治は一切読んだことはない。そこで、急遽先週初め文春文庫の“斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 外七篇”を買って“斜陽”を読んで映画に臨んだ。 映画は、小説“人間失格”とは異なるスト-リーで、太宰の入水心中寸前の生き様を描いている。この映画の雑駁な感想から言うと、どうやら全てスタジオ撮影のようだったので、どうにもその点が気になって仕舞い、一見豪華な場面となっても素直な感激が湧かなかった。それから、太宰の苦悩する内面や背景がさっぱり分からず、女性関係の乱れた単なるデカダンスの権化だけのように映ってしまっていて、全く深みが感じられなかった。 今まで全く縁のなかった太宰にお蔭様で一気に近づけたような気がする。それがこの映画の私にとっての効用だろうか。 . . . 本文を読む
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