The Rest Room of ISO Management
ISO休戦
エクセレント・カンパニー
今から10年以上前、“エクセレント・カンパニー”という大前研一氏の翻訳でベストセラーがありました。 80年代に快進撃する日本企業を前に 米国企業の中でも、どんな企業が優秀なのかを改めて追求してみたのが本書です。
以下が その本の概要です。一般の会社ではやっていないが、“超優良”と言われる会社ではやっていることは何で、なぜ“超優良”であるのかを具体的なデータと言葉で示しのが目的で書かれました。それまでの経営学は、定量的な分析を行っていくべきだ、という考え方が主流でありました。組織文化というものについては 概念として曖昧な部分を残すため研究対象には上らず、軽視されていたのです。それに対して、この本では、6つの財務指標などに基づいて選ばれた 全米43社の超優良企業の実例を調査し、以下の8つの共通の特徴*を発見したのです。それらを企業戦略に生かす方法や、人を生かし、組織を絶えず成長させる秘密を導きだし、組織文化の重要性を 問うたのです。
*(1)行動の重視 ,(2)顧客に密着する,(3) 自主性と企業家精神,(4)“ひと”を通じての生産性の向上,(5)価値観に基づく実践,(6)基軸から離れない多角化,(7)単純な組織・小さな本社,(8)厳しさと緩やかさの両面を同時に持つ
この本で 優秀である例として挙げられた企業でも 時代とともに 残念ながら 既に淘汰されているのも多数あります。そのことがこの本の評価に どのように繋がるのかは 分かりませんが、挙げられた企業で 私が注目したのは、スリー・エムとヒューレット・パッカードです。この2社は 本の中で 何度も登場しますし、未だ 会社は存在します。そして この2社に共通する点があります。それは 本書にも指摘があったように思うのですが、いずれも 中小企業を 多数 寄せ集めたような企業であるということです。大企業でありながら意識は中小企業。それは、製品に対応した組織のそれぞれが あたかも中小企業のように機能しているということです。
GEでもSBUという事業部制のような体制を とって それに擬した活動をしていました。(“ジャックウェルチのGE革命”)
そして、そのことを意識しているのでしょう、デルも企業規模が大きくなる時に、どのように企業分割するか 悩んでいたと思います。(日経ビジネス人文庫 “デルの革命”/ヒューレット・パッカードについても日経ビジネス人文庫“HPウェイ”がありますが こちらは現在絶版?)
外見は大企業でありながら 実質は中小企業のようなパフォーマンスを期待する。それが 実は優秀企業の条件ではないのか。翻って、コア・コンピタンスのしっかりした中小企業そのものが 優秀企業への道ではないのか、と 私は考えるようになったのです。
日本版“エクセレント・カンパニー”と言える本は、新原浩朗著 “日本の優秀企業研究” で、凡そ次のような内容です。 不況下でも高利益を続ける企業の“力の源泉”についての研究であり、トヨタ、キヤノン、シマノなど、日本を代表する優秀企業の“事実”を徹底検証し、導き出した“日本発の経営学”である。その企業経営の原点、“6つの条件”を詳しく紹介する。(1) 分からないことは分けること(2)自分の頭で考えて考えて考え抜くこと(3)客観的に眺め不合理な点を見つけられること(4)危機をもって企業のチャンスに転化すること(5)身の丈に合った成長を図り、事業リスクを直視すること(6)世のため、人のためという自発性の企業文化を埋め込んでいること。
そして 結論として、トップ・マネジメント(社長)の役割を中心に 次のように言っています。 “自分たちが分かる事業を、やたら広げずに、愚直に、真面目に自分たちの頭できちんと考え抜き、情熱をもって取り組んでいる” こと。つまり、社長の理解できない、目が届かない 事業には手出ししない。事業規模は社長の統治能力によって適正規模があり、決して 無闇に大きいことが良いわけではないと言っているように思います。
というような次第で、コア・コンピタンス(核となる力量)基盤のしっかりした中小企業が そのコア部分をしっかり保持しつつ、ビジネスに応じて合従連衡するという 自由なフォーメーションを 取れることが 時代に即応した迅速な 事業展開へと繋がっていくように考えるのです。
コア部分以外で 不足コンピタンスがあれば アウトソーシングで調達する。それが スタッフである場合は コンサルタントであると考えられます。これが 流行のインディペンデント・コントラクターとなります。
こうした 個々の独立したユニットの連携、つまりネットワーク展開によるビジネスが これからの軽快(agile)な ビジネス・シーンの発展の原動力になるような気がします。広範囲で迅速な活動やネットワーク展開を ITが 支えることで グローバルなメガ・コンペティションが 達成されるのです。
ネットワーク型社会の到来です。ある人は 現代の“知の時代”が アウトソーシングを加速しているのだ、と言っていました。外部の知の導入は 時間の節約に繋がります。特許のクロスライセンスが その1例ですネ。
これが かねて 私が中小企業が21世紀型企業の形態であると考える根拠なのです。
以下が その本の概要です。一般の会社ではやっていないが、“超優良”と言われる会社ではやっていることは何で、なぜ“超優良”であるのかを具体的なデータと言葉で示しのが目的で書かれました。それまでの経営学は、定量的な分析を行っていくべきだ、という考え方が主流でありました。組織文化というものについては 概念として曖昧な部分を残すため研究対象には上らず、軽視されていたのです。それに対して、この本では、6つの財務指標などに基づいて選ばれた 全米43社の超優良企業の実例を調査し、以下の8つの共通の特徴*を発見したのです。それらを企業戦略に生かす方法や、人を生かし、組織を絶えず成長させる秘密を導きだし、組織文化の重要性を 問うたのです。
*(1)行動の重視 ,(2)顧客に密着する,(3) 自主性と企業家精神,(4)“ひと”を通じての生産性の向上,(5)価値観に基づく実践,(6)基軸から離れない多角化,(7)単純な組織・小さな本社,(8)厳しさと緩やかさの両面を同時に持つ
この本で 優秀である例として挙げられた企業でも 時代とともに 残念ながら 既に淘汰されているのも多数あります。そのことがこの本の評価に どのように繋がるのかは 分かりませんが、挙げられた企業で 私が注目したのは、スリー・エムとヒューレット・パッカードです。この2社は 本の中で 何度も登場しますし、未だ 会社は存在します。そして この2社に共通する点があります。それは 本書にも指摘があったように思うのですが、いずれも 中小企業を 多数 寄せ集めたような企業であるということです。大企業でありながら意識は中小企業。それは、製品に対応した組織のそれぞれが あたかも中小企業のように機能しているということです。
GEでもSBUという事業部制のような体制を とって それに擬した活動をしていました。(“ジャックウェルチのGE革命”)
そして、そのことを意識しているのでしょう、デルも企業規模が大きくなる時に、どのように企業分割するか 悩んでいたと思います。(日経ビジネス人文庫 “デルの革命”/ヒューレット・パッカードについても日経ビジネス人文庫“HPウェイ”がありますが こちらは現在絶版?)
外見は大企業でありながら 実質は中小企業のようなパフォーマンスを期待する。それが 実は優秀企業の条件ではないのか。翻って、コア・コンピタンスのしっかりした中小企業そのものが 優秀企業への道ではないのか、と 私は考えるようになったのです。
日本版“エクセレント・カンパニー”と言える本は、新原浩朗著 “日本の優秀企業研究” で、凡そ次のような内容です。 不況下でも高利益を続ける企業の“力の源泉”についての研究であり、トヨタ、キヤノン、シマノなど、日本を代表する優秀企業の“事実”を徹底検証し、導き出した“日本発の経営学”である。その企業経営の原点、“6つの条件”を詳しく紹介する。(1) 分からないことは分けること(2)自分の頭で考えて考えて考え抜くこと(3)客観的に眺め不合理な点を見つけられること(4)危機をもって企業のチャンスに転化すること(5)身の丈に合った成長を図り、事業リスクを直視すること(6)世のため、人のためという自発性の企業文化を埋め込んでいること。
そして 結論として、トップ・マネジメント(社長)の役割を中心に 次のように言っています。 “自分たちが分かる事業を、やたら広げずに、愚直に、真面目に自分たちの頭できちんと考え抜き、情熱をもって取り組んでいる” こと。つまり、社長の理解できない、目が届かない 事業には手出ししない。事業規模は社長の統治能力によって適正規模があり、決して 無闇に大きいことが良いわけではないと言っているように思います。
というような次第で、コア・コンピタンス(核となる力量)基盤のしっかりした中小企業が そのコア部分をしっかり保持しつつ、ビジネスに応じて合従連衡するという 自由なフォーメーションを 取れることが 時代に即応した迅速な 事業展開へと繋がっていくように考えるのです。
コア部分以外で 不足コンピタンスがあれば アウトソーシングで調達する。それが スタッフである場合は コンサルタントであると考えられます。これが 流行のインディペンデント・コントラクターとなります。
こうした 個々の独立したユニットの連携、つまりネットワーク展開によるビジネスが これからの軽快(agile)な ビジネス・シーンの発展の原動力になるような気がします。広範囲で迅速な活動やネットワーク展開を ITが 支えることで グローバルなメガ・コンペティションが 達成されるのです。
ネットワーク型社会の到来です。ある人は 現代の“知の時代”が アウトソーシングを加速しているのだ、と言っていました。外部の知の導入は 時間の節約に繋がります。特許のクロスライセンスが その1例ですネ。
これが かねて 私が中小企業が21世紀型企業の形態であると考える根拠なのです。
コメント ( 2 ) | Trackback ( )
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久しぶりの企業論。よく勉強しているな~、と感心し、よく整理されているので、暑さで混濁している頭もすっきりです。
松下幸之助翁が、まっとうなシッカリした会社は、10社に1社程度と言っていたのを思い出しました。エクセレントとなれば、更にハードルが高いでしょうから100社のうち1~2社でしょうか。企業人は、エクセレントを求めて思考・行動したいものです。それにつけても、神戸の会社はなんと反エクセレトなのでしょうか。まいいか。気軽に行きましょう。
考えてみてエクセレントであることと、ISO9001はどう関係するのかが、興味のあるところでした。
今のところ 月並みですが ISO9001は エクセレントであることの基礎的条件としか言い様が ありません。
ヘッポコ・カンパニーはISO9001の対極にあるのか、エクセレントのアンチテーゼなのか、……イヤ両方であって、ここは分けて考えても無意味で、ダメなものはダメ!なのでしょうネ。